ギリシャ渡航記

長いコロナ禍を明けて(?)ギリシャの国際会議に参加できたのでその記録を残しておこうと思う。
まあ僕の元指導教官氏も海外出張の記録を日記調で残していたので、それをリスペクトしたということで。

注:ギリシャに出張した時の記録を淡々と日記のように書いていくだけの記事ですので、読み手のことは考えていない自己満記事です。それでも見たい暇人だけ見てください。


渡航前まで

まず渡航するために大学に出さないといけない書類の準備が大変だった。
渡航の準備をしていた段階でギリシャの危険レベルが2だったので、通常の海外渡航届(これは10分で作れたので楽勝)に加えて渡航申請の書類を書かないといけなかったのだけど、これが大変だった。渡航先のパンデミックや入国規制の情報は序の口で、海外渡航の保険の加入状況や現地での交通手段の記載、挙句には滞在先から最寄りの病院の情報まで調べないといけなかった。これらの調べ物に加えて渡航の必要性・渡航目的を400字程度で求められ、さらには複数の教員からの(いくつかは自分で書いた)推薦文も必要だった。まあ渡航の1ヶ月前には書類は完成したけど、その後すぐにギリシャがレベル1に下がってしまって結局書類を提出する必要なくなってしまったのがまた悲しい。

事務手続き関連であと大変だったのはPCRテストを72時間ルールに間に合わせるように調べることだったかな。でもこれは一緒に渡航する同期氏が絶好の病院を見つけてくれたので、僕はほとんど何もすることなく解決した。航空券や宿の確保も一緒に渡航する同期たちに助けられたので、地味に初の海外出張が1人ではないことは重要かもしれない。(9月のチェコへの出張はどうなることやら、、、)

あとは発表予定の内容が就活のせいでまだ投稿できていなかったのでかつてないハイピッチで共著者を急かして投稿を完了させたり、発表の1週間前にはスライドを完成させていたりした。スライドをこんなに早く完成させたのはM1の夏の学校に参加した時以来だと思う。スライド関連の話だと、今回16:9で作ることが主催者から推奨されていたので初めて16:9でスライドを作ってみた。初めてついでにパワポのスライドマスター機能も駆使してみたところ自分の中ではスライドが結構見やすくなったのでちょっと感動した。ものは試しですね。これからのスライドも全部今回作ったデザインを流用しようと思う。

前日に荷造りを80%ぐらい終えた段階で気づく
「あれ、これスーツケースじゃなくて普通のスポーツバッグで荷物入るくね?」
スーツケースの半分で服や必要なものが埋まってしまった。
これはお土産をたくさん買えとの神からのお告げな気がする。
就活使った時は1泊分で満帆だったのにと不思議だったけど、冷静に考えれば今回はスーツも革靴も詰め込んでいないからだった。
まあ今回はケースにぐるぐる巻くやつも買っちゃったし、ギリシャはスリも多いらしいのでこのままスーツケースで行こうと思うけど、次回のチェコの治安が良かったらスポーツバッグでいいや()
(帰国後追記:酒買うと結局スーツケースは埋まるぞ)



初日〜2日目(移動日)

まずは関空へ移動。
数年ぶりに使う南海線はエモかった。
ラピートから眺める母校もいとおかし。
関空で一緒にアテネに向かう人々と合流してマクドで軽い飯。
まあ今の関空はほとんど飲食店がやっていなくて、集合時間が遅かったのもあって他に選択肢がなかったのだけど。
手荷物検査で筆箱が引っかかって中身をぶちまけられたこと以外はトラブルもなく、深夜便でまずはドバイへ。

初のドバイ行きということでワクワクしながら搭乗したのはいいものの、大雨の影響で飛行機があり得ないほど揺れる揺れる。
窓からは雷を至近距離で見れたし、揺れ方と合わせてリアル・ストームライダーだった。
天井からストームディフューザーが突っ込んでくるのにビビりながら1時間ぐらい揺れに耐えることに。
途中揺れがマシな間に配られた機内食も揺れの中でこぼさないようにかなり気をつかった。
(ちなみに機内食自体は見た目が不味そうだった割にめちゃくちゃ美味しくてびっくりした。)
揺れが収まってからはかなり快適になったので、合計6時間寝ることはできて気がつけばドバイに着いていた。
まあばっちり足がパンパンにはなったけど。

