合唱団のための「舞台打ち合わせ」

・初めて演奏会をする
・担当者が代わって引継ぎが出来ていない
・しばらく演奏会をやっていなくて忘れてしまった
そんな合唱団のみなさんのために、演奏会準備の中で、少数の担当者しか知らない「舞台打ち合わせ」について、なにをどうしたらいいのかを書いてみました。
さまざまな立場でこれまで行ってきた経験をもとに合唱公演における「舞台打ち合わせ」について記載していますが、多くの音楽公演には共通する内容がほとんどかと思います。

なんのためにするの?

舞台打ち合わせはホール・劇場の管理者および舞台スタッフに、自分たちがやりたいことを伝えるために実施します。
入館から退館までの時刻や流れ、借りたい備品、持ち込み備品などの情報の擦り合わせをし、そのためにホール側が何をどのように準備しておいたらいいのか、を確認するための打ち合わせです。

誰がするの?

合唱団で演奏会全体を把握している統括責任者、当日舞台を管理するステージマネージャー、表周りを管理するロビーマネージャーの3名で行うことが理想です。特に、舞台周りは当日に与える影響が大きいので、ステマネの出席は必須です。

なお、ステマネ、ロビマネを団内の出演者が兼務するのは困難ですので、外部に発注することをお勧めします。またその際、出演者が滞りなく気持ちよく演奏するためにステマネを、お客さんが気持ちよく演奏に集中できるようにロビマネを、それぞれ経験豊富な方に任命・発注することは重要です。
入場時にトラブルがあってイライラした状態では、お客さんも演奏に集中できませんし、舞台の転換などに不手際があることで演奏へ向かう良い緊張感がなくなってしまうこともあります。

いつやるの?

公演の1か月前が目安です。ホールから使用申込時の連絡先へ、日程調整の連絡が来ます。
基本的に平日の日中に行われることが多いので、社会人合唱団では対応可能な体制の構築が必要になります。

なにを用意すればいい?

用意するのはおよそ以下の通りです

  • 利用日全体のタイムテーブル

  • 開場から終演までのタイムスケジュール

  • 使用したい備品のリスト

  • 舞台図面

  • ステマネ、ロビマネの名前と所属

  • 写真、映像撮影や録音など外部業者の会社名

  • 公演チラシ

  • ホール・劇場所定の提出書類

重要な書類となりますので、ひとつひとつ解説していきます

利用日全体のタイムスケジュール

縦軸に「時刻」を、横軸には「主に舞台で行われる内容」「所要時間」「必要備品」「リハーサル室の使用内容」「ロビーで行われる内容」などを記載してください。
舞台に関する時刻で必要なのは以下のような内容です。

  • 会場入り

  • 舞台設置に必要な時間

  • ピアノを使用する場合調律時間等

  • リハーサル開始および終了時刻

  • 開場

  • 開演

  • 休憩

  • 終演

  • 退館

  • スタッフ、団員、指揮者、ピアニスト等の入り時刻

また、オンステ人数も必要です。合唱〇名、指揮、ピアノ、譜めくり 計〇名のように記載してください。

舞台設置に必要な時間について
一部の音楽専用ホールを除くほとんどのホールは、可動式の反響板を設置して利用します。反響板の設置中は危険なため、舞台上には入れず、山台などの設置作業も出来ません。また、これらの設置は利用時間内に行うことが一般的なので、音楽専用ホールと多目的のホールとではリハーサル開始可となるまでの時間に差があることが多いです。

ピアノ調律について
標準的な調律時間は2時間です。また、ホールによって楽器庫での調律に対応してもらえる場合もありますが、基本的にはホール舞台上での調律となります。そのため、一般的なリハーサル開始可能時間は早くて入館後2時間となります。
調律に関して確認されるのはピッチ、立ち合いの有無、技術者の指名の有無です。ホールを通じて発注する場合と、主催者(合唱団)で直接発注をするように言われる場合とあります。
ピッチはA=442Hzとなっていることが多いです。変更して調律をすることも出来ますが、その場合戻し調律と言って、使用後に再び442Hzに調律をし直すための時間と料金が必要となることがほとんどです。
立ち合い、は、調律師が調律完了後に滞在する時間です。立ち合いなしのケースが多いように思いますが、リハーサルやピアノ移動で調律が崩れたり、リハでピアニストが弾き始めたら気になる箇所があった、などに対応するため、丁寧なケースでは立ち合いもお願いをします。別途所定の料金がかかります。
また、調律完了時にピアニストが弾いて気になる点がないか確かめることもできます。これを希望されるかどうかはピアニストさんに確認してください。
なお、調律について、入館手続き後にのみ行われる場合と、入館前でもホール側で対応してくださる場合とあります。11時からリハーサルを開始したい場合、前者であれば9時に入館手続きが必要となりますが、後者であれば10時入館で山台等を1時間で準備する、という事も可能になります。ホールによって対応は様々ですので、舞台打ち合わせ時などに確認してください。

