小学生時代 3

そんな5年生の生活の中でも、自分でも引いてしまう事件がある。

夏休み前、すでに腐っていた僕は、同じ様な空気を漂わせている人間を目利きし、仲間に誘う。
媚びへつらう奴らが主流になりつつあるクラスに対し反旗を翻す、いや翻しはしないが、とりあえず反旗を持つ仲間を作った。
反乱の初陣は〝夏休みの宿題全無視〟だ。
「やらんとこうぜ」「当たり前や」「殴りたければ殴れ誰がやるか」と決起集会は大いに盛り上がった。
夏休み期間、遊び呆けた。とんでもない開放感。

そして9月1日。教壇の上に宿題を提出しなければならないが、当然僕は無視。
しかし
あれほど結束していたはずの仲間が次々と宿題を教壇に置いている。
「うそやろ」
申し訳なさそうな仲間達。

スパルタ教師は集めた宿題の山を一旦、教師用ロッカーの上に置き授業を始めた。

(いやいや、待って 宿題出してないの俺だけやん)

恐怖が襲ってきた。と同時に哀しくなって
泣きそうになってしまう。

一矢報いたい。
最後のチャンスに賭けるしかない。

休み時間、次は体育館での合同集会
皆が教室を離れるまで僕はカーテンの裏側に身を隠した。

誰もいなくなった。ロッカーの上にある宿題の山を僕は全て抱えて走った。

焼却炉。
40人分の宿題を跡形もなく燃やすのに3分もかからなかった。

後日、スパルタ教師が皆に謝罪した。
「すまない 皆の宿題を先生無くした。ごめん!」

勝ったぜ。

横目で仲間を見ると目が合った。
ふふふと笑ってやった。

あの頃一番ダークサイドに堕ちていたとおもう。
マジで頭おかしかったと思う。

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