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誰かの心を動かせれば(アニマルジャンプ)



ゲームのルール

最近のボードゲームのルールブックは、図解やFAQが充実していて、ルールを間違わずに遊べるように設計されています。
デザイナーの意図もまんべんなく表されています。ゲームが壊れないよう、序盤で得点差が付きすぎないようになっていたり、単調にならないよう副次的な細かいルールのサプライズもはいっております。

ルールが間違って遊ばれた場合、1人だけ手番で何も出来なかったり、あるいはルールを見逃してゲーム中起こるサプライズがないまま未消化で終わったりするので、ルール通り遊ぶことは重要です。

2,3時間かかるゲームに至っては、正しいルールで遊ぶことは、「遊び」であるより先に勝敗すら関係なく、共同で「やりとげた!」という達成感があります。それは面白いことだし、そんなゲームを毎週自分も好きで遊んでいます

でも…と少し考えて立ち止まります。
「遊び」とはデザイナーの思惑に従ったものなのかと。
ルールを間違って遊ぶのが✖で。ルール通りに遊ぶのが〇なのかと。

お手製のルール

思い出すのは、「チャオチャオ」というゲームで日本語版がまだない頃のことです。輸入販売している木のおもちゃ屋さんで売られていました。

今から考えてみると簡単なゲームですが、その頃はゲームのルールなど全く読みなれておらず、間違ったルールのまま甥っ子や姪っ子とクリスマスに遊びました。でもあの頃の楽しかった思い出です。
輸入代理店がお手製で作ったルールのおしまいにはこう書かれていました。

「遊びのルールは一つではありません。
遊ぶ人それぞれが想像力豊かに遊びをうみ出しましょう」

その言葉は今でも深く刻み込まれています。
今ではただゲームを遊ぶだけでなく、ゲームマーケットに出展してゲームを作る側にもなりました。そして、ゲームを作るようになった今、再びあのルールに書かれていた言葉を思い返すのです。
そんな思いで作ったゲームが「アニマルジャンプ」です。文字や数字、アイコンを意図的に排除し、プレイヤーが、想像力を豊かに広げられる世界をめざしました。

「アニマルジャンプ」は、9月21日(土)・22日(日)の京都ゲームマーケット2024で先行販売します。このゲームが、私にとっての「チャオチャオ」のように、誰かの心を動かすものになれたら、本当に嬉しいです。

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