月影の鎖 榛名望編&大井川護編 感想
やりました、月影の鎖。
ついに最後の榛名ルートですね。というのは大嘘で、護ルートを〆に残していたので、正しくはラスト2シナリオでした。まとめて感想をドン。
月影の鎖全体と、同社の乙女ゲーム、スイクラのネタバレにも注意。(モラトリアムも少しプレイしちゃってるのでそっちの話も出るかもです)
どうぞ、よしなに。
他のメインキャラを全て攻略しちゃっていたので榛名の背景は粗方わかっていたつもりでしたが、めぐみに惹かれたきっかけとか、一言で言い表すとしたらどういう子なのか、みたいな細かい部分は全然わかっていなくて、最後の子でしたがなかなか先が楽しみにプレイできました。
ただ、猪口のシナリオで「友達」をすごい大事にしていたり、めぐみへの想いが本気だったり、とわかっていたこともやっぱり多かったので、それでもあんまり掴めないのはちょっと不思議ではあったかな。普通ここまで情報そろってるならもう少し行動原理とか読めそうなのに。
そう、一言で言い表すなら榛名は「かわいい猫ちゃん」みたいな感じでした。これ榛名ファンに怒られないかな。いや、プレイしてから本当に榛名が可愛く思えて。
なんならプレイ中もひっそり心の中で「はるにゃん」ってあだ名をつけてました。登場するたびにおっ!はるにゃんじゃん!みたいな。大丈夫なのか?
いや、榛名、思えばメイン攻略キャラの中で一番若いんですよね。めぐみと同い歳なんですもん。可愛くないわけないです。いやただ単に若いからと云うよりは、性格の面も大きいですが。
そもそも榛名の声が可愛くないですか?ちょっと苦いけどどろどろに甘いみたいな、正に榛名!!って感じの声で凄いです。焦がしキャラメルみたいな声。
これ神楽坂シナリオ読んだときにもびっくりしたんですが、榛名、めぐみが恋した相手が猪口以外だと「今の君は嫌い」って急につっけんどんになりながらもお店には来てくれて、かつめぐみのことを深海に最後まで売らずにいてくれるんですよね。私なかなかこういう捻くれた子を読み解くのが苦手なのか、あああの「今の君は嫌い」って、めぐみが好きだからこそ、嫉妬であんな風になってたんだな……って猪口シナリオやってから気付きました。榛名、本当にめぐみのことが好きだったんだな……とも。
いや、めぐみの陰った部分が好きで最初は妬んでいたとも言っていましたから、単に取られたくない!!ってだけの気持ちではなくて、自分と似た雰囲気があるのに他人を愛せてしまった、先に光を得てしまっためぐみへの、そういう「嫉妬」もあったとは思いますが。
「どうしてまだ店に来るのかなんて……、この店の冷やし飴が気に入ってるからでしょ。それ以外の理由なんて無いから、安心したら?」榛名、鉄板みたいなツンデレ構文を使いこなす男ですごいです。か、勘違いしないでよねっ!だからお前が可愛い。
ちなみに私のプレイスタイルなんですが、最初に好感度は全く気にせず好きに選択肢を選んで、いちど何らかのエンドを見たら攻略を見つつ明るいエンドを回収、その後にバッドエンド並びに暗いエンドを全て回収する、というやり方でやってます。
何も気にせずやってて一番暗いエンド(今回で言う依存エンド)に突っ込むことはほぼないので、最初に見るエンドは必ずバッドエンドか愛情エンドになります。
最後に依存エンドを残しているのは一番暗いエンドが一番楽しみだからです。
そういう訳で、榛名を攻略していて一番最初に見たエンドは心中エンドでした。めちゃくちゃびっくりした。
榛名、めぐみと考え方がそっくりすぎるんですよね。
めぐみも深海を殺して自分も死ぬ、みたいな良くない行動力を発揮しがちな子なんですが、榛名もそっくりで「僕が居なくなればめぐみちゃんは幸せになれる……」と何度も消えようとするので、くっつくのは早いけど、だからこそ「もう死んじゃおっか」でブレーキが効かなくなるのも、早い。すごいですよね。榛名の個人シナリオに入った段階でお互いの想いが通じ合うのに、だからこそ、それくらいの時期にもう心中できちゃいます。よくも悪くも若いなあって感じ。でも好きな人と一緒に死ぬって案外これくらい弾みが付かないと出来ないものなのかも。よくわからないけど……。
両思いになる時期、言わずもがな神楽坂は終盤、望月も終盤、猪口も島の問題解決直前でやっと……みたいな感じだったと思うので、個人シナリオ入った途端にお互い好きって言い合えてる榛名シナリオは今までとパターン違いすぎて良かったです。
だからこそ、こんなに早く通じ合っちゃって今後なにが起こるんだ……??と身構えましたが、甘々な時間たっぷりかと思いきや全力でくっついたり離れたりを繰り返された。わざとじゃなくて本気だからたちが悪いです。
いつもめぐみが男に引き留められていたようなものなのに、榛名のことはめぐみが必死で引き留めてるから相当やばい。情緒不安定さが。
島のことに関しても何もかもに関しても、榛名って結構ひねくれちゃんなので、今までの人たちとは全く違う、逆張りみたいな対応多くて、まさかの最後の男にして最大の新鮮みが詰まっている子でした。
島の問題に真正面から向き合うよりも逃げちゃえばって言ってくるし、お祭りでハプニングなんて起きないように気をつけてくれるし、めぐみを元気づけようとするよりも暗い感情を抱えてる君が好きって言ってくれる。
