日系投資銀行の就活⑤<インターン編>
皆さんこんにちは。お久しぶりでございます。
6月1日が過ぎ、我々2021卒の日系投資銀行の就活はひとまず終わりを迎えることになりました。だから何だという話もありますが、内々定後ならちょっと踏み込んだことを書いてもいいんでないかということで、今回は前回見た選考フローの中でもインターンの選考とインターンについて話していきたいと思います。
○インターンの選考
インターン選考は前回でも書いた通り、
ES・WEBテスト→面接orグルディス(もしくはその両方)
という流れになります。
もちろん各社どのようなフローになっているかについての詳細はワンキャ○アの体験記あたりを読んでいただいた方が想像しやすいと思います。ワ○キャリアの選考フローについては毎年外○ドットコムの掲示板で賛否両論出ますが、私自身の実感としてかなり精度が高いと思っていますし、これを無料で利用できて本当に良いのだろうか…といつも思っています。ですからどちらかというとここでは各社の詳細を述べるのではなく、こんな人は落ちてたなあとか私自身こんなことして落ちたなあという思い出があるのでそれを書いていきたいのと、ここ気を付けた方が良いのでは?というところがあるのでそれらを書いていきたいと思います。
・ESとWEBテスト
ESとWEBテストはどの企業もあります。
ESについては各社設問がバラバラだったりしますが、設問で聞きたいことは割と共通しているのでワードにファイルを作ってそれを各社少しずつ変えながらストックしておくと良いかもしれません(というかそうしていました)。また僕は夏と冬で割と色々なインターンに応募してESで十数社落とされましたが、外資・日系投資銀行計10社以上応募してESの段階で落とされたのは某Dと某Uだけなので、どの投資銀行もあんまり見てないのではないかなーと思ったりします。もちろん外資・日系どちらもこれを見ながら面接するので、全く違うことを言わないようにするという意味で話はよく練る必要があります。ただネガティブチェック的な意味合いが強いので、論理と誤字脱字をしっかり見ておけばよく、貴社と御社を間違えたくらいでめくじらを立てるような厳しいところではないと思います。貴社と弊社を間違えたらダメかもしれませんが。
WEBテストについてはコンサルと比べればそんなに必要ないのかもと思いました。ただWEBテストは初見殺し的な側面が強いので、先輩に頼まれて何回かやって勝手が分かっているとかそういうのでないのなら、ちゃんと本を買って練習した方が良いでしょう。種類としては玉手箱とSPIだけ練習すれば問題ありません。本もオーソドックスなのを1冊ずつやるだけで十分すぎると思います。
・面接
インターンの選考では面接が一般的に多く、グルディスだけのところは某Nのみです。ですから一般的にグルディスよりも面接の方が重要性は高いです。
面接はオーソドックスなものしか聞かれないのでそれだけ押さえておけば十分です。ただ回答の質はめちゃくちゃ問われる気がします。ここからはああせいこうせい言うより、あっこの人落ちたなって私が思って結局落ちていた人の特徴&私が落ちてしまった要因を列挙していった方が良いと思うので以下書いていきます。
①質問の回答をその場で考える人
これは私です。面接なんて何とかなるやろと臨んだら殺されました。本選考よりインターンの方が突飛な質問は多い印象がありますが、オーソドックスな質問も多いです。「このインターンなんで参加したいの?」「あなたの強みは?」「気になったニュース(M&A)は?」これぐらいはきちんと答えられないとヤバいです。準備しておきましょう。あと中途半端に暗記していくと原稿を思い出している感が出てしまうので、暗記するなら徹底的にやりましょう。
②弱気な人
これも私です。「一次面接通ってよかったね。何で通ったんだと思う?」と聞かれて「なんででしょう?思い当たる節がありません。」と答えたところ無事落ちました。他にも知らないことは知らないと謙虚にした方が良いという言説がありますが、あれは謙虚とか自分を卑下した方が良いということではなく、「それ間違っているよ」と言われたときに「はいすみません!勉強不足でした!」と言える素直さと言った方がしっくりきます。「正確ではないかもしれないのですが…」などとディスクレーマーばかり付けていたおばさん・おじさんは無事死亡している割合がとても高かったです。
