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北斗晶よ、女子プロレスに謝罪しろ!⑱

対抗戦を牛耳るロッシー小川

 「<LLPW>っていうのは”レディース・レジェンド・プロレスリング”の略なんだけど、この団体名には私たちの設立にかけた心意気が込められている」と神取忍は著書の中で言っている。
 時代は男性優位で、男があらゆる分野で社会を動かしていた。主役が女子である女子プロレスについても同じで、オーナーも社長もフロントもすべて男だった。LLPWはそれに反発するかのように、女子選手が自分の意志で自分たちのために立ち上がってつくった団体だった。
 「<LLPW>は男の力を借りなくても、女たちだけでもここまでやれるんだっていう”伝説”になる」LLPWという団体名には高尚な理念が込められていた。

 風間ルミが女子だけでつくる団体LLPWの社長に就任した時、女が社長をやっても3か月も持たないと言われていた。女が社長をやってもなめられて、つぶされる。その上、LLPWは女だけでやっている団体で、続くはずがない。 そういわれるのが当たり前の時代に、その風潮に抗うために風間たちが立ち上げたのがLLPWだ。

 そして実際に、風間ルミが社長になって女だからと、差別意識を持ってつぶしに来た人間がいる。それが当時の全女広報部長で、団体対抗戦を全面的に仕切っていたロッシー小川だ。
 興行を潰した山田敏代や井上京子を許して親しく付き合うやさしさを持った風間ルミだがロッシー小川だけは決して許さなかった。

 ロッシー小川は、対抗戦時代についての取材に、女性社長の女子プロレス団体であるLLPWのことを「女社会だから、男社会とは違う」と平然と言ってのけ、対抗戦終了後も、風間ルミのことを馬鹿にするような発言を続けている。
  

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