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踏切


 2カ月ほど前に29歳になった。焦っている!かなり漠然と焦っている。

 この年齢になるまで、いろんな人の支えを受けながら、目指していた学校に入れて、なりたかった職業に就けて、気に入った部屋に住めてきた。ここまでかなりなめらかな人生だったと思う。

 それだけにふと心配になることがある。とりこぼしてきたもの、通ってこなかった道、見てこなかった世界に、もっとのめりこめるもの、眠れる才能が花開くようなものがあったかもしれないんじゃないのか。

 その不安と同時に、その気になりゃあいつでもとりにいけるという謎の自信もあった。何かを始めるのに、遅いなんてことはない。大学の先生も、そうやって色紙に書いてくれてたし。なつかし。元気かな。

 でも、その気になんてならないまま十の位が変わろうとしている。学生の頃は朝まで飲んでいても平気だったのに、今や350ml缶2本で次の日頭が痛くなる。しかもその日のうちに回復しきらないことすらある。Tゾーンはテカるのにほっぺはつっぱる。6〜7年お世話になってる美容師さんに「髪が弱ってくせ毛がなおってきましたね!」と微笑まれる。彼氏いるの?じゃなくて、結婚してるの?って聞かれる。わーお、これがセルライトかあ。あともうこれニキビじゃなくて吹き出物なんだって。

 年齢なんてただの数字だって思っている。でも身体は着実に変化していく。今しかできないこと、あの頃までしかできなかったことというのは増えていくんだと思う。いくつになっても好きは貫きたいけど、年甲斐もなく、、とは叩かれたくない。

 20代のうちにしておいたほうがいいことってなんだろう。その一つとして、今日は膝上丈のスカートを履いた。いつかもっと履いときゃよかったって思うかもしれないしね。タイツは80デニールにしたもん、いいよね。ほんとはいくつになっても履きたきゃ履けばいいんだろうけど!そこまでの度胸もミニスカ愛もないおばちゃんになりそうだから、今のうちに。

 体育くんのライブは、いくつになっても行きたいな。20代のうちに出会えておけてよかったな。帰りの特急から。

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