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92歳のおじいちゃん、大いに笑う。

先日、相模原のラーメン屋さんで落語をやった。相模原から、二十分ほど車で行くのでかなり郊外にはあるんですが、今やSNS時代なので、みんな調べて車で来るそうだ。ラーメン屋といっても、ポップなお店で、客層も若い。やってて本当に楽しかった。大体、初めてのところでやる落語はかなり気を使うんだけど、最初にやった「つる」で、これはなんでも出来るぞと思って、二席目は「幾代餅」。

中でも、お店のオーナーである92歳のおじいちゃんが、廓噺で大いに笑う光景が僕にはとても眩しかった。眩しい嬉しい、感動の光景だった。こちらのお店は元々全然違っていて。長らく大きな割烹のお店をやっていたそうだ。それもかなり大規模のお店で、お店の前にロータリーがあるほどの大きなお店だったそうだ。だから、今現在もラーメン屋さんの周りも広大な土地があって、これから開発していくそうだ。

じゃあ、なんで料亭を辞めたかというと、2019年の大雨による土砂崩れで料亭ごと流されてしまったそうだ。幸いみんな非難していたから、人的被害は出なかったそうだが、お店自体は完全に流されてしまい、倒壊してしまったそうだ。それで、更地になっていた場所にプレハブを建て、ラーメン屋をやっているようだ。と、店主からことの経緯を聞いていた。

それを知っていたから余計にオーナーのおじいちゃんが笑ってくれることが嬉しかった。吉原の枕で、昭和三十三年三月三十一日の売春禁止法施工の話をするけど、ちょうどこの年にご結婚されたそうだ。長生きってすごいなあ。2019年のような出来事があったとは思えないくらいパワフルで元気なおじいちゃんに僕はすっかり元気をもらっちゃったなあ。

「好きなことで食べられるって最高だよ」

と言われて、改めてそう思った。好きなことを好きなだけやって、たくさん人を楽しませたい。まだまだ、落語の旅は終わらない。

終演後の撮影タイム
なぜか羽織紐を結ぶ直前のポーズ

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林家はな平
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