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自閉症の子どもがかんしゃくを起こすとき① 〜その原因と適切な対応方法〜

こんにちは。私たちは自閉症の子どもを育てながら、日々さまざまな挑戦に向き合っています。その中でも、かんしゃくを起こしてしまう場面は避けて通れないものの一つです。この記事では、自閉症の子どもがかんしゃくを起こす原因と、それに対する対応の工夫について、私たちの経験を交えてお伝えします。


1. 自閉症の子どもがかんしゃくを起こす主な原因

自閉症の子どもは、感情やストレスのコントロールが難しい場面に直面すると、かんしゃくを起こすことがあります。この行動には多くの要因が絡んでおり、以下のような原因が考えられます。

  • 感覚過敏や感覚過負荷
    自閉症の子どもは、音、光、触覚などに対して過剰に敏感なことがあります。例えば、突然の大きな音や強い光、服の素材感など、特定の感覚刺激がストレスの原因となり、かんしゃくに繋がることがあります。

  • コミュニケーションの難しさ
    言葉で自分の感情や欲求を伝えることが難しい子どもは、フラストレーションを溜め込んでしまい、その結果としてかんしゃくを起こすことがあります。「何が嫌なのか」「どうして欲しいのか」が伝えられない状況が大きなストレスとなるのです。

  • 予期しない変化
    自閉症の子どもは、ルーティンや予測可能な環境を好むことが多いです。予定外の出来事や突然の変更があると、安心感を失い、混乱してかんしゃくを起こす場合があります。

  • 疲労や空腹、体調不良
    健康状態が悪いときや、疲れている、空腹を感じているときにストレスが強まり、感情が爆発しやすくなります。これらの身体的な要因がかんしゃくの引き金となることもあります。


2. かんしゃくへの具体的な対策と対応方法

では、かんしゃくを引き起こす原因に対して、どのように対応すれば良いのでしょうか。私たちの経験を基に、いくつかの対応策を紹介します。

  • 感覚過敏に対応するツールを準備する
    もし感覚過敏が原因である場合、ノイズキャンセリングヘッドフォンサングラスなどを用意して、外部からの刺激を和らげる工夫が効果的です。また、子どもが落ち着く特定の触覚や匂いなどを提供することで安心感を与えることもあります。

  • 視覚的サポートを使ってコミュニケーションを補助する
    言葉だけでなく、視覚的にわかりやすい絵カード写真などを使って、子どもが自分の気持ちや欲求を伝えられるようにすると、フラストレーションが軽減されます。子どもが理解しやすい方法でコミュニケーションをサポートすることが重要です。

  • ルーティンを強化し、予測可能な環境を作る
    毎日の生活において、スケジュールやルーティンを明確にすることが、子どもにとって安心感を与えます。もし予定が変更になる場合は、事前に視覚的な方法で知らせ、少しずつ慣らしていくと、かんしゃくの頻度が減ることが多いです。

  • クールダウンスペースを用意する
    子どもがかんしゃくを起こしたときに、すぐに落ち着ける静かなスペースを用意することが大切です。そこにはお気に入りのクッションやおもちゃなど、安心できるアイテムを置き、子どもが自分でクールダウンできる環境を整えましょう。

  • ポジティブな強化と小さな成功を褒める
    落ち着いて自己制御できた瞬間や、かんしゃくを未然に防ぐことができたときには、ポジティブなフィードバックを積極的に行います。小さな成功でも、子どもにとって大きな励みになるため、日々の成長を褒めてあげることが重要です。


3. 親としての心構えと長期的なサポート

かんしゃくが頻繁に起きると、親も疲れてしまうことがありますが、重要なのは子ども自身も混乱し、苦しんでいるという理解です。自閉症の子どもは、自分の感情をうまく表現できず、それがかんしゃくという形で現れていることが多いのです。

私たちが心がけているのは、**「かんしゃくは問題行動ではなく、何かを伝えたいサインである」**と受け止めることです。焦らず、長期的な視点でサポートし続けることで、少しずつ子どもが自己調整能力を身につけていくことが期待できます。


まとめ

自閉症の子どもがかんしゃくを起こす原因はさまざまですが、その根本的な原因を理解し、適切に対応することで、子どもが少しずつ感情をコントロールできるようになります。親としては、柔軟で思いやりのある対応が重要であり、子どもの気持ちに寄り添いながらサポートする姿勢が大切です。これからも、私たちの経験を通じて、皆さんとこのテーマについて共有していきたいと思います。

次の投稿では特にわが子の特徴(コミュニケーションが難しいやりたかったことへのこだわりがつよい)に焦点をあてて投稿します。

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