人生初のドバイ空港。
あちこちに噴水があったり豪華なものが見えたりと、金の匂いがすごかった。
疲れていたので、軽く手続きをして散策した後は搭乗口付近でずっと座っていたのが少し残念。
お金持ちになってからもう一回来て宝くじしたいね。

ドバイから約30分遅れで飛行機が出発し、無事にアテネへ。
機内食食べたり映画を見たりテトリスをしているうちに着いたので、4〜5時間のフライトならエコノミーでも全然大丈夫だとわかった。
(まあそれ以上のフライトでもお金がないのでエコノミー使うしかないんですけど)
アテネからはタクシーでホテルへ
同期氏がウーバーで頼んでくれたのですんなり行ったけど、空港からアテネ市内への料金は相場が決まっていてしかも空港出口すぐに大量にタクシーが止まっているので、直接捕まえても大丈夫だったかもしれない。

ホテルに着いて少しゆっくりしてから再びみんなで外出。
会場まで行って、名札とオリジナルエコバッグをもらうことに成功した。
その後は夕食。
名前を忘れたけどパンに肉と野菜を挟んだ料理でかなり美味しかった。
1.6ユーロでキンキンに冷えたビールが飲めたのもポイントが高い。
夕食後はスーパーマーケットに寄って日用品を買い溜め。
しかし、ここで淡水を3リットル買ったつもりが炭酸水を3リットル買ってしまう痛恨のミス。

ホテルに帰ってメールを開くと、投稿した論文のレフェリーコメントがもう返って来ていた。
結果はボロカスなコメントを添えて取り下げ推奨。
けれどレフェリーコメントの質がかなり低かったので、全然まだまだ戦える。
例えばappendixの節のタイトルになっていることを「なんでこんな基本的なことも書いていないんだ?」って口調でコメントしているようなものばっかり。
まともに原稿読んでないくせになんでまああんなに強い言葉が使えるのかね。
取り下げのコメントをするなら、もっと本質的なことを指摘するべきなのに一切言及なし。
結局レポートへの対応をしているとスライドの修正をする体力がなくなってしまったので、この日はそのまま就寝。

あとホテルに着いて通信環境を確認している時に気づいたんだけど、結構日本国内でしか使えないサービスってあるんですね。
ヤフー関連はヨーロッパでは使えなくなったし、U-nextも見れなくなってしまった。
せっかくちはやふるの新刊購入したのに、、、

3日目(日曜日、会議初日)

朝6時半に起きて再びレフェリーコメントへの対応&スライド修正。
朝食はホテルのバイキング。
普通の洋食バイキングだったけど、まあ普通に美味しかった。
特にヨーグルトが日本のものより粘性高めで冷たくないトルコアイスクリームって感じでとても良かった。
朝食後はホテルで再びスライド修正。
(なお研究会初日はすっぽかすこととする)

途中で真面目に会場に行ってた同期からパイセンと会ったと報告。
昼飯を一緒に食べてそこからアテネ市内を観光することに。
昼飯はケバブを食べた。
パンに挟んでるか挟んでないかの違いで随分値段が違う気がするけど多分気のせい。
昼食後はシンタグマからパルテノン神殿へ行った。
パルテノン神殿までは完全に山登り。
運動不足の身体にはキツかった。
頂上付近は地面が大理石になっていてツルツル滑るのも足腰に負担。
途中で持っていた水が尽きてしまったので山頂で4.5ユーロも払って炭酸水を買うハメになってしまった。
(その辺で買うと0.5ユーロ、スーパーだと0.15ユーロぐらい)
ただ山頂のパルテノン神殿は工事中だったけどとても綺麗だった。
パルテノン神殿から見るアテネ市内も真っ白でとても絵になるなあと思いました。
神殿から降りてその辺散策してから晩飯。
牛の肝臓のステーキを食べた。
味は砂肝を柔らかいステーキにしたような感じでなんとも言えないものだった。
なお半生だったので絶対に腹を壊すと覚悟を決めながら食べた模様。
(ちなみに全く壊さずにピンピンしてました。)

ホテルに帰ってからはスライドを微修正&アップロードして速攻で寝る。
なおこの日初めてシャワーの使い方を学習した。



4日目(月曜日、会議2日目)