なお、ピアノは弾くことはもちろん、移動や時間経過によっても調律に狂いが生じます。前回に使用された後にピアノ庫へ移し、当日使用する際に舞台に移すだけでも2度の移動があり、調律せずに良い状態で使えることは稀有です。一部のホールを除いてピアノ調律は任意とされてはいますが、良い演奏会を作るために、原則として予め調律の時間や予算を組み込んで計画することをお勧めします。

開場→開演までの所要時間について
ホールサイズ、自由席or指定席などで異なります。
自由席では30分間が一般的ですが、指定席またはホールサイズによって、45~60分間をホール側から指定される場合もあります。チラシ等に掲載される事項ですので、事前に十分確認を行ってください。

開演から終演までのタイムスケジュール

前項の全体のタイムスケジュールの中に組み込む形でも、別途作成する形でも構いませんが、横軸に必要な情報が、全体スケジュールとは異なるものなので、どちらかといえば別に作成することをお勧めします。

時刻で必要なのは以下の通りです

  • 開場

  • 注意事項アナウンスの有無及び時刻

  • 予ベルおよび本ベルの有無及び時刻

  • 開演

  • 入場

  • 演奏

  • 転換

  • 休憩

  • アンコール

  • 終演

  • 退館

  • MCのタイミングおよび必要マイク本数

  • 記念写真撮影の有無

横軸には「ステージタイトル及び曲名」「作曲者」「所要時間」「指揮者」「ピアニスト」「照明」「使用備品」などを記載してください。

開場
前項の全体スケジュールでも触れた通り、開演までに必要な所要時間はホール、状況によって異なります。思い込みの「いつも通り」で設定していたら足りなかった、ということのないように注意してください。

注意事項アナウンス
開演の15分ほど前に行うケースや、予ベルの後に行うケースがあります。影アナといって舞台袖で行うことが一般的ですが、舞台上で主催者、団長などが挨拶を兼ねて直接注意喚起をすることもあります。注意事項をより徹底したい場合は、舞台上に出てお客さんの反応を見ながら行うと効果が高まります。
ホールから注意アナウンスの際に言うべき内容や、指定の文言が用意されていることもあります。打合せ時に確認してください。

予ベル(よべる)
1ベル(いちべる)ともいわれ「間もなく開演ですよ、席についてくださいね」ということをお客さんに伝える役割があります。

本ベル(ほんべる)
2ベル(にべる)ともいわれ「只今から開演します」ということを伝える役割があります。予ベルでお客さんがすでに着席していることが前提のため、演奏会の雰囲気を壊さないように、本ベルは鳴らさないケースも多くあります。

近年のホールではベルの音が選べるケースが増えてきました。音色や時間が異なりますので、リハーサル時に確認し選んでください。
個人的には古い多目的なホールに多い「ブーーーーーー」というブザー音は耳障りに感じられるため、その場合はベルを鳴らさないことが多いです。

演奏会本番の記載内容
ステージ全体だけでなく、1曲ごとの曲名、所要時間を書いてください。
これは当日ステマネが進行具合の管理をするのに必要な他、ロビースタッフが遅れ客を入場させるタイミング管理するためにも活用できます。
また、Ave Mariaなど曲名だけでは曲が特定できないケースも多くありますので、作曲者がわかるようにしておいてください。

指揮者がステージや曲ごとに変わるケース、ピアニストが複数いたり、無伴奏ステージなどがある場合には、それぞれ明示してください。

オンステ人数がステージごとに違う場合も明記をお願いします。

照明
特別な演出等がない場合、演奏時明かり休憩時明かりの2種類を用意してもらえば十分です。一般的に演奏時は舞台:客席=100%:30%、休憩時(開場、終演後含む)は0%:100%のことが多いですが、ホールの標準的なもので用意してもらいつつ、当日リハーサル時に打ち合わせてください。
ステージ間での転換を暗い状態で行いたい場合は、転換用の明かりをお願いします、と伝えれば用意してもらえます。
合唱団の入場時にステージを明るくして入場するのか、暗いまま入場するのか、などもスケジュールに記載してください。
例)客席・舞台暗→合唱団入場→舞台明→指揮・ピアノ入場