それでいて、めぐみが心から笑ったときは「君のその笑顔は好き」ってちゃんとわかってくれるから凄すぎます。
全く同じ匂い袋を買っちゃったのが榛名とめぐみをよく表しているなあと今となっては思えます。
今回のめぐみは本当に「愛を与えたい、榛名を幸せにしたい、榛名に居場所を作ってあげたい」っていっぱいやってあげたがりですごかった。今まではこういうの、めぐみのほうがされてばっかりだったのに。榛名がそれくらい危うい証ではありますが……。
榛名を相手にしてると自分から幸せになろうとしない人間の厄介さがよくわかります。そりゃあ自分からするとなかなか外せない鎖だけども、傍目から見るとなんでそんなに頑なにー!!ともやもやしちゃう。めぐみも榛名を相手にしてて反面教師になったところは大いにあるんだろうな……。それくらい似たもの同士です。
あと島の問題へのアプローチ、まさかのめぐみが深海の会社に入社することがあるとは思わなくてこれもびっくりしました。
深海、たまに恋バナおじさんになってくれるのが面白すぎる。いや全然真面目な話なんですけど、彼のことが本気で好きなのかね?とか聞いてくる。それでいて私なんかよりもばっちり人物考察が出来てる上で痛いポイントを突いてくるので、本当にただの下世話なだけのおじさんではないんですけど。深海じゃなきゃおじさんからされるには嫌な質問過ぎる。
あとめぐみが虐められる流れ、榛名シナリオだと本当にしょうもない理由で誹謗中傷されるので、神楽坂が気にしてくれるのが本当に嬉しかった。私は神楽坂のことが好きです。
「女将のファンになろう」でえへへへ~(オードリー)になっちゃいました。いや、こんな風に笑い合ってはないけど。笑ってるの私だけだけど。私は神楽坂のことが好きです。
あと榛名が可愛く思えるの、神楽坂や望月あたりの年上男と居るとき榛名がキャンキャン噛み付くのが可愛すぎたのも一因なんですよね。声も面倒くさいところも可愛いけど、望月みたいな男に特にイライラなのは本当に可愛すぎる。こんなの子猫ちゃんです。一口で頂けそう。そんな榛名を余裕綽々で転がす神楽坂も素敵です。私は神楽坂のことが好きです。
そんなこんなで愛情エンドでは有言実行、本当にめぐみを島から連れ出せていたのはびっくりでした。榛名望、執念の男でした。
甘い毒を根性を飲み干す、みたいな恋愛模様で大変良きでした。榛名は可愛いなあ。ありがとうございました。
続いては月影の鎖、本編での護ルート、というかノーマルエンドの感想です。
私、スイクラをやっていたのもあって、てっきり他のみんなを攻略し終わってからでないと護ルートが出てこないのかと思っていましたが、全然そんなことは無かったです。護ルートというのも少し違うように思えるような、何も起こらないエンドでした。というかこれ、正確には護すらも選んでないので本当に何も起こらないエンドですよね。
で、やった結果、護に謝りたくなりました。
だって、マジで妹想いのお兄ちゃんでした。すみません。スイクラをやっていたせいで兄弟の存在に怯えすぎていて、本当にすみません。赦してください。
すべてスチルを回収してから護の人物帳も見たんですけど、「こう見えて根はくそ真面目」で狂う狂う狂う狂う!!!!!!となりました。マジで好きすぎる、こういう人が。私はあんスタで葵ひなたが好きな人間です。
実はモラトリアムの護ルートもやっちゃってて……。良すぎた。護……。
護の、全部がめぐみの為、本当はずっとめぐみのことが好きだった、でも本編で護ルートが無いっていうのが美しすぎて……。なんかもう冗談抜きで感動しました。近親愛の一番おいしいところを詰め込んでいると言っても過言ではありません。その本編の、護ルートが無いのが。その空白が。めぐみのことが好きなのに、だからこそ結ばれないのが。
スイクラでも知也がきっぱり拒否されてるのが良すぎるんですよね。近親、片思い、人間、これだけで良いです。近親というのは魂の話で血ではありません。血でもありますけど。
しかし護、初任給でドレス買ってたり神楽坂にめぐみのことを頼み込んだり土下座したり、めぐみのことが好きすぎてやばい。それをずっと隠そうとしてくれるので良いんですけど、全部バラされるとマジで病的にシスコンで怖いくらいです。
爛れた兄妹って誹謗中傷、護のほうが知ったとき心臓凍り付いただろうな。萌えすぎる。
そう、結ばれてからもあくまで「兄」と「妹」なのが良すぎました。護めぐ、最高!!
という訳で、護の良さを全編を通して、空白でさえも美しさを感じさせてくれる大井川護、最高の男でした。お前を泣かせる男はもういらない。
ということで、月影の鎖、ほんとに面白かったですね。こちらとスイクラをプレイして、この会社さんと近親に関する趣味が奇跡的に合致していることに確信が持てて、嬉しい限りです。
まさか乙女ゲームで「近親で片思いが最高」欲が満たされるとは思いませんでした。世界に感謝。一生ついていきます。
本当にありがとうございました。
死神と少女もやりたいな。やると思います。そのうち。
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