藤原さと氏による講演ー2021年度第1回広島SDGsコンソーシアム研修会ー
7月31日の研修会では、2名の方をお招きしております。
本日のブログでは、一般社団法人 こたえのない学校 代表理事である、
藤原さと氏 をご紹介します。
藤原さと
一般社団法人こたえのない学校代表理事。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。コーネル大学大学院修士(公共政策学)。日本政策金融金庫、ソニーなどで海外アライアンス、新規事業立ち上げなどを経験。仕事をしながら子育てをするなかで「探究する学び」に出会い、2014年、一般社団法人こたえのない学校を設立。小学生向けの探究型キャリアプログラムを実施するほか、学校教育に携わる教師と学校外で教育に携わる多様な大人が出会い、チームで探究プロジェクトを実施する「Learning Creator’s Lab」を主宰。2018年、経済産業省「未来の教室」事業の採択を受け、世界屈指のプロジェクト型学習を行う「High Tech High」の教員研修プログラムの日本導入に携わる。(著書より)
こたえのない学校 ホームページ↓
こたえのない学校 Twitter↓
藤原さと氏 Twitter↓
藤原氏は本の執筆もされています。
「探究」する学びをつくるー社会とつながるプロジェクト型学習ー
手に取った瞬間から、本の手触り、デザインが美しく、読むのがとても楽しみになりました。藤原氏とやり取りさせていただくなかで、こちらの装丁デザインは「文京図案室」さんのものだということを教えていただき、装丁デザインの可能性や世界観の奥深さに触れたような気がしました。
文京図案室 ホームページ↓
この本では、「High Tech High」という、2000年にスタートしたアメリカのチャータースクールを舞台に
「どうしたら産まれた家庭の環境や身体的・認知的特性にかかわらず、すべての子どもが自分に価値を感じ、幸せに生きていくことができるのか」
という「公正」に基づいた教育のあり方について書かれています。
High Tech Highでは、PBL(Project Based Learning)という、「現在の社会にとって大切で価値あるものを、こころと身体の双方(Hands and Minds)をフルに使ってつくり上げる」という思想がもとになり、プロジェクトを学習の中心に据えた学びを、教師と生徒が一体となって生み出しています。
プロジェクト学習を遂行するにあたって、High Tech Highが大事にしている要素は、
・本質的な問いを立てること、
・オーセンティック(真正)な経験をすること、
・批評の文化を構築すること、
・最高のアウトプット(美しい展示)を行うこと です。
また、子どもの学びを豊かにすることだけでなく、教師一人ひとりの人生に寄り添い、チームワークを大切にした学校文化の実現にも取り組んでいます。
そして、子どもたちに学びを提供する前に、教師自身が
「自分はどんな人間なのか」
「なぜ学ぶのか」
「教育者として自分は何を伝えたいのか」
という本質的な問いを、日々のなかで課すことが重要であると著者は述べています。
High Tech Highの学びについてだけではなく、本の至る箇所に、哲学的で示唆に富む言葉が散りばめられており、ブログを書いている私自身、教育に携わる身として大変勉強になりました。何度も読み返しているなかで、毎回新しい発見があり、ずっと手元に置いておきたいような、そんな本です。
⭐︎こんな人におすすめ⭐︎
・PBLって最近よく耳にするけれど、具体的にどんな教育なのか知りたい人。
・「主体的・対話的で深い学び」を実現するにあたって、どのようなマインドを持ち続けるべきか知りたい人。
・「評価」に悶々としている現場の先生たち
・教育現場と社会の乖離に疑問を抱いている人たち
ぜひ本を手に取ってみてくださいね。
7月31日の研修会では、現在、全国・全世界から、多くの方に応募していただいています。まだまだ受け付けております。
Google フォームにて、申し込みをお待ちしています。