弱気という点ではきちんと主張しない人もそう捉えられることがあると思います。例えば間違った形で面接官に伝わった場合は、きちんと伝え方の不備を謝ったうえで訂正した方が良いと思います。自己主張する奴はダメ的な話ありますが、プライド高くて主張を曲げない奴がダメなのであって、肌感ではきちんと主張すべきところは主張する人の方が通っています。もちろん各社の社風次第なところもありますが。
③面接の前に他の学生と仲良くしようとする人
こういう人に限って落ちていて、インターンの場にはいませんでした。面接官に社交的な人物と見られたいのかよく分かりませんが、仲良くしなくても落ちません(あくまで個人的な意見です)。グルディスのときなら多少分かりますが、面接の前に話しかけてくる奴はまじでわけわかめです。ある程度緊張してた方が良い人とかは、こっちから話しかけない&無視決め込むor適当にあしらうが一番だと思います。
④壮大なこと言う人
「M&Aで日本に貢献したい」「社会に貢献したい」「社会の根底は金融が支えているので」‥‥。うるせえと言いたいですね。
そもそも社会に貢献したいなら日本財団とか国連とか行けばいいんでねえかと思います。もちろんそうした主張でもロジック通っている人は受かっていた気がしますが、「何で社会の根本が金融なの?」「それって○○でやった方が良くない?」と言われても大丈夫なようにしないと大変でしょう。
あと他に落ちている人の特徴はやっぱり早口ですね。単純にヤバい奴だとみなされていると思います。同じ三色チーズ牛丼顔でも、早口でめちゃくちゃ言い間違える声の高い奴より、姿勢正してゆっくりめの気持ち声低めで話された方が安心感あって通したくなりませんか?ちなみに顔が三色チーズ牛丼でない人でも、早口で落ち着きなくしゃべっていると不思議と同じように見えます。
・グルディス
採用している企業は少なめです。ましてや今年はコロナのせいで殆どないのでは?とも思っています。サンプル数殆どないため事例の列挙ができないので、こういう人が評価されていたのかなぁ?と大雑把な推論で特徴を挙げていきたいと思います。最初に時間配分を決める、次はお題の5W1Hを整えるなどなどグルディスの作法が分かっている前提で話すので、あしからずご了承下さい。分からない人は、東大生が書いたシリーズのグルディス編を買って読んでください。
①議論の目的に沿った話をする人
これが一番だと思います。取り敢えずなんか適当に意見言っとけという人よりは、きちんとお題では何を導けばよいのかを意識していた人が通っていたように感じられます。むやみに人の意見を壊す人や大きな声で意見を押し通そうとする人は、議論の目的設定に合っていないと大幅な減点評価になると思います。
ちなみに勘違いする方がいると思うのですが、「私もそう思います」「とても良いと思います」しか話さない人は目的には沿っていませんね。グルディスの目標は質の高い結論を出すことであり、お墨付きだけします的な発言は何も貢献していないのと一緒だからです。
②発言量の多い人
ちょっとこれは微妙な感じもします。外資だと某BoAなどは一言も発さずに通った人もいたようです。ただ日系で言えば某Nは発言量の多い人から通っていたと思いますし、某Sもそうだった気がします。この現象については、大抵の場合は発言量の多い人ほど結論を導き出すのに貢献するので結果その人が評価される一方、偶にしゃしゃってゴミみたいな結論を出す元凶になる人がいて、それゆえ弾かれるということもままあるというのが事実でしょう。
従ってやはり良い結論をきちんと出すことに貢献できるかどうかが重要だと思います。発言量の多い人と言うのは、結局は相関があってそう見えるだけです。発表するのかしないのかというのも同じ話だと思います。根本には議論に貢献しているか否かがあることを忘れないようにしましょう。
○インターンについて
これもワンキャリに体験談が落ちているので見てほしいです。
ただこうした方が良いかもという点を、インターンの内容・インターン中と懇親会・インターン後に分けてお話していきます。
・インターンの内容
インターンは大体4・5日で殆ど買収企業の提案です。日系某Sは資金調達の提案もあるので参加した方が良いと思います。また日系某青は資料がなんと持ち帰ることが出来るので参加必須です(他の企業は持ち帰ることが出来ません)。日系某Nは冬の方が優遇されるという噂もありますが真偽不明です。各社必ずインターン組には本選考における優遇があるので、とにかく絨毯爆撃のように全て応募しましょう。
各社コーポレートファイナンスに関する講義があるので事前の学習は軽くで良いという人もいますが、事前にMBAバリュエーションぐらいは読了しておいた方が楽です。
