ハンデ戦について考えるbyスタッフ①
アマチュアの囲碁の大会ではハンデ戦という形式の大会がしばし開催されています。このことは運営チームもよく理解しています。しかしながら我々は健全なハンデ戦を用いた競技の場を用意する事を断念したという経緯があります。その代わりにハンデ戦に対するセカンドオピニオンとして不思議の国のアリス杯の形式を開発しました。運営チームは発足してから一年間たちその間ずっと開発した形式に甘えてハンデ戦から目を逸らしていました。しかし、需要が大きいのも事実なのでここでいまいちど考察し需要の大きさの理由や問題点を探っていきます。
ハンデ戦の定義
ハンデ戦とは
大会に参加する際にそれぞれの参加者に級や段(以後はランクという)が決められる。今回は特にランクを自己申告する形式を指す。
対局時に二人のランク比較し差があれば低い者に低ければ低い程ハンデを与える。
これらのルールがある大会を一般にハンデ戦という。
ハンデ戦の効果
①対局体験の質の向上
多様な実力の参加者がいる大会でハンデが無ければ一方的でつまらない試合が発生することが期待される。(特に囲碁は運の要素が少なく勝敗の再現性が高いことも留意したい)
ハンデがあればすべての試合がある程度スリルがありハンデなしと比べて楽しい対局になると思われる。
②多様な参加者
①よりある誰でもある程度楽しい対局ができるのでハンデなしより多様な参加者を受け入れられる。また、ハンデがないと対局できない人などと対局でき交流が広がる。また、ここに需要の大きさがあると思われる。
①が実現されているから②が成立している主従関係は抑えておきたい点である。
ハンデ戦の弱点
①ランクの擦り合わせ
これは囲碁でよくある問題だが同じ人でもコミュニティによってランクの評価が異なる場合がある。ハンデ戦もこれの例外ではない。この問題から効果①が実現されない可能性もある。
②対局外の内容が勝敗に関与している。
ハンデ戦が理想的に機能していれば全ての参加者の勝率が0.5付近になると思われる。しかし、実力と申告したランクにギャップがあればその限りではない。これを利用して勝利を目指すものもいると思われる。
これは競技として見た時に健全ではない。
また、自分の勝敗に付いてもハンデの影響を受けているためハンデ戦でない場合に比べ納得感を得にくい。
ハンデ戦の価値の向上
以上のことをまとめると
ハンデ戦は勝敗のやり取りではなく楽しい対局自体に価値を見出す者が参加するのが望ましい。また、ランクについて明確でわかりやすい基準があれば対局体験の質の向上し納得感が増す。競技性を帯びると欠点を際立たせるため勝者に高い価値のインセンティブを与えないほうが良い。
これを理念として念頭に置きハンデ戦を運用していくとハンデ戦の価値の向上すると考えられる。
ここまででハンデ戦の特徴と価値の上げ方を把握した。
次回は龍ちゃんのツイートしていた問題提起に触れながらハンデ戦の価値の向上について考えていく。