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血圧管理における脈圧って何?

脈圧とは:
心臓が収縮する際に血圧が最高値に達し、拡張する際に最低値に達することを指します。具体的には、収縮期血圧(最高血圧)と拡張期血圧(最低血圧)の差を示す指標です。健康な成人の脈圧は通常40〜60mmHg程度です。

脈圧は循環器系においても重要な指標の一つです。その重要性は以下の点にあります:

  1. 心血管リスクの予測: 脈圧が高いと、心血管疾患や脳卒中などの重篤な病気のリスクが高まる可能性があります。脈圧は高血圧の一指標としても使われ、高い脈圧は循環系の問題を示す警告サインとなります。

  2. 血管の健康状態の指標: 脈圧は、血管の柔軟性や弾力性を反映します。正常な脈圧は、健康な血管の状態を示し、高い脈圧は血管の硬化や損傷を示唆します。

  3. 潜在的な疾患の早期発見: 脈圧の変化は、循環系の問題や他の健康問題の兆候として機能することがあります。定期的な脈圧のモニタリングは、潜在的な問題を早期に発見し、適切な治療や管理を行うための重要な手段です。

透析患者の脈圧変動は起きやすい環境:

透析患者は腎臓機能が低下しており、体内の余分な水分や老廃物を除去するために透析療法を受けています。透析中に大量の水分や老廃物が除去されると、血圧や脈圧に変動が生じることがあります。

特に、透析中に急激に体内の水分が除去されると、低血圧やめまいなどの症状が現れることがあります。また、透析前後の体重の変化や尿量の変化も脈圧に影響を与える要因となります。

そのため、透析患者の血圧管理は収縮期圧と拡張期圧だけでなく、脈圧変動も注意深い観察が必要です。大幅な体重増加時の除水は血圧下がることだけが重要ではなく、脈圧変動も心血管系リスクに影響あることから注意が必要です。透析療法の調整が必要な場合には、適切な措置を講じることが必要です。

総じて、脈圧の適切な管理とモニタリングは、心血管系の健康を維持し、適正な透析療法を維持するための重要な生体管理と言えます。


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