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【トライプ考察⓪】

トライプ定義

トライプというフードをご存知だろうか。
オックスフォード辞典によると、牛や鹿に代表される反芻獣の四つある胃のうち、第1、2胃の胃本体部分のことである。
正確には第3及び4胃のことは指していないし、内容物のことでもないので注意されたし。


第一胃とはミノのことです


第二胃とはハチノスのことです

一部で流行中

このトライプが近年ワンちゃん用フードとして流行っているようで、色々な業者様が商品化に着手していますね。僕も注目はしています。
そこで今回から何回かに分けてトライプについてお話したいと思います。

僕がこれからお話しする内容は他の事業者様の話すことや、皆さんが勉強してきた内容と違うかもしれません。ただし、僕は他の事業者様やオーナー様を批判する意図は決してありませんので、そのあたりはご理解下さい。

トライプと言う素材は多分まだ研究の途上にあります。
なので皆さん手探りで販売&購入している状態では無いでしょうか。
僕はワンちゃんが喜んで食べるのならば、健康を明らかに害するものでない限り、栄養学的に偏ったものでも少量ならば与えても良いと思ってます。
だから、皆さんに考えがあって行っている事ならば僕が干渉することではありません。

詳しく語る前に注意!

今回はあえて考察のエピソード0を書きます。
それは前提として、情報の正確性について皆さんに知っておいて頂きたいからです。
以下に注意点をまとめておきますね!

➀発信源を辿る

トライプの情報に関しては残念ながら明らかな間違いが多いです。
色々な所で色んな方が発信をしていますが、結構バラバラです。そんな時は情報発信の源を辿ってみて下さい。例えば、トライプとは英語です。
つまりこの流行は英語圏から来ている可能性が高いのです。トライプに関する情報を取りに行きたければ英語のサイトをチェックするのが一番です。”Tripe for dogs”等の検索ワードで調べてみて下さい。

➁著者をチェック

英語圏の記事を読む前にまず著者を調べて下さい。海外にも間違った情報発信をしている方は山ほどいます。きちんと論文を読んだうえで発信しているか。エビデンスはしっかりしているか。一人の愛犬家やフードアドバイザーが自分の経験のみを元にして書いていないか。等をチェックすべきです。
例え、獣医師や医師が書いていようと、きちんとしたエビデンスがなさそうであれば、その記事は読まなくても良いかも知れません。

③発表年をチェック

次に書く事にもかぶるのですが、論文で発表されたことは年々変わり得ます。
発表年は新しいものの方が望ましいです。

④その論文は本当に正しいか?

「論文に書いてあった」、「私は論文を読んで話しています」等の言葉を聞くと凄く信頼できますよね。事実ブログ等で読んだ知識よりは正確かも知れません。
ただしここに落とし穴があります。僕が学生の頃、教授の一人がこんなことをおっしゃっていました。

「論文は否定するものだよ」

これはどういうことかと言うと、論文=正しい ではないと言う事です。
論文とはその時点で分かったことのまとめや、実験の結果報告書です。
なので論文の内容が否定されたり、ひっくり返される事など常に起きています。むしろライバル研究者達はその論文を否定しようと必死なのでしょう。

僕も、ある論文に書いてある実験を再現しようと何度も行ったことがありますが、1年かけて結局一度も再現できませんでした。(←ただ実験下手なだけかも、、、?)

また、疑ってかかると実は論文にはツッコミどころがいくらでもあるものです。「その方法だとバイアスかかるよね?」とか「そもそも陰性コントロールが正しく置けてないよ」とか、こういったツッコミは論文発表会ではよくあることです。

⑤ちょっとマニアックな話

論文の信ぴょう性をどうしても知りたい方は、一つの指標としてその論文の掲載されている雑誌のインパクトファクターと言うのを調べてみて下さい。すごく簡単に言うと「この雑誌がどのくらい凄いか」を示す指標です。笑
あくまで雑誌の評価なのでその論文自体の評価ではありませんが、インパクトファクターの高い論文誌に載ると言う事はしっかりした論文であることの証明でもあるかも知れません。

次回

これらの前提を元に、トライプとはいったいどういうものか、僕なりに語っていこうと思います。

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