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あっ、あなたはそうなのね
ありのままをみることって、大切ですよね。
『ヨーガスートラ』にも、物や人に対して客観的に、あるがままを受け止める態度を養うことが大切だと、記されています。
あるがままを受け入れる、大切だと思います。
ですが、立場が違えば、みる角度、みえる角度が違い、あるがままの景色も変わります。
最近、観た映画。
タイトル:『好きにならずにいられない』
主人公は、43歳、独身。趣味は、戦車や兵士の小さなフィギュアで、ジオラマを作って遊ぶこと。心優しい大男、フーシ。
とにかく優しいのです。
優しいが故に、勤務先の同僚から、巨漢であることをからかわれたり、近所の女の子に慕われるが、その父親からかなり警戒されてしまう。
あるがままの視点から観ると、少女にとっては、心の優しい近所のおじさん。
フーシにとっては、女の子が一緒に遊びたい、と言ってくるから一緒に遊び、車で一緒に出かけたい、と女の子が頼むから、一緒に車で出かけることになる。
一方、この少女の父親の立場からみると、43歳、独身の大男と、自分の娘が親しくしていたら、そりゃ、警戒しますよね。フーシと少女が一緒に車で出かけた時には、ちょっとした誘拐騒ぎにまでなってしまいます。だけど、父親から見える景色では、この反応が、ありのままということ。
そう考えると、あるがままを受け止めるって、辛いことも多いです。
私のyogaの先生は、あるがままをそのまま受け止めてください、と言われます。
『あっ、あなたはそうなのね』と。
自分と周りが同じ考えを持っている訳ではありません。
それぞれが、それぞれの立場で色んな考えを持っています。
正しい、間違っているというジャッジをする必要もありません。
あっ、あなたはそうなのね、とあるがままを受け止める。
映画では、ありのままを受け止め、時には苦しく、辛い気持ちにもなるフーシ。
タイトルにあるように、ある女性に恋もします。
その女性に対しても、ありのままの彼女を受け止め、そして自分で選ぶことを始めていきます。
ありのままをみる、って少し仰々しい感じもしますが、
『あっ、あなたはそうなのね』
と、軽く受け止めていく。
そんな執着を取り外していけたら、と改めて思えた日常でした。