全体的な明かりのほかに、指揮・ピアノやソロに明かりを当てたい場合などはその旨記載したうえで打ち合わせで詳細を確認してください。照明の種類や規模によっては、ホール側の増員が必要だったり、別途専門の業者を発注する必要がありますので、事前に相談をしておくことをお勧めします。

なお、照明は本番用明かりとリハーサル用の最低限の明かりとで料金が異なるケースがほとんどです。リハーサル時にも本番と同じ明かりが欲しい場合、その旨を打ち合わせで伝えてください。

※一部ホールでは照明機材から(おそらく熱膨張による)カチッというようなノイズが発生し続けることがあります。その場合、リハーサルや開場時も含めてずっと明るくしておくことで、ノイズの発生を防げることがあります。

ピアノ・必要備品等の設置情報
ピアノの移動がある場合、それらのタイミングも記載してください。
指揮・譜面台、机、椅子、楽器等の出し入れ、移動がある場合もわかるように記載してください。
特にピアニストが複数いるケースでは、椅子を共有するのか、高さを事前に合わせてそれぞれ専用にするのか、によって準備する備品の数や、ステマネ側の準備も変わりますので、確認できるようにしておいてください。

MCのタイミングおよび必要マイク本数

影アナ以外に舞台上でマイクを使う場合、そのタイミング、場所、本数等をわかるように記載してください。

記念撮影のタイミング

記念撮影を舞台上で行う場合、それも記載していください。特に終演後に行う場合、照明の切り替えタイミングや、撤収にかかる時間の見積もりにかかわりますので重要な情報です。

使用したい備品のリスト

舞台上で使用するもの
反響板、山台、指揮台、指揮者用譜面台、ピアノ、ピアノ椅子、譜めくり椅子、譜面台、椅子、机、マイク、マイクスタンドor置き台、その他持ち込み楽器等
舞台袖で使用するもの
机、椅子、影アナ用マイク
ロビーで使用するもの
机、椅子、もぎり台、サインボード

※机、椅子などの基本的な備品も無料のケースと有料のケースがあります。手の届くところにあるものも勝手に使って大丈夫かどうか、打ち合わせのときに確認しておくとトラブルを回避できます。

舞台図面

どのように山台およびピアノを設置するのか、が主な内容となります。
演奏会を初めて行うためよくわからない、という場合は、1列あたり何人で、何列で歌いたいのか、がわかる並び表を用意しておくと、ホール側で山台の組み方を提案してくれます。
ホールウェブサイトで平面図が公開されているケースなどでは、事前にそれらを印刷して書き込む、などしておくとより具体的な相談が可能となります。

ソリストに照明が欲しい、司会者用にマイクスタンドと演台が欲しい、などの希望がある場合や、前項の舞台上備品を使用するケースでは、それらの書き込みもあると舞台さんおよびステマネが理解するのにとても助かります。

※舞台の単位は尺貫法が基本となっています。
標準的な平面図で水色の点線で示される四角は1ますが1間(けん)=約180cm四方となっています。
山台で最も一般的なものは3×6(さぶろく)というもので、単位は尺=約30cm。サブロクの場合約90cm×約180cmです。つまり上記水色の四角の半分ですね。
山台の高さは7寸(21cm)刻みが一般的ですが、ホールによって15cmもしくは30cm刻みのこともあります。

マネージャー氏名、業者名

書くまでもないことですが、事前に決まっている担当者や、担当業者名は一覧にして提出してください。
なお、打ち合わせ時に言われますが、録音、撮影業者など、電源や回線を必要とする場合は、業者から直接ホールに電話連絡を入れることになっています。
これらは舞台打ち合わせの後に行いますので、担当業者にはそのように伝えてください。

公演チラシ

公演の内容確認に使用します。開場・開演時間やチケット値段など、ホールの使用申請時と変わっている場合は、変更した時点でホールに連絡をしておくのがマナーです。ホールで公演情報などをサイトや広報誌等に掲載していることが多いためです。
また、ホールによってはチラシをホール所定のラックにおいてくださることがあります。その場合は指定枚数を持参します。(打ち合わせより前に設置可能なこともありますので、ホールにご確認ください)

