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【読書感想文】仕事に効く教養としての「世界史」

仕事に効く教養としての「世界史」を読んでみました。でも別にこの本を仕事に生かそうと思って読んだ訳ではありません。

歴史好きなので、歴史関連の本を探しに本屋に行ってたまたま手に取ってみたら凄く読みやすかったので購入しました。

400ページ程の本ですが、感想を書くのはお題が世界史だけあってスケールが大きすぎる内容だから自分が一番感動した箇所を抜粋して感想を書きました。

それは第7章「交易の重要性」の中の生態系と交易との関係性についてです。

よく一部の人々が、豊かな生態系を残しましょうなどといいますが、生態系というものは、じつはすごく貧しいのです。生態系はその地域で、そこにある資源を食べ尽くすわけです。その地域にある資源をぜんぶ使い尽くし、そこで調和しているわけですから、それ以上の発展はあり得ないです。(一部省略)

「生態系を守ろう」と発言する人がいます。

その言葉は美しい響きがあり、みんなで守っていかなくてはならないというイメージがあります。

私も生態系として成立している以上、別に世界や日本が発展しなくても構わないんじゃないかと思っていました。でもよく考えると僕たちが現在生活している日本は交易によって豊かになったのです。

例えば、世界で現在の日本だけが江戸時代みたいに鎖国するとします。

調べてみると2020年の日本の食料自給率66%。大雑把に考えれば世界と交易しなければ日本人の人口の34%は飢え死にしちゃいます。

そして、現在日本の人口が約1億2,600万人。66%だと約8,300万人になります。人口が減れば当然GDPも減少して国が衰退してしまいます。

自分が住んでいる生態系の中に、必要なものがなかったら、それを外部から持ってこなければ仕方ない。だから、ないものを知恵を絞って手に入れることによって自分の住む生態系を豊かにすることが、交易の本質であると思います。

閉じられた生態系がお互いに全く出会わない世界は想像しにくいですが、多分、今より日本や世界は発展していません。今の日本があるのはみんなが知恵を絞って交易をして日本に足りない資源を手に入れることによって現在の生活が成り立っている事をこの本を読んで考えさせられました。

私達一人ひとりに置き換えて考えても同じ事が言えると思います。

「自分が生まれてる前のことについて無知でいることは、ずっと子供のままでいること」

とキケロも手紙に書いているとこの本にも引用されています。

読書によって歴史や物語を追体験する事ができ、閉じられた生態系(自分だけの価値観や知識)だけにとどまらず別の生態系(専門家や他人の価値観)に入っていく、もしくは受け入れる事ができます。それによって考えに多様性が生まれ様々な意見を受け入れられる様になります。

自分の考えに「多様性」を持つ事によりどんな危機的な状況におちいっても、その状況にオロオロせずに「そんなものさ。」と受け入れて次の対策を考える事が出来ます。

そんな、「骨太」な知性を持つ人間になれる様にもっと歴史を深く学ぼうという意欲がわきました。


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