『花火』

音が大きい。うるさい。
そう思ってしまう自分自身がすごく悲しい。
花火は嫌いではない。しかし花火大会が苦手である。
人混みがそもそも苦手だし、上がる時の「ドンッ」という破裂音が嫌で、小さい頃からあまり得意ではなかった。
...そう書いていたら、急に行きたくなってきた。意外である。
『花火』というテーマを見て『苦手』というイメージを思い、どう悪口を書いてやろうかと思ったが、急にあの破裂音を浴びたいと思った。
そして打ち上がる前の「ヒュ〜」という間抜けな音ともに、その場にいる全員が一斉に上空を見上げる様を、見たい。
『自分』という人間は確かにここに居るが、それは大多数の人間の中にいるただのちっぽけな一人だということを思い、感じたい。
「人は成長するものだな」と思いながら、
私は東京という、花火とは違う煩い街を歩いている。

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