ホール・劇場で定めている提出書類

ホールから書式の決まった書類の提出を求められる場合があります。その場合は、郵送・メール、またはウェブサイトにある書類を使用して、必要事項を記入してください。
これまでの内容で重複するものがある場合は、所定の提出書類を優先して問題ありません。

舞台打ち合わせの流れ

基本的に打ち合わせはホールの事務担当者の主導で進んでいきます。用意した書類を、必要部数を事前に確認したうえで印刷持参し提出してください。

利用日全体の流れの確認から始まり、舞台上のこと、ロビー関係のこと、と確認していきます。

その際に確認される基本的な事項は以下の通りです。ほとんどのことは用意している書類に掲載してあるはずです。

舞台まわり
山台、ピアノ等の舞台配置
調律関連
ホール録音の有無
録音・撮影業者の有無
照明・音響演出の有無

ロビーまわり
出演関係者数および入場予定者数
入場券関係
当日券の販売有無および発売時間
物品販売の有無

その他
使用楽屋
搬入車両の有無
駐車場利用の有無

またホールによって、緊急時の誘導責任者など防災関連の書類提出をお願いされる場合があります。

舞台まわり

山台、ピアノ等の舞台配置

前述の舞台図面が用意できている場合は問題ありません。
基本的には山台が何間何段でそこに何人が並ぶのかを伝えて、舞台担当スタッフと調整をしてください。用意していった山台図面が、山台の枚数が足りずに組めないケースなどもありますが、そういったズレを解消するためにこそ舞台打ち合わせがありますので、舞台さんのからの提案を元に検討してください。

調律関連

これはすでに記載している通りです。確認されるのは
調律時間、ピッチ、立ち合いの有無、技術者の指名の有無
です。

ホール録音の有無

ホールのスタッフによる録音です。ホールによって使用できるマイクなどの性能は大きな差があり、また、音響スタッフもクラシック録音の専門技能を備えていないことがほとんどのため、あくまで「記録録音」を目的としています。音源のYouTube等での公開や、よりよい状態での記録を残したい場合は、専門の業者・技術者へ発注することをお勧めします。

録音・撮影業者の有無

録音や撮影に業者が入る場合、電源や回線など準備が必要となるため重要な情報です。

照明・音響演出の有無

特別な照明や、なんらかの音声の再生などが必要となるか否かを確認します。使用する装置や、舞台スタッフの配置などを検討する必要があるためです。
また、客席内の避難誘導灯の消灯について確認される場合があります。こちらは緊急時に必要となる重要なもので、演出上真っ暗にする必要があるなど、特殊な場合を除いて常時点灯となります。

禁止事項の確認

ホール禁止事項の確認をします。
舞台上での水分
リハーサル時の客席の立ち入り
火気
貼り紙
などが主な内容です

舞台上での水分についてはホールによって
・完全に禁止
・蓋の閉まるペットボトルであればOK
・ペットボトルかつ糖分の含まないもの
・ペットボトルかつ水に限定
など様々です
万が一こぼしたときのお茶などによる色の問題、糖分によるベタつきの問題を考えてのルールです。確認の上、団員および指揮者等出演者全員に周知徹底してください。
また、近年演奏機会が増えているグラスハープについて、水がこぼれる危険性があるため、ホールによっては許可されないケースもあります。選曲時もしくはホール選定時に注意をしてください。

リハーサル時の客席の立ち入りについては基本的に料金設定の問題です。リハーサル利用としての区分は料金が安く設定されているが、その時間帯は舞台面のみの使用に限る、としているホールがあるためです。
その場合も指揮者が響きの確認などに降りることは許される場合がほとんどですが、客席に集合して荷物を座席に置く、などはNGです。

火気については、合唱ではあまり使用する可能性がはないと思いますが、以前スモークマシーンを使用したことがあります。申請が必要であったり、使用自体が不可であったりすることがありますので、かならず事前に確認をしてください。

楽屋エリアや座席、ロビーなどに貼り紙をするケースがあると思います。その場合、貼ることのできる場所や、使用できるテープの種類などが限定される場合がほとんどです。テープや粘着物が残ったり、壁紙がはがれてしまったりすることを防ぐためです。舞台上のバミリについても、まれに制限のあるケースがありますので、注意のあった場合は指示に従いましょう。

