日記と、少し告知と。
六月になりました。いかがお過ごしでしょうか?最近、高座で「皆さま、いかがお過ごしでしょうか?」を多用しているはな平です。
五月が圧倒的に忙しくて、ほぼ休みなしと来てたもので、六月のこの一気に日常に戻った感じがかなり空虚に思えますが、噺家らしい波ですね。未だ売れる気配はないですが、その準備だけはしておこうと勉強だけは怠らないようにと思っています。
と言っても昔みたいにがむしゃらに稽古するわけではありませんが、「落語」については常に頭の中で巡らせているところはあります。
上岡龍太郎さんは「20代前半に得た知識でその人間は生きて行く」と言っていて、なるほどと思いました。もちろんその後も色々と学ぶインプットはあるんですが、あの20代前半に入れたことってかなり鮮明に覚えています。
そして、あの時にやりたいと思ったことの延長が今に続いているんですよね。だから自分の息子が成長したら、20代前半の生き方だけは大切にしてほしいなって思います。僕の20代前半はとにかく落語に彩られていて、落研時代の落語と修行が始まった後の落語と。素人とプロの違いを痛感していた頃ですね。楽屋入りして、毎日いろいろな師匠の噺を聴いて、また今は亡くなった師匠方の話(ごくたまに芸論)を聞いて、吸収しまくっている時期です。
一つ後悔しているとすれば、あの時期に『円朝全集』を読んでいたらってことです。コロナになって時間が出来て出会った円朝物ですが、もう少し早く取り組んでいれば、もっと今たくさん出来ていたかもと思うと少し後悔は残りますが、10年後に出会えたので、長い噺家人生から考えれば良かったかもしれません。
そんな六月は独演会があります。『ハヤシにのって』はライフワークで、二ツ目時代から続けている独演会の延長にあって、自主公演(今はお手伝いしてくださっている方もいます)の中で一番気合が入る落語会です。
今回はナツノカモさんという元々落語家で、今は落語作家などをやられている方の作品で『もう、この春が来ないとしても』と『百川』を口演します。
『もう、この春が来ないとしても』は数あるナツノカモさんの作品で、今一番好きな噺で、僕が好きなふわっと心に残る噺です。来年から春が来ないという世界で、名残惜しみながら暮らす人々の何気ない日常を切り取った心温まるストーリーになっています。
『百川』は5年以上は寝てしまっていた噺で、今後またレパートリーに入れたいので復活させます。百兵衛という田舎者のキャラが目立つ噺ですが僕は魚河岸の若者達が肝だと思っています。そこのところを楽しみながら演じたいと思います。
二席とも気合が入ってますので、皆さま是非是非お越し下さい。
「第三回 ハヤシにのって〜林家はな平独演会〜」
日程 令和5年 6月17日(土)
場所 港区立伝統文化交流館 交流の間
時間 18:00開演(17:30開場)
料金 前売2500円 当日3000円
番組 林家はな平「百川」「もう、この春が来ないとしても」(作:ナツノカモ)他
電話
はやしの会(担当:おかめ家)
090-8170-8152
メール
oasis.hanahei@gmail.com
note
https://note.com/humbug1984/n/n0ffab6703dc8
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