漫画感想002「バジーノイズ」
こんにちは。感想書くの思ったより楽しいので、どんどん更新中です。
第2回は「バジーノイズ」です。
あらすじ
新時代の“音楽”ד恋愛”体験。
「すきなもんいっこ、あればいい」 ――そう、思っていた。
マンション管理人をしながら、趣味で音楽を奏でる「だけ」。
”シンプルで完璧”な生活を送る清澄(キヨスミ)。
しかし――清澄が出逢ってしまったのは、
バンドマンに恋をする女・潮(ウシオ)。
閉じた世界に流れ込む強烈な”ノイズ”が、
清澄の人生を大きく変えてゆく―――耳障りで、少し心地良いノイズ。
たったひとりと出逢うだけで、世界が変わる。
耳障りで、少し心地良いノイズ。
感想
とにかくエモい!!!!!
この漫画の魅力を一言で表すならば、「シンプルなのに奥深い」だと思います。全体的にシンプルな構図が多く、背景の書き込みもシンプルめに仕上がっているという印象です。しかし、この漫画の演奏シーンは何か心を惹きつけるものがあります。
音楽漫画って音楽シーンが肝要だと思っているのですが、バジーノイズは視覚的に音楽の良さを魅せるのがとても上手な漫画です。「BECK」や「ロッキンユー」のような激しいバンドシーンというわけではなく、静かで穏やかな、どちらかというと「綺麗」という言葉がしっくりくるような演奏シーンです。
主人公の清澄は仕事はできるだけ省エネ、とにかく一人で内にこもって音楽作れていればそれでいい、といった考えの持ち主。
一方ヒロインの潮はバンドマン大好き!人生楽しければそれでええやん?系の女の子。
「好きなことで生きていく」という言葉が一般に浸透してきて(実際に実現している人の人数は別として)いる中で、清澄は「好きなことは好きなこと、生きることとは別」というスタンスでしたが、潮の影響で趣味にしていたはずの音楽に再度情熱を傾け始めます。このあたりの過程が読んでいて実に心に刺さりました。
僕の好きな主人公像の一つに「間違いなく天才なんだけど、自身はないキャラ」というのがあるのですが(例:「アリスと太陽」の太陽くんや、「映画大好きポンポさん」のジーンくん)、清澄もその筆頭です。
最近出版された名著「天才を殺す凡人」で凡人に殺される型の天才が最高の協力者を見つけてその才能を花開かせていく過程は見ていて最高ですね。
最後に、この漫画の何よりの魅力は演奏している清澄が本当に楽しそうに描かれているところだと思っています。
普段はどちらかというと無口なタイプな主人公である清澄ですが、音をならしている描写の時だけは最高に良い表情をしています。
「好きなものを堂々と好きと言えている世界」を垣間見つつ、エモい雰囲気を味わい尽くせる最高の漫画なので、是非とも皆さん買ってください!!
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