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VOICARION 〜スプーンの盾〜観劇レポート

前々から興味のあった、プレミア音楽朗読劇VOICARION〜スプーンの盾〜を観劇してきました!声優陣の表現力の高さや、オーケストラの生演奏が本当に素晴らしく、良いものを全身で浴びた様な、貴重な体験ができました。



総勢51名の声優陣と、オーケストラの生演奏による音楽朗読劇

https://www.artandlive.net/facilities/theatre-creationより引用

2025/1/4〜1/30日比谷シアタークリエで行われている、プレミア音楽朗読劇VOICARION〜スプーンの盾〜ですが、総勢51名(65役)の声優の方々が、毎回役の組み合わせを変え、掛け合いを行う朗読劇となっています。演じる方によって、キャラクターの新しい一面を見せてくれる事や、オーケストラの生演奏により、世界観に没入させてくれる魅力的な演出は、とても新しいと感じました。


https://easy-sekaishi.com/french-revolution/より引用

あらすじ

舞台はフランス革命の後、二人の男が帝王となった。一人は皇帝ナポレオン・ボナパルト。もう一人は料理の帝王と呼ばれたアントナン・カレーム。王族貴族たちを料理でもてなし、説得する料理外交が頻繁に行われていた時代、料理で血を流すことなくフランスを守っていく人々の物語。

https://www.tohostage.com/voicarion/2025spoon/より抜粋

登場人物

アントナン・カレーム
貧しい家に生まれ、10歳でパリの路上に捨てられる。住み込みで料理人になり、自由な発想な持ち主で破天荒な天才。
ある日、ナポレオンの右腕である外交官タレーランから声がかかり、「料理外交」の場に駆り出される。

ナポレオン・ボナパルト
コルシカ島の田舎貴族から皇帝までに上り詰めた男。文化芸術に関心を示さず、心は常に戦場にある。最初は料理に興味はなかったが、次第にカレームの料理に魅せられていく。

マリー・グージュ
盲目ながらカレームの右腕。ナポレオン、カレームという二人の異なる帝王の側にいて、彼女にしか見えない目線で物語を語る。

モーリス・ド・タレーラン
ナポレオンの腹心、天才外交官。料理外交を得意とし、ナポレオン帝国の拡大に繋がっていった。カレームの才能を確信し、カレームの名をヨーロッパ中に轟かせ、料理の帝王を生み出し、それを利用し外交を有利に進めた。

https://www.tohostage.com/voicarion/2025spoon/より抜粋


観劇の感想

わたしが観劇した回は、カレーム役細谷佳正さん、ナポレオン役高木渉さん、マリー役沢城みゆきさん、タレーラン役山寺宏一さんでした。全員大好きな声優さんなので、観劇前からとても楽しみでしたが、その期待を遥かに越える、とても素敵なお芝居でした。

高木さんの演じるナポレオンは、とても人間味があり、田舎暮らしの青年だったナポレオンが、英雄と言われるようになり、本来の自分ではなく、国民が期待する英雄ナポレオンでいなければいけないと葛藤している。その葛藤している演技がとても人間味があり魅力的で、ナポレオンに好感を持つことができました。

細谷さんの演じるカレームは、純粋でキラキラしていて、料理を政治の道具に使われてしまっても決して絶望せず、料理を信じ続けている。見ているだけで元気をもらう事のできる演技でした。また、「お腹が空いているから争いが起きてしまう。」という台詞も印象的でした。

沢城さんの演じるマリーは、盲目の女性のため見えていない筈なのに、台詞だけで空間の奥行きを感じることができ、目では見えていないからこそ、本質的なものが見えているような印象を受けました。また、料理の味見をする場面では、本当に美味しそうで、言葉だけでこんなに情景や感情が分かるのかと感動しました。他の演者の方にも感じましたが、特に沢城さんは、演技をしていない時の佇まいもとても美しく、出番で無くなった時、その演者の照明が暗くなるのですが、本当に影に消えていくようで、他の演者の方に目が向くように、一切邪魔をしない立ち振る舞いに感動しました。

山寺さんの演じるタレーランは、とても説得力があり、フランスを愛し、守るために時には裏切る。しかしそれは全てフランスの為で、軸のぶれない演技、説得力は本当に流石だなと思いました。いつまでも聴いていたくなるような心地よさは、オーケストラの音と相まって、音楽の一部となっているようでした。

素晴らしい声優陣に加え、オーケストラの生演奏は、一瞬でその世界観に没入させてくれました。今までミュージカルや舞台などでも、生演奏を聴いたことはありましたが、基本的にオーケストラピット(観客からは見えない舞台と客席の間にあるくぼみのようなスペース)で演奏されているため、今回のように、舞台上で聴くと、よりダイレクトに楽器の音が聴こえ圧巻でした。同じ舞台上ではありましたが、セットの一部となっているような演出がされていたため、決して演技を邪魔することなく、相乗効果でより素晴らしい作品となっていました。



最後に

総勢51名の声優陣とオーケストラの生演奏による、プレミア音楽朗読劇VOICARION〜スプーンの盾〜、何度観ても同じものはなく、行く度に新しい発見のある素晴らしい作品となっています。わたしもまた劇場に足を運びたいと思います。


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