この他、合唱では少ないケースですが、ピアノの内部奏法(弦を直接手やマレットで鳴らしたり、弦に定規を置くなど)は多くのホールが禁止としているので、当該楽曲を演奏したい場合は事前に確認をしておいてください。
また、チェロやコントラバスなどにあるエンドピンについて注意をされる場合があります。当該の楽器使用が明記されていればホール側から必要に応じて注意がありますので、確認し奏者に伝達してください。
さらにとてもレアなケースではあるものの、山台の上でフリをつけることや、足を踏み鳴らすことを禁止された経験もあります。
ただ歌うだけでなくやりたいことがある場合は、舞台打ち合わせでホール側としっかり擦り合わせを行っておきましょう。

ロビーまわり

入場予定者数

入場者数の見込みが確認されます。主に開場・開演時間に関することや、開場前の待機列、休憩時のトイレの列などを予測するためのものですので、見栄を張って過大申告する必要はありません。
また定員数を超えての入場は消防法の関係でどのホールでも不可です。立ち見用のエリアが設定されているホールを除いて、立ち見も出来ません。チケットの販売数には十分に注意しましょう。

入場券関係

どのようなチケットをどのような人に販売しているのか
指定or自由
値段およびランク(S,A,B等)の有無
紙、電子
一般or関係者のみ
入場可能年齢(未就学児、小学生等)
招待状の有無

当日券販売の有無および発売時間

これはホールに電話問い合わせがあった場合の返答用が主な目的です。
また、当日券の有無や、前述の入場見込み人数によって、予想される待機列の長さが変わり、待機できる場所についてはホールによって様々ですので、十分な打ち合わせが必要な内容となります。

物品販売の有無

基本的に事前申請が必要になることがほとんどです。また、ホールによっては販売手数料として、売り上げの一定割合が徴収されるケースや、物品販売として使用する机に対して料金が設定されるケースがあります。
募金などの寄付を募る場合も別途申請が必要になるケースがありますので、予定している場合は打ち合わせの際に確認してください。

その他

使用楽屋

ホールにある楽屋について、使用する部屋の確認をします。有料、無料、一部の部屋のみ有料などホールにより様々です。また鍵の使用をするかどうか、なども確認されることが多いです。
楽屋エリア以外に建物に付随する部屋を使用している場合、それに関する質問を受ける場合もあります。

搬入車両の有無

ホールには基本的に搬入口という大きな物品を運び入れるための専用の入り口があります。搬入用のエレベータもホールで独立して使用できる場合や、他の施設と共有しているなど様々で、それぞれに使用に関する注意がありますので、利用する場合はよく打ち合わせてください。
撮影業者などがいる場合はほぼ確実に使用しますので、その場合は事前に車のサイズなどの確認が必要になります。
小規模のホールの場合、普通乗用車しか搬入口を利用できないケースもありますので注意が必要です。

駐車場利用の有無

上記にも関わってきますが、車での来館者について確認をされます。搬入口に留め置きが出来るケース、ホール利用者用に駐車場が用意されているケース、共有駐車場に駐車するが料金精算時にホール利用者は無料になるケース、ホール利用者用の駐車場が特にないケース、などがあります。
駐車の際に、駐車票の提示が必要だったり、専用のコインがあったり、それらも様々ですので、車の利用がある場合はよく確認をしてください。

エレベーター、エスカレーターに関する確認

ホール用のエレベーター等がある場合や、当該階がホール専用となっている場合、通常時は利用できないようになっていることがほとんどです。そのため、それらを何時からどう動かすか、という質問をされる場合があります。ホール側がよく理解したうえで説明・提案をしてくださいますので、それらをもとに検討してください。

ごみの処理

・楽屋エリアにゴミ箱の有無
・ゴミ箱内のゴミの扱い
・有料でのごみ処分の有無
・弁当ガラの処理について
・ゴミ処理をしてくれる場合の分別について
これらをよく確認しておきましょう。

終わりに

ホール側の人たちも、演奏会を成功させるために様々準備を重ねてくださっています。と同時に、ホールに関しては素人である私たち合唱団に対し「大丈夫かな?」とちょっと不安も感じています。
ホールにある備品は高価で傷つきやすいものが多く、また、ホールではちょっとした不注意が死亡事故につながるケースもあるからです。

必要な確認事項のすり合わせをし、気持ちよくかつ安全に演奏会を成功させるために、よい協力関係を築く、というのが舞台打ち合わせの目的だと思っています。

みなさんの舞台打ち合わせが有意義で良い時間となりますように。

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