【DTMクラシック】J.N.フンメル / ピアノ三重奏曲 第6番 ホ長調,Op.83
J.N.フンメル / ピアノ三重奏曲 第6番 ホ長調,Op.83
フンメルのピアノ三重奏曲は当時はライヴァルのベートーヴェンの作品より人気がありました。19世紀以降は忘れられていましたが1980年代から取り上げられるようになり、今では多くの全集が発売されて楽しむことができます。特に1819年に出版されたホ長調,Op.83は、この時代のピアノ三重奏曲の頂点に立つ名作です。
全集は複数種発売されていて素晴らしい演奏を聴くことができますが、どの全集もOp.2-1変ロ長調を省いて7曲の全集としてます。そしてこのOp.83を第5番としてる解説もありますが、私の作品目録では第6番としてます。
出版番号順でナンバー付けていますが、作曲年順とはなっていません。
Op.2a-1 ◇ピアノ三重奏曲第1番変ロ長調 1792年
Op.12 ◆ピアノ三重奏曲 第2番 変ホ長調 1803年
Op.22 ◆ピアノ三重奏曲 第3番 ヘ長調 1799年
Op.35 ◆ピアノ三重奏曲 第4番 ト長調 1808年
Op.65 ◆ピアノ三重奏曲 第5番 ト長調 1814-15年
Op.83 ◆ピアノ三重奏曲 第6番 ホ長調 1819年
Op.93 ◆ピアノ三重奏曲 第7番 変ホ長調 1790年代の作品を改作
Op.96 ◆ピアノ三重奏曲 第8番 変ホ長調 1822年
フンメルはこの曲で少なくとも作曲技法と形式に関する限り、ハイドンとモーツァルトの影響から脱却し、独自の輝かしいスタイルを確立したと言えます。第1楽章では、主題に以前の作品より転調、陰影、ピアノ技巧、ヴァイオリンとチェロの独立性が与えられています。
経過部では、主要主題のモチーフから独立した主題が作られており、これはテーマを変化させていく展開部に発展していきます。第二主題(変イ長調)は、ベートーヴェン の交響曲第8番(第1楽章の主題) を思い起こさせます。展開部では、フンメル は主に和声的要素(主に広い変調)を採用してモチーフの精緻化には重きが置かれてません。
対称的に3部形式の第2楽章では、展開部は純粋な変調技法に基づいています。ふとシューベルトの曲でも聞いてるのかという錯覚に陥ります。
ジプシーダンス風なソナタ形式のロンドであるフィナーレは、シンコペーションを効かせた主題の展開によってもたらされる活気があって魅力的な楽曲です。
映像内の譜面について
この動画に使用している楽譜は、プログラミングに使用したDorico pro5のキャプチャー画面そのままです。音源はVST GARRITAN PERSONAL ORCHESTRA 5で、ミックスとマスタリングは別ソフトを使用して作成しています。
実際の楽譜と異なり、トリルは実際の音程で入力し、随所にテンポを指定し、強弱もバランスを聞きながら収録しているため、演奏には向きません。
クレジット
Sheet score createed by Dorico Pro 5
Computer Programming : Hummel Note
Sound:GARRITAN PERSONAL ORCHESTRA 5/ARIA
Mix & Mastering:SSW10 Lite
Cover Thumbnail made by Ai(Copilot)