【企業経営理論#34】機能別組織

機能別組織

今回は、” 機能別組織 ”についてです。

機能別組織とは、組織をマーケティング、生産、財務など、業務内容や機能別に部門を分けて構成する組織構造です。

同じような仕事をする人が同じ部門に所属するため、専門性を高め、効率的な組織運営を行うことができます。

機能別組織のイメージ

機能別組織のメリット

• 専門性向上：
  各部門が特定の機能に特化することで、専門知識やスキルを深め、質の高い仕事をすることができる。

• 効率性向上：
  同じ機能の担当者が集まることで、業務の効率化や標準化が進み、無駄を削減できる。
  上位者は定常業務の意思決定権を下位層に委譲することで、重要な意思決定に専念できる。

• 規模の経済：
  資源を集中的に投入することで、規模の経済を活かし、コスト削減を図ることができます。

• 人材育成：
  特定の分野に特化した人材を育成できる。

• 管理のしやすさ：
  階層構造が明確で、 管理や統制がしやすい。

機能別組織のデメリット

• 部門間連携不足：
  部門が独立しがちで、部門間の連携や協働が不足する可能性がある。

• 全体最適：
  部門ごとの目標を優先し、全体最適の視点が失われやすい。

• 柔軟性不足：
  環境変化や新規ビジネスに対応する柔軟性に欠ける可能性がある。

• セクショナリズム：
  部門の利害を優先し、他部門との協力を軽視するセクショナリズムが発生しやすい。

• コミュニケーション：
  部門間のコミュニケーションが不足し、情報共有が円滑に行われない可能性がある。

機能別組織が適している企業・組織

• 安定した環境：
  事業環境が安定しており、急激な変化が少ない。
  将来の予測が比較的容易な事業を行っている場合。

• 単一事業：
  単一の製品やサービスを提供している。
  事業が少ないほど、部門間の協働が容易になる。

• 規模が小さい企業：
  中小企業など、規模が小さい企業は組織構造がシンプルな方が管理しやすい。

• 専門性：
  ハイレベルの専門性が要求される事業を行っている企業。

まとめ

今回は、機能別組織についてまとめました。
機能別組織は、専門性を高め、効率的な組織運営を行うことができる組織構造です。

しかし、部門間連携や柔軟性などの課題も存在するため、 自社の事業や環境に適しているかどうかを慎重に判断する必要があります。

次回は、事業部制組織についてです。