かわいい

わたしは、かわいくなりたかった。
小さい頃から「かわいい」が大好きだった。プリキュアとかアイドルとか。かわいいって親に言われて育ったから、わたし自分が可愛いって思ってた。小学校のころ、AKBがだいすきで自分もなりたいっておもった。言うのは恥ずかしくて言えなかったけど絶対あいどるになりたいって思ってた。1人でいる時、ライブしてるのを想像して歌ったり踊ったりしてありがとう〜!とかいってポーズとってなりきってた。自分のこと可愛いって思えたし、絶対アイドルなれるって思ってた。
中学校までは、本気で可愛いっておもってた。自分のこと。平気で自分かわいいって言ってたし、今になったらよくあの顔で言ってたなっておもう。
高校生になった。私のクラスにはモデル出身のこととんでもなくかわいいこがいた。かわいいって言われなくなった。高校受験に失敗して友達もいなかった。現実を知った。鏡見たらなんか魔法が解けたみたいに、かわいいの自信がなくなった。いままでずっとおもってたから言われなくなってやっと気づいた。その頃もアイドルに憧れてて、そのアイドルの撮影会行った時もかわいくない自分にぜんぶじしんなくした。かわいい服とかツインテールとかがすきで、ぴんくキラキラ〜が大好きだったから、似合わない自分が嫌いになってきた。私が高校生のときに、ちょうど量産型が流行っててやっとひとりできた友達と量産型女子なろ!ってアベイルでやっすい量産型の服買ったり、TikTok撮ったりして遊んだ。田舎の高校生が頑張ってた。メイクもはじめて、動画見てひたすら練習した。かわいいがとにかく欲しかった。ただのかわいいじゃ嫌だった。一目見てかわいい!ってびっくりするほどのかわいさがほしかった。なんで自分がここまでかわいいにこだわりを持ってるのか今でもわかんないけど、とにかわいいが欲しい。わたしは、何をしてもなりたいかわいいにはなれなかった。写真を加工してSNSにあげたり、承認欲求もやばかった。認められたかった。大学でて一人暮らししたら整形しようっておもった。
ここから、おかしくなってた。一人暮らししたら、なんかおかしくなった。 
大学では、仲良い友達が1人もできなかった。1人話せる子はいるけど一緒に遊びにいく中ではないしただのうわべってかんじ。大学生活つまんないなっておもった。そして、すぐバイトを始めた。丸亀製麺でバイトした。お局が怖かった。陰キャだから、友達できなくて、大学生の男が怖くてすぐやめた。でもお金が欲しくて稼がずにいられなくて、整形したくて、メンズエステはじめた。風俗はこわくて、だからメンズエステ始めた。やってみると意外にも辛くなかった。なんなら楽しかった。かわいいっていっぱい言ってもらえた。ほめられた。承認欲求をみたしておぢさんにエロマッサージして、お金もらってた。こんな仕事で楽しいって思う自分気持ち悪い。でも、嬉しかった。わたし、かわいいが一番嬉しい。だから全部信じた。また来るねって言葉も。全部嘘なのに。処女で純粋なわたしは新人期間が終わると、全然お客さんが来ないの不思議だった。コミュ力もないし、そんなかわいくない凡人18歳人気なんて出るわけなかった。
新人期間でためた、お金でわたし初めてエラにボトックスを打った。なんかそれだけで可愛くなれた気がしてルンルンした。痛いのも全然怖くなかった。今思えば全然変化なんてなかったのに。
来月の埋没の予約もした。12万だった。そこからわたしの顔に対する執着が激しくなった。ここが、整形依存のはじまりだ。

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