【25卒就活生の思考力UP!】デパ地下にお惣菜が並ぶのはなぜ?
こんにちは!なめこ🍄です!
最近デパ地下の催事場でバイトをしているのですが、やはり様々な食品が揃うデパ地下は特に多くのお客さんで賑わっています。
デパ地下はデパートの地下階を指しますが、私たちはなぜか食品売り場のことも「デパ地下」と呼んでいます。地下ではなく、1階にした方が階を移動しなくて楽なのに…不思議だ…と。
そこで、「デパ地下ってなんで地下にあるんだろう」ということについて、今回調べてみることにしました!
調べてみると、食品売り場がある「デパ地下」には地下にあるべき理由が隠されていました…。これまでのデパ地下の歴史とともに紹介します。
1,かつては地上階に食品売り場があったことも。
1967年に東急百貨店本店が渋谷にオープンしたとき、最上階の8階にレストランと併設して、食品売り場が設置されました。ただ、①市場や工場などから届く食品を、狭いエレベーターを使って何度も最上階まで上げなければならず、作業効率が極めて悪かったこと、また、地上階の場合、②売り場の拡張を行うためには、調理のための水道やガス管を設置する必要があり、建物そのものの建て直しが必要となり、簡単に売り場面積を広げることができないという物理的なデメリットがありました。
これらの理由から、東急百貨店本店は1990年に建物の改装工事を行った際、食品売り場を地下に移動させました。首都圏で地上階に食品売り場を設置したデパートはこれまでのところ、東急百貨店本店だけでした。
3,食品売り場の地下設置戦略
多層階からなる商業施設の経営では、目玉商品を最上階に設置して客を引き付け、下の階に降りる途中でも何かを購入してもらう『シャワー効果』と呼ばれるマーケティング戦略上の考え方があります。最上階にレストラン街を設置すると、行き帰りの「ついで買おう」を促して、店舗全体の売り上げを向上させる効果が期待できるとされています。魅力のある店舗が集まるレストラン街を最上階に設置するのもこの考え方によるものです。
逆に、集客力のある商品を下の階に設置して客を引き付け、そこで買い物をした客が上のフロアにも足を向けることを期待する『噴水効果』と呼ばれるマーケティング戦略上の考え方もあります。食品売り場を地下に設置する理由の一つとして、噴水効果への期待も挙げられます。
4,食品売り場の最上階設置によるシャワー効果は?
食品売り場は集客力が高く、仮に最上階に設置すれば、他のフロアへの集客向上効果を期待できるでしょう。しかし、先ほど述べた、食品を最上階まで上げる作業効率の悪さや、地下と異なり、簡単に売り場の拡張を行えないというデメリットの方が大きいと思います。さらに、地下鉄と接続している地下の売り場より集客上の利便性が低いため、最上階に食品売り場を設置することは難しいのでしょう。
5,銘菓を1階、その他の食品は地下で販売する店舗も。
デパートでは客層の違いを考慮して、フロアごとに特性の共通した商品を設置しています。例えば、地下1階には高級品や輸入品など、客が時間をかけて、目的に合った商品を探しながら購買する商品を設置し、地下2階には生鮮品や総菜など、客が時間をかけずに目的のものを購買する商品を設置するなどです。
さらに、観光客が多い立地に存在するデパートでは、観光客を呼び込むために、1階に地元の名産品や銘菓などを販売する土産物コーナーを設置するケースもあります。観光客の大半は地上の道路からデパートに入るからだそうです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
水道管の工事などの物理的デメリットの解消をしながら、集客効果を最大化するために「デパ地下」はデパ地下にあるんですね…。
特に都市部のデパートは、地下の入り口が地下鉄と接続していることが多く、集客効果の高い食品売り場を地下に設置することで、デパートそのものへの集客を高める効果が期待されているようです。私も近くに来るとついつい電車に乗る前に寄ってしまいます…。
因みにシャワー効果と噴水効果という言葉が出てきましたが、実際シャワー効果の方が効果があったようで、物理的なデメリットを抱えながらの集客最大化まで持っていくには相当悩まれたことでしょう。これは企業分析の賜物だと感じました。
25卒就活生の皆さんも日常の当たり前について疑問を持って調べてみてください!実は自然と企業の戦略に落ちてしまっていることもあるかもしれません…。人々の行動を分析し、購入行動にいかに繋げていくかを考えていくのは面白いので、他にもこのような事象がないか日常の中から探してみてください!
ここまで閲覧ありがとうございました。
次の記事も読んでいただけると嬉しいです!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?