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保険適用になった今こそ知っておくべき!高度不妊治療であなたが失う17の宝物【8】:快適な下半身

高度不妊治療であなたが失う宝物。

8つ目の宝物は「快適な下半身」です。

少し生々しい書き方であることは承知していますが、悩んだ結果、あえてこの表現を使うことにしました。

今回はそれだけリアルな内容になりますが、私自身とっても大きな負担に感じていた部分ですので、しっかりとシェアしたいと思います。

高度不妊治療は、「快適な下半身」を失います。

あまりピンとこないかもしれませんね。当然だと思います。
「快適」の反対語は「不快」ですが、自分の下半身部分を不快に感じるのは生理のときぐらいですよね。

体外受精や顕微授精にステップアップすると、タイミング法や人工授精と比べてやることが大幅に増えます。

その中で私が「きついな」と感じたのは、この3つです。

・採卵前、下腹部が出る(お腹が張る)
・採卵直後、下腹部に痛みがある
・移植周期に入れる膣錠のカスでショーツの中が常に不快

採卵前に下腹部が張るのは、飲み薬や注射などでホルモンを調整し、通常であれば月に1個しかできない卵を、5個、10個、はたまたそれ以上できるように、強制的に育てているためです。

それがすべて卵巣の中で増えていくので、卵巣がパンパンになるのです。
当然ですよね。物理的に数倍の量が入るのですから。

採卵直後の痛みは、採卵処置のために子宮の内側から卵巣に何箇所も針を刺すことからくる痛みです。

卵巣の中に育った卵は数分または十数分の間に一気に採ってしますのですが、無理をさせた卵巣がまだ縮まっていないというのもあります。

いずれにしろ、卵巣にはかなりの負荷がかかるので、それが採卵前後の不快感として、しっかりと感じられます。

採卵周期において、卵巣が大きくなってくる時期は激しい運動は控える必要がありますし、採卵直後も安静にする必要があります。

もう1つ、私がとても、とっても苦手だったものがあります。

それが、移植周期にホルモンを補充する膣錠です。
「ルティナス」というものが最も有名で、インターネットで検索するとたくさんの情報が出てきます。

これは、妊娠維持のために黄体ホルモンを体内に補充することを目的として処方されるもので、移植周期に使用されます。

着床していることを前提として、毎日3回、朝・昼・夜と指定された時間をあけて膣に直接挿入します。※1日の回数はクリニックによって異なる可能性があります

有効成分が膣内に浸透したあと自然に出てくる「残りカス」のようなものは不要なものであり、トイレのティッシュで拭いて流してよいのですが、これが本当に不快なのです!

もう、ショーツの中にボロボロとカスのようなものがたまり、お恥ずかしいのですが、私は毎日、本当にイライラしていました。歩くと余計に感じるその不快感。

しかも、ルティナスって…… 処方期間が長いのです。

月の半分以上は毎日、しかも1日3回挿入しないといけませんし、何が悲しいって、着床しているか否かに関係なく、「着床していることを前提として」毎日、入れ続けなくてはなりません。

(家にいるときならまだしも、外出しているときは持って出ていないといけないのですが、これがまたかさばる!!)

その他の薬として、採卵周期に下剤を入れたりもします。
排卵してしまうことを抑制する狙いがあります。ただ、下剤処方の有無はクリニックによって異なっていましたので、マストではないようです。

例えば生理だとしても、ナプキンをつけている期間はても不快ですよね。ただ、血が出ている期間は1週間前後であり、それほど長く続きません。また、もともとタンポン派である私は、ショーツの中でごわごわすることもなく、「下半身が不快だ!」と悩んだことはありませんでした。

だから余計に感じたのかもしれません。この不妊治療に付随する「不快さ」を……。
しかも、なんというか、独特の不快感なのです。かつ、それに悩まされる期間が長い!

「不妊治療だから致し方ないじゃない」

という意見もあるかと思いますが、不妊治療だからといっても、不快なものは不快!慣れないものは慣れない!嫌なものは嫌なのです!!

女性の下半身に関わることなんて…… すごくシビアな分野ではありますが、正直、けっこうなストレスになります。
ここで問題になることは、「その不快は避けて通れない」ということ、一方で、「不妊治療だから致し方ない」という考え方で、知らず知らずのうちに自己処理してしまうことにあります。

では、このストレスをできるだけ軽減するためには、どうすればよいのでしょうか?

私の経験から具体的なアドバイスをさせていただくとすると……

まずは、「不快なことは不快だと認める」ということです。

不妊治療だからといって、すべてを我慢しなければいけないという考えだと、疲れてきます。
常に自分に正直に。不快なものは不快ですから。その感情に我慢の必要はありません。

次に、「共感してくれる相手をさがす」ということです。

こんな小さなことで…… と感じるかもしれませんが、こういった小さなことが重なって大きなストレスになってくるのです。

ちょっと愚痴をいうだけでも、気持ちがすっきりします。

その相手は夫でもよいですが、やはりその不快感が感覚的に伝わるという観点で同じ女性がよいです。リアルなつながりである必要はありません。こういったときほど、Twitterでつぶやいてみたり、他のSNSを活用してみたり、軽い気持ちで発信してみると意外と同じように悩んでいる人がみつかったりします。

顔が見えない方が、話しやすいときってありますよね。

そして、「不快期間以外の日に」できるだけ気分転換することをおすすめします。

治療に関わるものは勝手にやめたり減らしたりすることはできません。しかし、「この期間に不快になる」ということが事前にわかっているものですから、それ以外の「何もないとき」を十分に楽しんで、バランスをとるのです。

月に数日しかないかもしれませんが、思い切り運動できるときに「引き締め期間」として集中的にジョギングして体を引き締めるもよし。集中して筋トレするのもよし。

そして、「不快期間」に突入したときに、下半身以外の自分の体をいたわるというのも1つの手です。例えばデコルテ、バスト、顔の集中ケアを行うなどして、少しでも気分が上向きになることを行っていきましょう。

そうすることによって、下半身が不快でストレスを感じ、スムーズに動かすことができない時期であったとしても、日常生活がどんよりしてしまうことをできる限り軽減できます。

以上、今回は少し生々しいな内容、でも失われるとけっこう辛いもの「快適な下半身」について私の経験をシェアさせていただきました。

このような話題は、不妊治療のカテゴリでもあまり触れられていません。
しかし、日常生活の快適さ、満足度にもつながることですし、私はとても大切なことだと思っています。

経験者として、しっかりとシェアすべきだと思いました。
この部分にストレスを感じ始めたら、ぜひ今回の内容を思い出してみてくださいね。

高度不妊治療であなたが失う17の宝物のうち、7~8つ目は「自分の体」に関するものについて解説させていただきました。

9つ目からは、あなたを取り巻く環境、人間関係に関する宝物について解説していきます。ここ、高度不妊治療において最も影響が大きく、深刻な悩みにつながる部分になります。

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