6時半ごろに起床。
朝食食べて朝イチで研究会へ。
最初だけ別のセッションに参加して後から自分のセッションに行ったんだけど満席。
てか結構な人数に対してプレハブの仮設した感が強い会場は良くないよ、、、
会議はflux ropeの磁場構造や不安定性に関する話が多かった。
正直ケーススタディやマニアックな解析が多すぎて聞いてるのがしんどいのが多かった。
ただ大御所の不安定性についてのレビュー講演は面白かった。

パイセンたちと昼食に行って午後からも同じセッションに参加。
同期氏の発表をカメラをパシャパシャしながら聞く。
噴出機構を頑張って特定しようと試行錯誤してるのが伝わってくるnice talkだった。

セッション後はパイセンたちと会場の裏の山登り。
途中でサボテンが生えていてサボテンって砂漠以外にも生えるんだってなった。
今回はパルテノン神殿の反省を活かしてちゃんと水を持ってきたけど、それでも傾斜がキツくて足がパンパンになった。
運動不足は良くないね。
頂上からの景色はもちろん最高だった。
アテネは普段歩いているとスプレーでの落書きばっかで汚いけど、上から見ると真っ白で本当に綺麗。
下山してレセプションパーティー。
ただ飯に釣られて行ったけどワインとチーズとかしかなかった誤算。
コロナのリスクが間違いなく一番高い現場だったので、後から思えば早期離脱するべきだったかもしれない。
(ただ出てきたイチゴもワインも最高に美味かった)
みんなお腹空いてたのでホテルの近くのレストランへ。
ここはコスパが良くて上手くて気に入りました。
夕食後はホテルに帰ってちょっと発表練習&微修正して寝る。
生活リズムが日本にいた時よりずっと良い。



5日目(火曜日、会議3日目)

朝食&ホテルで発表練習。
会場に遅れて行ってスライドをチェックしてからセッションに参加。
やっぱり理解するのが少ししんどい話が多い。
午前の後半戦は同期氏の発表を聞くためにSEPのセッションへ。
分野が違いすぎて6割ぐらいわからなかったけど、雰囲気で楽しめた。
昼食後はセッションサボってずっと発表練習。
18時になって練習もだいぶしたのでポスターセッションを覗きにいく。
人口密度が完全に正月の住吉大社だったので、はや抜けしてパイセンたちと晩飯へ。
よくわからずに注文したらマカロニがいっぱいの山盛りパスタが出てきて完食できず。
これもまあ経験です。
ホテルに帰って最後の発表練習。
このときスライドの図の軸を書き忘れてることに気づくも時既にお寿司。
人間諦めが肝心なので明日に備えて眠る。



6日目(水曜日、会議4日目 & 発表日)

朝早起きして最後の発表練習&朝食。
いつもよりヨーグルトに多めにチョコをぶち込む。
緊張からか食べ過ぎからか知らないけど朝会場に行くまでに3回トイレに行くはめになる。
まあ腹壊したわけではないからセーフセーフ。

朝イチ&自分の発表のセッションに参加。
恒星関連の話でどれも面白い。
恒星関連の話はよく実態がわからないものを少ない観測の証拠や太陽での知見を踏まえてあれこれ可能性を議論できる側面が強くて個人的には好きです。
人の話を聞いているうちにあっという間に自分の番に。
前に出てパソコンの画面を見たら発表者ツールが使える仕様になってた。
これならあんなに練習する必要はなかったかもしれない。
そんなこんなで発表は無事に終わって質疑応答へ。
質問一つ目、今回選択したイベントがどういった頻度で起きているのか聞かれた(気がする、英語あまりわからなかった。)。
確かな値はちゃんと調べたわけではないので思わず I don't know.と答えちゃったので反省。
観測装置の制約の話とか今回目で見てイベントを選んでいるとか典型的なマイクロフレアの発生率と比較した場合のおおよその値ぐらいは答えた方がよかったなと思って、後で個人的に補足しにいって議論もできたのでまあセーフ。
質問二つ目、total flare energyの定義について。
non-thermalエネルギーを含めないのはやっぱりみんな気になるよね。
これは想定内でもあって前にだいぶ考えた内容なので多分うまく答えられた気がする。
そんなこんなで発表が終わった無敵の人へと進化を遂げる。

