Saul Leiterの写真
ソール・ライターの心静かな視線は、フォーカスされた人物のもつ固有の時間を映し出しているように思う。
街に意識があって、街がその人を受け入れ、被写体を選び、写真をとったら、こんな感じだろう。ソール・ライターSaul Leiter(1923-2013、「伝道者」という感じの名前です)が撮った写真は、静かであり、視線をカメラに向けられることがなく、歩く人を街がじっとみている。おもしろい場面があったらさっと撮るやりかたではなく、被写体にカメラを意識させることで、内面を引き出す撮り方でもなく、住み慣れたニューヨークのイーストヴィレッジで、そこの時間や空気に一番ふさわしい人を、じっと静かに居て撮り続けた。(Bunkamuraザ・ミュージアムで2017.4.25-6.25)