内藤礼の「ひと」と白いキャンバス
2015年5月3日
内藤礼の「ひと2015」という作品。3〜4cmのひとが、床に2人並んでいる。それが魂をもっているリアルな人として立ち上がってくるので、ゾクっとする。親指姫や一寸法師はリアルな「ひと」であった、と生まれて以来初めて感じた。(資生堂ギャラリー、椿会展、初心2015)
この日、白く塗られたキャンバスをふたつ見た。一つは内藤礼のcolor beginning(資生堂ギャラリー)で起源を表し、もう一つはリー・ウーファンの作品で、50cm四方の石の背景として使われている(森美術館)。こうして並べてみて、白く塗られたキャンバスは、「見る者が自由に想像するため」ではなく、アーティストの強い想いを凝縮し抽象化したものである、と確信した。