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私が掃除するようになったわけ
私は、それほど掃除好きではないし、片付けも苦手な方だ。
私のことを「だらしない」という両親のもと、今の私から見れば十分に散らかっている家で、私は育てられた。(ちなみに、ダンナの実家も同等か、それ以上な感じなので、お互いにさほど違和感はないだろうと思われる。良かった)
◇
母となった私は、我が子に「だらしがない」と常に小言を言っている(どこかで見たような風景)が、完全に遺伝子だと思う。なんでもそのへんに置くダンナもしかり。この、片付けや掃除に関しては、マイナス✖️マイナスはプラスになりにくいのだと、愛する家族を俯瞰する。
奇跡が起きた場合だけ、「この家は、自分が片付けなければゴミ屋敷になるな」と考える子供が育つのだろう。我が家に奇跡は起きなかった。素直な遺伝子継承がなされたようだ。
しかし、これは克服できる。私は今、掃除も片付けもできるのだ。原動力は、見栄と強欲。……言葉にすると、身も蓋もなくて、情けない気がする。
◇
掃除に真面目に取り組むようになったのは、三十代になったばかりのころ。それまでは、「死なない程度に清潔であればいい」という生活だった。
謀らずも代理店をオープンさせてしまい、自由を得て嬉しいような、むしろ何かに縛られてしまったような微妙な心持ちでいた。
当然、売り上げはあげたいので、縁起などを気にするようになる。必死に仕事するよりも、他力本願に意識がシフトしていた。
縁起というか、金運というか。当時、あの「西に黄色」というキャッチフレーズで、風水が流行っていた。自分で出来るという点で、風水はいいと思った。さすがに、専門家に祈祷してもらうとか、願掛けするなんていうのは、ちょっと違うと思っていた。それほどの大業を望んでいるわけではない。要は、本社から売上のことで、うるさくつつかれたくないだけ。そこそこでいいんだけど、安定した売り上げが欲しい。……ただの怠け心だ。
風水を実践するにあたり、私が好きだった風水師は李家幽竹さん。女性向けの風水で、とにかく綺麗なものに囲まれる生活。ちょっとアヤシイ置物を置いたりするような流派もある中、ビジュアル的に好ましく、楽しく風水に勤しんだ。
この頃は、東洋系美容の勉強をする前なので、陰陽五行の理論など知らず、ただただ風水の本を読み漁った。その年の運気や開運行動が書かれたもの、インテリア風水、おそうじ風水、吉方位に関するもの、花風水なんていうのもあった。かなり真剣に読んでいたので、風水と五行に関する知識はこの時にベースが出来、その後の勉強のときに、かなり楽に知識を重ねられたと思う。
◇
風水生活をはじめた私は、綺麗なインテリアや風水的おしゃれグッズを楽しむ女子となっていた。
そして、どんなに美しいものを手にしても、それを設置する場所がきれいになっていなければ、全く映えないということにようやく気がつき、掃除に力を入れるようになった。風水も掃除を推奨しているし、売り上げの為にもがんばるぞ。
……今となっては、「掃除も頑張ればいいけれど、しかし働かなければ売り上げは上がらんぞ」と言ってやりたい。特殊な職業を除き、基本は労働に見合う分しか入らないのが当たり前。
◇
そんな私は、次に掃除本にハマった。
風水的にあまりよくない家相(風水と家相は、厳密には違うものなのだけれど、当時私は混同している)をカバーする術は、掃除なのだ。
つまり、掃除が最強。
掃除をするようになってまずぶち当たるのが、使っていない邪魔になるもの。
「これがなければ、もっと掃除しやすいのに!」
となるのだ。一度そう感じると、長く使われていない埃をかぶったそれが、邪魔で邪魔でたまらなく目障りである。風水で得た「新しいものに良い運気がやどる」という知識が、その気分を後押しする。
しかし、埃を被って邪魔なものは、大抵ダンナのものなのだ。自分のものなら、迷わず捨てるのに。
ひとり暮らししたい。
と、思う瞬間だった。(ちなみに私は、人生で一度もひとり暮らしをしたことがない)
そんな私が本屋で見かけたのが、カレン・キングストンの「ガラクタ捨てれば自分が見える」だった。もう、タイトルだけでメンタルに効いている。
断捨離の先駆けとも言えよう。
「やっぱりガラクタは捨てていいんだ!」
私は、本当に勝手に捨ててはヤバそうなもの以外、ごっそり捨てた。すっきりした。
その後、私の運気に効いたかどうかは、分からない。ただ、すっきりして気分が良くなって、以前よりも掃除が上手になっただけかもしれない。
同じ著者の「ガラクタ捨てれば未来がひらける」も購入し、今度はスペースクリアリングというものを実行すべく、苦労してバリのベルも手に入れた。
しかし、そのベルは、後に自暴自棄になったときに捨ててしまった。後悔している。
今は、音による浄めが必要だと思うときには、縁あって手元に来てくれた某神社の鈴のお世話になっている。(本来の使い方と違っていて叱られそうなので、神社の名前は上げないでおく)
◇
掃除と運気の関係は、未だにはっきりと断言できるものはない。
でも、常識の範囲で考えれば、掃除をしない空間に暮らすことは不健康だし、掃除が行き届いていれば衛生的だし、気分がいい。
自分でも掃除をサボった部屋にいると気分がさっぱりしないから、気が下がる。
気が下がれば行動力も落ちるから、物事が回らなくなる。それは、運気が下がることに似ている。
そうなってくると、ネガティブなエネルギーが強く出るので、スピリチュアル的に云々……ということになり……。
結局、自分が平穏に暮らすために、出来るだけ掃除をするライフスタイルに落ち着いている。
何より、掃除と片付けをしていないと、突然に誰かが来ても家にあげられない。
……コロナ禍で、来客を家に上げることなどなくなったが、突然の来客に困る件と掃除の話は、またいつか披露したいと思う。