みんな午後からはセッションがなかったのでアテネの中心地へ向かって博物館巡り。
アテネは本当に遺跡が多くて歩いていて楽しいね。
(スリと物乞いと汚い落書きと下水漏れでできた川がなければ)
博物館に行く途中でオモニア広場付近を通ったのだけど、治安の悪さしか感じなかった。
人生で行った治安の悪い場所ワーストを無事更新です。
博物館はどっちも広くて全部見るのは中々大変だった。
馬鹿で教養がなくても「石像でけえええ、遺跡かっけえええ、裸の人が戦ってるううう」と楽しめました。
むしろ教養がなかったからこそ半日で両方とも全部回れたのかもしれない。
あとはアクロポリス美術館から見えるアクロポリスは最高の景色でした。
治安の悪ささえなければ景色は最高だし飯は美味いし天気はいいしでマジでアテネに住みたくなってくる。
夕食はアクロポリスが見えるレストランでビールを飲みながらラム肉を食べる。
ジンギスカンのイメージで臭みがあるイメージだったけど全然そんなことはなくて、シチューに入っている骨つき肉みたいな味と柔らかさだった。
そんなこんなで大満足でホテルへ。

7日目(木曜日、会議5日目)

6時に早起きして6時半から日本と2連続でzoom会議。
(レフェリー絶対に許さねえ)
会議が終わると腹を壊していた同期氏が発熱したことを知り戦々恐々に。
(ちなみに簡易検査だと陰性なので最悪の事態は回避されました)
僕は無症状(何なら規則的な生活をしている分いつもより元気)だったので、とりあえず陰性なことを信じて二重マスクをして行動することに。
アウトだったら確実に道連れになっている同行者以外とはなるべく会話も避けた方が良さそう。

そんなこんなで朝はバタバタしてしまったのでセッションには少し遅れて参加。
セッション会場が今までの5倍ぐらい広い。
ギリシャに来て一番人口密度が低い状況である意味安心。
話は太陽での小スケールの現象なら何でもありのセッションで、DKISTやSSTを中心に綺麗な絵や僕の研究と関連する話もたくさん聞けて面白かった。
特にオンライン講演だったけど、A-Bクラスフレアの温度を解析して今までより高温な結果になったって話はもっと詳しく聞きたかった。
夕食は3回目になるホテルの近場のお店でビールと共に鶏肉を食べる。
コスパ最高の店を初日で発見できたのはデカいね。
道中でスーパーに寄って、お土産のギリシャビールを買う。
そんなこんなでこの日は一日セッションを楽しんで終了。
自分の専門分野ドンピシャなこともあって満足度が高い時間でした。


といい感じにまとめようと思ったのですが、トラブルにいくつか遭遇もしてました。
まずは会場に行くまでの徒歩5分の道でいつの間にかスリに合っていたこと。
普通にリュックを背負っていたら、会場に着いた時には手前側のチャックが全開に。
幸い手前側には汚い汗拭きタオルと飲みさしの水しか入っていなかったので何も取られていなかったものの、奥側の当たりを引かれてIpadが盗られていたと思うと怖すぎる。
明日から暑くてもリュックを前に背負って行こうと決意。
二つ目はホテルでお湯を貼っている時に内側から浴室に鍵がかかって外側から開けられなくなるという事件。
損害賠償、保険金請求手続き、賠償責任交渉などが頭をよぎったものの、ヘルプを求めて来てくれた同期氏が1ユーロでドアの鍵を回転させてこじ開けることに成功。
圧倒的感謝。
人類を救うのは友情と梃子の原理だ。


8日目(金曜日、会議6日目)

この日も朝から晩までセッションに参加。
午前は小規模リコネクションの話が中心で自分が研究していることもあってとても面白かった。
特にHXRで静穏領域の増光を初めて?観測したものはスペクトルの形がほとんど熱的になっていて興味深かった。
(しかもAIAのDEM解析で求めた温度の最大値ぐらいの温度になっていたのも面白い)
セッション後に僕と似ている研究をしている人に声を掛けて議論をお願いする。
時間があまりなくて深いところまでは議論できなかったけど、顔と名前は覚えてもらえただろうしメールで議論してもらえることになったのは収穫。

午後の最初は恒星のセッションに参加して後輩氏の発表を見物。
質疑応答もちゃんとできてて偉いなあと思いました。
午後の後半は再び太陽のセッションへ。
波の話や部分電離の話が中心になっていて一気にわからなくなってしまっていた()

夕食は手軽にホテルで。
ポークチョップを初めて食べたけどステーキみたいなのね。
夕食後は部屋に帰って今日議論した人の論文をチェックしてメールを送る。
自分の研究と比較して興味深い内容が多かったので、つい長文になってしまった。
そんなこんなでこの日は少し夜更かしをして24時半に就寝。



9日目(土曜日、会議7日目)

朝6時半に起きて朝食の後PCR検査を受けに病院へ。
同期氏がタクシーをウーバーで手配してくれたので移動は楽できました。
PCR検査は鼻と喉にグイグイ突っ込まれてすぐに終了。
陰性お願いします!!

