DaVinci Resolveで爆速カット編集 - 筑波大学学園祭 雙峰祭ダイジェストの裏側

この記事はjsys Advent Calendar 2024の22日目の記事です。

jsys以外の方は初めまして、jsys24局長補佐 / 映像部門長のhuntです。

この記事ではDaVinci Resolveを使って長い素材を爆速でカットしていく方法を書いていきます。
(タイトルの前半にしか興味がない方は4つ目の見出しからご覧ください)


雙峰祭って?

雙峰祭とは、公式サイトによると

筑波大学学園祭「雙峰祭」(そうほうさい)は筑波大学の秋を彩る一大イベントです。
来場者数は3万人以上!広大なキャンパスを生かし、4つのエリアにて多種多様な企画が学生や教職員の手によって運営されています。模擬店やパフォーマンス、研究紹介、ステージ発表など、活気に満ちた企画が目白押し!

sohosai.comより

らしいです。僕は参加者として純粋に楽しんだことはないのですが実際めちゃくちゃ盛り上がります。雙峰祭は筑波大学学園祭実行委員会によって運営されており、今年は記念すべき第50回でした。

雙峰祭ダイジェストとは

雙峰祭の期間中に撮影した写真や動画をまとめた動画です。

撮影や編集はjsysの現役だったりOB、OGだったりがしています。毎年後夜祭で流すので、当日の間に動画を完成させるというやばいことをやっています。

雙峰祭ダイジェストとカット編集の関係

jsysは雙峰祭の生配信を行っており、今年の生配信は3台のカメラの映像を使ったわけですが、このカメラで録画した映像もそのまま雙峰祭ダイジェストの素材になります。その結果、何十時間分かの動画の中から数秒の動画をいくつも切り出すという作業が必要になります。

こういった作業はダイジェスト制作において毎年発生するので、どうせならjsys25への引き継ぎもかねて知っていることをアドカレで書いてしまおう、と思ったわけです。

DaVinci Resolveでカット編集

ここからやっと本題です。

元の素材(クリップ)から使いたい部分を複数切り出し、それを個別に動画としてエンコードするまでの一連の流れを説明していきます。

以下に説明する際の前提を書いておきます。


  • DaVinci Resolve 19.1.2

  • 設定言語:英語
    日本語が中途半端でむしろ分かりづらかったので…

  • エンコード時以外はカットページで作業している

  • カットするクリップがすべてタイムラインに置かれた状態である
    カットページでクリップをまとめてタイムラインにドラッグ&ドロップするだけでこの状況になります

  • Ripple Onが有効になっている(写真の黄矢印)
    クリップの削除を行った際などに自動で間隔を詰めてくれる機能です

編集前の画面

再生、停止と逆再生

  • J :逆再生

  • K :停止

  • L :再生

右手のホームポジションでしかも隣同士なので押しやすいです。

J 、L については2回目以降は再生速度を今の2倍にできます。
これがめちゃくちゃ便利で、使わないなぁ…ってところは L を連打すれば爆速で飛ばせます。最大64倍速までできて、今回のような1時間とかのクリップを扱うときには重宝します。

動画のカット

  • Shift + V :再生ヘッド上のクリップを選択

  • Shift + [ :クリップの再生ヘッドより前の部分をカット

  • Shift + ] :クリップの再生ヘッドより後ろの部分をカット

  • Ctrl + \ :再生ヘッドの場所でクリップを分割

  • Delete :選択されたクリップを削除

真ん中の3つはJIS配列だと縦に並び、US配列だと横に並びます。
僕はUS配列のキーボードを使用しており、横並びなのは直感的で使いやすいです。

DeleteはBackSpaceでも代用できます。この2つはエディットぺージでは挙動が違うのですが、カットページでは特に変わりません。

実際のカットの流れは以下の繰り返しです。

  1. 使い始めたい箇所に再生ヘッドを移動し、 Shift + V でクリップを選択

  2. Shift + [ でそれより前をカット

  3. 使いたい部分の終わりに再生ヘッドを移動し、Ctrl + \ でクリップを分割(そのクリップのそれ以降の部分がいらないときはShift + ])

とりあえず何かする前に Shift + V を押すようにしてください。タイムラインの再生ヘッド上のクリップが赤枠で囲われていないときはクリップが選択されておらず、 Shift + [ or ] のショートカットが動作しません。

クリップが選択されている状態

ちなみに、クリップをタイムラインに置いてからここまで一度もマウスを触らず作業できます。

個別にエンコード

カット後の画面

動画のカット作業が終わった後、タイムラインはこんな感じになります。
今回はカットの作業とそれを1本の動画にまとめる作業が完全に分離している場合を想定しているため、これをそれぞれ別の動画としてエンコードします。

ここからはデリバーページで作業します。

一通り設定した後の画面はこんな感じです。

エンコード時の設定

VideoやAudioの設定については本筋から外れるので説明しませんが、映像については中間コーデックでエンコードしておくといろいろと都合がいいと思います。僕は普段DNxHR HQあたりを使っています。
(ファイルサイズが大きいので注意)

Fileの設定は普段エンコードするときとは設定が全然違うので、上から順に説明していきます。

  1. Render:Individual clipsを選択

  2. Filename uses:Source nameを選択
    クリップの名前が出力される動画の名前として使われます。

  3. Use unique filenamesにチェックを入れる
    これにチェックを入れておかないと同じクリップから複数動画を出力することができません。
    PrefixとSuffixは好みですが、個人的にはファイル名で並べ替えたときにいい感じに並ぶSuffixがおすすめです。

この設定をしたら一番上のFile Nameが"SourceName"になり、変更できなくなりますが、そのままエンコードして大丈夫です。

エンコードが終わると、出力先のフォルダにはこんな感じでファイルが並びます。

エンコード後のファイルの一覧

おわりに

この記事では雙峰祭ダイジェストについて軽く紹介しつつ、DaVinci Resolveでカット編集を効率よく行う方法について説明しました。

割とニッチな内容になってしまいましたが、雙峰祭ダイジェストでUNITEDステージ(屋外のステージ)の映像が出てきたら「これってあの記事で言われてた作業の結果なのか…」とでも思っていただけたら幸いです。



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