02 自己認識

私は今までずっと人の目を気にして生きてきた.
こっそり指をくっと曲げたのもきっと誰か見ているし,石を蹴ったら歩道から外れたところもきっと誰か見ている.私の行動は常に誰かの目に触れている.そう感じながら生きてきた.
これは中々に辛くて苦しい.思い込みなんじゃないか,何て疑ったことは無かった.絶対に誰か見ていたはずだった.

でも最近ふと自分を振り返ったとき,自意識過剰なのではないかと思った.
自分のふとした動作を,きっと誰かが見ているだろうという驕りではないだろうか.
そう思ってしまってから,さらに自分に嫌気がさした.大した存在でもないのに,結局自分のことが大切で可愛いんだ.

こんな考え方を変えたいと強く思った.
私は”道端の石ころ”を演じることにした.
道端の石ころがコロっと動いたり少し削れていたり,あるいはこちらを見ていたり.そんなこと誰が気にするだろうか.ありふれた石ころを一つ一つ別のものと認識している人はいるだろうか.

つまりそういうことだ.思ったよりも自分はありふれた人間だ.
自分が苦しくなる被害妄想をしていないで,自分を低く見積もってみよう.

そこから私は堂々としている気がする.誰もそんな石ころには気付かない.

百葉
2024.6.18 ノートの書き溜めより


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