そんなこんなで朝からバタバタしていたので遅れてセッションへ。
午前の最初は2流体の数値計算の話がメイン。
2流体の効果を取り入れるか否かで結果が変わる様子を見せてくる。
頑張って数値計算してるのは凄いと思うけど、単に物理量の分布を見せて「ほら影響あるでしょ?」って言うだけじゃなくて、結果が変わる物理機構をもう少し説明してほしかった。
そうこう言ってるうちに僕の研究に関連深いセッションは終了。
ともかく最新の話題を色々とキャッチアップするという目標は達成できたのでよし。
修士までは英語も背景知識も全然足りなくて(どちらもまだ全然足りてないけど修士の頃よりはマシ)、正直国際会議に参加するのはしんどかったのだけど、じっと座ってるだけで世界中のグループの最新の成果を説明してもらえて自分の研究と結び付けられる場所なんだなと実感できました。
(願わくばもう2年早く開催してほしかった)

午後は誰も捕まらなかったのでその辺でギロを買って一人でホテルで食べる。
その後はホテルで作業。
質問メールを書くために関連論文を読み漁ってたら僕の知りたかったことがアブストに書いてあったので終了。
そのまま論文を読んでると、PCRの結果が届く。
結果は無事陰性。
歓喜。
なんだか名前を間違えているような気もするけど、まあ上手な筆記体を僕が読めないということにしておく。

PCRの結果にウキウキしながら研究会の最後にある旧ボスの発表を聞きに再び会場へ。
貫禄と歴史を感じさせる良い発表だなと思いました。
宣伝もしてもらえたので感謝。
今回恒星観測のセッションにチラホラ参加してみたけど、恒星CME検出は「彩層ラインを使ったフィラメント噴出の兆候を捉える」やり方とcoronal dimmingを捉える手法の2種類が大流行している印象。
(もちろん全部は参加できなかったので偏見あり、電波バーストも何故か見えないけどもっと調べ続ける必要あるだろうし。)
今年か来年ぐらいには、次の大きな進展として多波長観測でフィラメント噴出もdimmingも両方捉えたぜって論文が来ると妄想、知らんけど。
もちろんそれができるだけの複数の観測装置で該当イベントが捉えられるだけの観測時間を確保するのはめっちゃくちゃ大変だろうけど。
そういう意味でもdimmingとフィラメント噴出の関連性をsun-as-a-starとして調べるというテーマは急務なのかもしれない。
ともかくこれで研究会は終了、お疲れ様でした。

セッション後はまたホテルに帰ってPCR検査の結果を印刷。
その後はパイセンたちと合流して中心街に行って夕食。
パルテノン神殿は見えて景色は最高だし、研究会も無事終わったし、PCRも陰性だったので、最高に気持ちよくビールが飲めました。
初の海外出張でドキドキだったけど、パイセンたちのお陰でなんとかなった感が強かったですね、圧倒的感謝。


10、11日目(土・日曜日、帰国日)

最後の朝食、最後の本場のヨーグルトを食べて午前中は部屋で荷造り。
ギリシャに来てから部屋の荷物を散らかしっぱなしだったので中々大変だった。
午後からはチェックアウトを済ませて漁港へ。
地下鉄に乗って物乞いを躱しながらなんとか生きて漁港へ到着、海が見えるところまで歩く。
この日は最高気温が38度だったこともあって無茶苦茶暑い。
ともかく目的地に到着、疲れたのでケンタッキーで昼食。
ケンタッキーはチキンが日本と違って一口サイズだったりポテトがマクド仕様だったりと色々と違いがあって面白かった。
ただ店内で鳩が侵入してきて僕の昼食を狙ってくるので戦う羽目になったり周りをハエが飛び回っていたりと、全体的にギリシャクオリティーだった。