また事前に想定クライアント企業が分かる場合が多いので、あらかじめ軽いイメージは持っておいた方が良いと思います。有価証券報告書や中期経営計画で企業のイメージが、デロイトやみずほ銀行調査部が出しているレポートなどで競合・直面する環境変化についてのイメージがわくと思います。全てネットで検索すれば無料で手に入るのでおすすめです。
インターンは選考の一環であると同時に情報を得るところでもあると思いますので、本選考の時に「インターン時に○○さんが××と仰っていたことから~は△△だと思います」と言えるようあらかじめ本選考の質問を見たり、もし仮に複数内々定を頂けた際に納得した形で決められるように、あらかじめ何で判断するのか、そのために必要な情報は何か考えておいたりすると良いかもしれません。
・インターン中と懇親会
インターン中の講義はしっかり寝ないようにしましょう。めちゃんこ船をこいでいた人がいきなり社員の方に肩トントンされて死刑宣告された例を私は知っています。
いよいよグループワークですが、一番意識すべきなのはこれがインターンだということです。実際に仕事でやるのとは完全に異なっていると思いますが、あくまで職業体験としてのインターンなので、リアルにクライアントへどういう提案をするかという心構えでやった方が良く見られると思います。
結果そうした心構えで臨むことで、本質的にグループワークで何を論点とするべきかというところが自然と分かるようになります。
それは買収で得られるベネフィットとコストを考えて、コストよりもベネフィットが勝っているから買うべきだという論理が通っているかどうかということであり、それは実際にインターンで重要な評価のポイントでした。特に何故買うのかというところは発表の際にとても詰められます。資金調達の方法などよりも、買うべき理由をしっかりと考えましょう。
買うべき理由の次に値段の算出も重要ですが、DCF検討するよりもしっかり類似企業比較法と市場株価平均法で株式価値を弾いた後に類似取引を調べてプレミアム乗っける方が最優先です。DCFは求められればやる程度にした方が良いです。あとはエクセルの積み上げ棒グラフでフットボールチャートを作れるようにしておきましょう。
後は資料の美しさも必要ですが、こればかりは対処のしようが分からないので、頑張って下さいとしか言いようがありません。
細かいことよりもグルディスの話と同様に、現行の議論を目標に照らし合わせて全体の整合性を取ることは非常に重要です。どうみられているかを意識しすぎて出しゃばるよりは、グループの目標を適切に設定し、その目標に即した行動を行うことに焦点を置いた方が良いということです。
懇親会はインターンが終わった後に開かれがちです。懇親会は楽しいものですが、はめをはずさないようにしましょう。メンターの社員さんにかわいいだとか色々言って眉を顰められていた人を私は知っています。お酒が入るのでなかなか難しいところはあると思うのですが、しっかりと自分をコントロールして、社員の方に自分の将来に繋がる有意義な質問をしたり、インターン中のお礼をきちんと述べたりすることが重要だと思います。
○インターン後
インターン後は面談があります。その際は軽く話せるようにインターンでどう会社の印象が変わったのか、それともぼんやりとしていたイメージがどう確信に変わったのか、あるいは他社と比べてどのようなことを感じたのか、インターンの総括として予め整理しておくと良いでしょう。後は志望度が上がったのであれば明確にそのことを話した方が良いと思います。曖昧な返事をして案内が来なくなった人を私は知っています。またインターンでのフィードバックを個人的にくださることもあるので、その際は他社のインターンで活かせるようにしっかりとメモすると良いかもしれません。
またメンターの方がついてくださることも多くありますが、志望動機の確認、社員の紹介、はたまた面接相手の部署について教えてくださることもあるらしいので、電話がかかってきた際にはきちんと対応し、こちらからも積極的にコミュニケーションをとることが重要だと思います。ただメンターの方も仕事でやっていることなので、馴れ馴れしい態度を取らずに敬意を持って接することが重要かと思います。
以上がインターン編です。そろそろインターン選考も始まる頃なので皆さん気を抜かないように、そしてインターンの選考はよく落ちるものなので決して自分がダメな人間だと思わないように前向きに頑張って頂ければと思います。