2024秋の新真打、逆襲の真打。
今秋の新真打について話します。今度の真打は色々な意味でほっとけない真打です。
ハチヨンの人、一緒に会をやっている人、そして抜擢後の最初の真打です。
こんなこと、当人たちは思い出したくもないことだと思うんですけど、抜擢真打に関しては私も色々と以前触れたことがあるので、その後の彼らのことにはちゃんと触れておきたいと思い、四人についての思い出とか師匠のこととかを書いておきます。
・柳家花ごめ
花ごめさんは前座の頃から全然変わっていないくらいずっと若い人です。かわら版で堀井さんが触れていたけど、古典をやっててどこか捻りを加えているところが前々からあって、最近新作とか怪談とかにそれが発揮されているみたい。
真打になる前ってみんな自分のキャラを確立させようと必死になるんですが、彼女の場合は自然とやって来たことが実った感じ。
鹿芝居とか、住吉踊りとか、ちょいと立ち上がりましてに手を出した結果がつながって来ているので、真打になったら良い感じで独立したキャラクターになれそうです。
四人の中では唯一、自分の真打昇進披露宴もやらずに突き進むところも彼女らしくて良いですね。
新真打初の披露目で怪談噺が実現するかはわかりませんが、何が飛び出すかわからないところが楽しみです。
・古今亭志ん松 改メ 七代目 古今亭志ん橋
ハチヨン初期メンバーだし、落語の姿勢は一番好きかも。だけど、二ツ目時代にほとんど一緒にやらなかったので、彼の落語の変遷はあまり知らない。
だけど地道にやって来たことはわかります。チラシとか噂とか、その辺りの嗅覚はあります。
先代の志ん橋師匠がとにかく好きでした。
お会いすると「元気かい?」
と若手の私にもニコッと声を掛けてくださって、その包み込むような優しさにみんな絆されてましたね。
彼にもそういう安心感のある噺家になって欲しいです。
・春風亭朝之助 改メ 春風亭梅朝
しっかりしなさい!
と言いたくなるほど、あたふたしている彼も面白いです。
ハチヨンの仲間です。私の落研時代の卒業公演でやった「らくだ」を聴いた噺家は彼と林家つる子(中大落研一年生)くらい。
彼は落語が好きなところが好きです。素人時代に魅せられた落語の理想郷をずっと追い求めてる感じ、良いじゃないですか。だって私もそうなんだもん。落語のユートピアをずっと探していこうよ。
梅朝というとなんだか役者みたいですけど、本当いい名前ですね。
・古今亭始 改メ 古今亭伝輔
人に好かれる人です。ハチヨンです。
彼は人生を謳歌する人。謳歌してたら落語に出逢っちゃった、そして志ん輔師匠に出逢っちゃった。
そういう人です。
付き合いが広いから仕事には困らないでしょう。
でも私はそれも芸人の生き方だと思っています。落語家にとっては最高の才能だと思います。
大変な修行(師匠の家の中のことは知りませんが)をよく乗り越えたと思います。
前座の頃、飲み会だったかなんだったか、家に帰れなくなって私の家の泊まったことがあるんですが、その時の携帯の目覚ましが緊急ブザーみたいな音で、6時に起きて師匠の家に向かってましたね。
二日酔いで師匠ん家の掃除をする時の大変さったらないんですよね。
懐かしい。その苦労を取り戻る時が来ました。
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