昼食後はもう使わなくなった船をそのまま改造した博物館へ。
海に浮かんでいるだけあって、船頭からの景色が非常に良き。
潮風も吹いていて地中海を感じる(気がする)。
ただ船内は節約のためかエアコンを切っていてサウナ状態。
実際僕たち以外にお客さんがいなかったので仕方ない?
そもそも寄付を募っていた以外は無料で楽しめたのも謎。
景色は良いしエアコンがあれば展示も面白かったので、あれが無料なのは逆の意味で納得がいかない。
博物館の後は景色がいい場所にタクシーで移動してちょっと写真を撮ってからスタバで一服。
普段からスタバで何か甘いものを食べていたら違いが感じられたかもしれないけど、僕はスタバでコーヒーしか頼まない人間なので、残念ながら衛生面と設備が日本より劣化しただけのスタバだった。
ともかく漁港の景色と雰囲気は十分に楽しめたので、そのまま空港へ。
もし次来ることになったら、絶対に島に観光しに行きたいね。
(これは持論ですけど、旅行というのは次来た時の楽しみを残しておくものなのです。)

そこから空港に向かってチェックインまでぶらぶら。
小さな博物館が何個かあったのだけど、そこで寝ている危ない感じのおっちゃんがいて最後までアテネらしかった。
時間になったのでチェックイン&入国審査。
特に問題がなく通過したので、そのまま飛行機が出るまでぶらぶら。
飛行機も無事に時間通りに出発したので、名残惜しいような身の危険が去ったことに安心するような複雑な気持ちを抱えて9日間のアテネ滞在を終える。

飛行機では時差ボケのために寝ないようにしていたんだけど結局寝てしまい、気がつけばドバイに着いてた。
眠い、暑い、蒸し暑い、昼間にケンタッキー食べ過ぎたのでお腹痛い。
ドバイコネクトでホテルに輸送されて本当に助かった。
なぜかここに来てドコモのサービスが繋がる。
単にギリシャでは接続が悪かっただけくさいのだけど、本気を出すのが余りにも遅過ぎた。
そのまま23時間のトランジットのうち、昼までをホテルで寝て過ごす。
昼からはドバイモールへ。
でかい、でかい、とにかくでかい。
凄く金の匂いがする。
モールの中に室内水族館&動物園とアイスリングがあるの本当に頭がおかしい。
5時間近く散策したけど、結局半分も構造がわかった自信がなかった。
ちなみにナイキで2000円ぐらいだろうと思ってシャツとパンツを帰りの飛行機用に買ったのだけど、なんと合わせて15,000円だった。
二度と海外で衣類買わん。
一通りモールを散策したので、ブルジュ・ハリファへ登る。
夕暮れ時を選んだせいで、チケットが9,000円ぐらいしたけど、お陰で夕日も夜景も見れたので大満足。
馬鹿は高いところが好き。
水上ショーも上から見れたけど、噴水の高さがイマイチ上からじゃよくわからなかったので、次回があるなら横からも見たいね。
測らずしもリムとディスクの両方で観測することの重要性を教訓として得る。
ドバイ観光を一頻り楽しんだので飛行機に乗る準備をするためにホテルに帰って夕食&荷造り。
夕食はバイキング形式だったけどめちゃくちゃ美味かった。
ドバイさん、治安は良いし建物はデカくて綺麗だし飯は美味いしで観光地として余りにも強過ぎた。
暑いことと物価が高いことだけが欠点だけど、また遊びに行きたいと思える国だった。
(まあ2ヶ月後にはまたトランジットで行くんやが、、、)
ドバイで研究会とかあったら参加者多そう、多分現地で取り仕切る人がいないんだろうけど。

ドバイでもう少し観光したい気持ちを抱えながら空港へ。
出国検査も無事に終わって免税店でお土産探し。
まずは行きに来た時から気になっていた宝くじにチャレンジ。
ウキウキで1億円狙いにいったけど、売り場で確認してみるとなんと懸賞によって一口当たりの金額が違うっぽい。
1億円が当たりのくじ(約4万円)を買うだけの財力はなかったので、仕方なくベンツを狙いにいく。
気合を入れてくじを引くも、結果は3週間後に出るらしい。
仕方なく連絡先を書いてその場を離れる。
今日のところはこれくらいで勘弁しといてやるよ。
その後は普通にワインを2本買って、搭乗時間になるまで足が伸ばせる椅子に座ってくつろぐ。

