天然な人だと思った。
天然な人だと思った。
職場のお姉様発案で開催された飲み会(と言う名の合コン)に同僚たちと参加した私は、彼を見てそう思った。
細面でタレ目、ややまばらな眉毛に垢抜けない雰囲気。
聞けば私より1つ年下らしい。しかし、若者らしいキラキラ感がない。明らかにこういう場所に免疫がなさそうだ。
あと、ちょっぴり浮世離れした感じがする。 (ジブリで言うと、サツキとメイのお父さんとか、風立ちぬの主人公みたいな感じ)
男性陣は、男性幹事の職場の後輩達らしい。華やかな雰囲気のある男性陣の中で、明らかに毛色の違う彼は、人当たりはよいが明らかに笑顔が無理をしていた。
まぁ、私自身も客観的に見れば、ラグジュアリーなお姉様と美人ギャルと陽気なハッピーガールに囲まれた田舎娘だから、人のことは言えない。
(私もこういうのあんまり得意じゃないから分かりますよ。緊張しますよね。頑張りましょうね…!!)
などと、私は彼に対して勝手に仲間意識を持ったのだが、席が若干遠かったため話す機会は少なかった。
まぁ、失礼ながら彼は好みのタイプでなかったので、わざわざアタックする必要性も感じてなかったのだが。
しかし、思わぬところで私は彼にほんのちょっぴり救われることとなる。