読み聞かせの話が、海苔弁レシピへ辿りついた。
noteにたまにダンナが登場するときは、彼の評価がまあまあ酷いことになっている気がしているけれど、日常生活はわりと平穏です。
を書いて、ふと思いあたったこと。
うちのダンナは、子供に絵本の読み聞かせをしたことがない。絵本を買い与えたこともない。
私に隠れて読み聞かせていたなら、それは知らなくて当然かもしれないけれど、そういうことがあったなら子供の口から溢れているはずである。
だから、多分やっぱりないのだ。
◇
先日、ダンナがぽつりと言った。
「なあきかんしゃやえもんてしってる?」
……呪文? (全部平仮名で聞こえたので、呪文じみていた)
ナントカえもん。日本人の名前のようである。……そういう知り合いはいない。
「そういう絵本があるんだけどさ」
「きかんしゃ……機関車?」
博物館で見たことあるけど、【やえもん】なんていう素敵な名前の機関車はいなかったはずだ。彼らは、たいていアルファベットと数字で呼ばれている。もしかしたら間違ってるかもしれないけれど、私はそう理解している。
しかし、【やえもん】とはまた、レトロなお名前の持ち主だな。
「オレ、それの読み聞かせしてんだよね」
「…………」
「暗記するくらい」
「……我が子にもしたことないのに?」
「……不穏状態落ち着かせんのに、一番効果あるんだよ。連続で何回でも読む。読んだら機嫌なおる」
「我が子にもしたことないのに?」
【大事だから二回言った】って、こういうことなんだなー。
返答はない。
「やればできんじゃん」
子供に読み聞かせをして欲しかったわけではないので、いいんだけど。自分の子供にも読んであげたらよかったのに。もったいない人だ。子供は、もう自分で本を読める。
「人気ある絵本なのかなーと思ってさ」
さあ、どうだろうね? と思いながら、絵本自体には興味が湧いたので、検索してみました。
作者は阿川 弘之さんでした。絵は、岡部冬彦さん。
阿川弘之さんは、エッセイストの阿川佐和子さんのお父様。「へえ~~」でした。
佐和子さんのエッセイは面白くて、大好き。以前に海苔弁の話を読んで、とてもおいしそうだったので、我が家の海苔弁レシピは阿川家流を採用しています。そのレシピを持ってきたのが、お父様だったんだよね。グルメな方だったと書かれていたように思います。あの本のタイトルが思い出せないけれど……。
そうか。そのお父様が、【きかんしゃやえもん】を書かれたのか。
◇
……ダンナは障がい者施設で働いています。気分の浮き沈みが激しい私には、利用者に接するように接しているのだと思います。
メンタルがダメな時の私は、永遠に放っておいてほしいので、放置具合はプロ級です。
つーか、プロなんだな。忘れてるわ、だいたい。