飛行機では爆睡。
座ってる最中ずっとマッサージされてる感覚だったので、アテネ空港で買った靴下がかなり効いた気がする。
そんなこんなで関空到着。
検疫所?で同行者が発熱していたことを尋ねられるもPCR検査の結果と、彼は下痢の苦しみ方がとんでもなかったことを伝えると苦笑いで通過を許可される。
入国検査も顔パスで終えて荷物も無事回収完了。
が、結露のせいかなんだかキャリーが少し濡れている。
嫌な予感がするけど、とりあえずそのまま税関で。
税関で超過分の酒の申告をしていて買った酒を全て並べていたところで元凶が発覚。
ギリシャで買った缶ビールが気圧変化に負けてへこんでしまって、何処かからビールが漏れてしまっていた。
幸い、先輩の助言があったので缶ビールは包んでいたんだけど、袋から漏れ出した分がスーツケース全体に少しだけ染み出していた。
まあビシャビシャじゃなかったし、スーツケースに香り付けしたということでよし!!
(その日に弔いのために飲んでやろうと思いましたが、炭酸が抜けたただの苦い水だったので泣く泣く下水に流しました。)
何はともあれ税関も突破してラピート使って帰宅しました。
帰ってから食べた王将の定食の白米が死ぬほど美味かったです、やっぱ日本が一番だわ。


総括

出張自体は楽しかったけど、僕一人じゃ対処できないトラブルばっかりだったなあって感想です。
一緒にいた日本人の方々がいなければ今頃僕は海の藻屑でしょう。
とりあえず次回の出張に備えてウーバータクシーインストールしておきます。
あとはSIMフリーにしておかないと。
帰国してから発覚したクレカの請求ミスとかいうクソトラブルが発覚したので、次回はクレカの明細全て確認するまでレシートは一枚も捨てないようにしないとね。
(今回は帰国してすぐに邪魔だから大半を捨ててしまったけど、たまたま該当レシートだけ保管してた。悪運が強いというやつです。)
帰ってきてから無事に時差ボケで体調を崩したので、次回は時差ボケ攻略法も調べていこうと思います。

街の感想としては、アテネは治安が良くて下水の川さえなければ住みたい街だと思いました。
特に山の上からの景色は白い建物が綺麗に見えて格別でした。
(上から見ると落書きが見えないからではない。)
ドバイはお金持ちの街だなと感じました。
個人的にタトゥイーンとコルサントが混ざったような街というのは結構的確な例えな気がしています。
次回のチェコ出張でもトランジットで寄るので今回泊まった空港に近いホテルを個人で予約しようかな。
砂漠かIMGワールドに行きたいですね。


最後に今後に備えて持ってきて良かったもの、いらなかったもの、持ってきた方が良かったものをまとめておこうと思います。

持ってきて良かったもの

  • 箱ティッシュ

  • 虫刺されの薬

  • ポーチ

  • マスク(箱)

  • 身体を洗う用のタオル

  • 飛行機での足のむくみを防ぐための靴下(アテネ空港で買ったため途中参加)


いらなかったもの

  • スリ防止用のリュックカバー(よっぽどやばい地域じゃない限りはリュックを前に持てば対応可能そう)

  • なんか色々入るでかいPCケース(シンプルにいらなかった)


持ってきた方が良かったもの

  • SIMカード(ド●モのサービスがゴミすぎたので)

  • 延長コンセント(プラグ変換器が一個しかないので同時に一個しか充電できない)

  • 体温計(コロナになったかチェックができると安心)

  • 簡易検査キット(上に同じく)

  • 洗濯用の簡易洗剤(ホテルの風呂で簡易的に洗い物をするため)

  • もう少しの枚数の服(洗濯はなるべくしなくて済むように)

  • ウエストポーチ?(腰に巻けると便利そうだなって)

  • ハンガー(洗濯したものを乾かせるように)

  • うちわ(涼は自分の手で作り出すもの)

  • タッチ決済式のクレカ(海外ではこっちが主流っぽい、帰国してよく見てみると日本でもタッチのマークがあって日頃の観察力不足を嘆く)

  • 歯磨きセット(エミレーツでもらえたけどアテネのホテルではなかったので、どこにでも置いてあるという認識は捨てろ)


教訓:缶ビールは飛行機で爆発するから買うな


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