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保険適用になった今こそ知っておくべき!高度不妊治療であなたが失う17の宝物【16】何も考えない幸せな夫婦生活

高度不妊治療であなたが失う宝物。

16番目の宝物は「何も考えない幸せな妊婦生活」です。

プロフィールにもあるように、私は採卵を11回経験し、8回目の移植で初めて妊娠にいたりました。タイミング法など比較的ハードルの低い段階の治療を含めると、4年という時間を要しました。

「終わった。すべて。もう開放された。」

妊娠したとき、心の中でそうつぶやいたことを今でも憶えています。

夢にまで見た、幸せの妊婦生活――あとは笑って過ごすだけ。
そんなことを思っていた自分を、後に恥じることになります。

不妊治療を乗り越えて、やっと授かった我が子。
これで「世界」が変わったと思っていましたが、「世界」は変わっても「不妊治療をしていた自分自身」は変えようがありませんでした。

4年もの間、ずっと閉じこもっていた殻からは人間すぐに抜け出せないものなのだなと実感しました。情けないですが。

生まれるまでの間は、それはもう不安と心配で胸が押しつぶされそうでした。

妊娠がわかったあと、お腹の我が子が無事に生まれてきてくれるのか心配になるのは当然のことです。誰しもが感じる不安、心配です。

しかし、長期間にわたり不妊治療を経験すると、その不安・心配のレベルが「異常」になります。
心配を通り越して「途中でだめになったらどうしよう」というある種の恐怖と戦うことになります。

だって、今まで何年もの間、ずっと「やっぱりだめでした」だけを幾度となく言い聞かされてきたのですから。

残念な結果になるということばかりを一定期間、経験し続けてきた人間は、残念ながら思考もそうなるのです。それは「だめでした」と言われたときの耐性が自然と備わってしまっているという状況でもあり、そうしないとメンタルを保てない世界にいたという現実の裏返しでもあります。

マタニティーハイになれるのはある意味幸せです。
私は1ミリもそういった「お花畑」を感じられる瞬間がなく、妊娠期間を終えました。

妊婦健診でさえも、私は「普通のひとたち」との間にあるギャップを感じざるを得ませんでした。

4年間の不妊治療を終えて、クリニックも無事に卒業。初めて一般の病院で妊婦健診を受けた日…… 足を踏み入れた瞬間、衝撃でした。

まず、

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