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初めてのnote!「己との闘い」〜3度目の膝の大怪我〜

初めまして。
ヴィアティン三重に所属しています。木戸皓貴です!

先日公式リリースされましたが今回自身3度目の前十字靭帯損傷をし、手術することになり長期離脱すことになりました。
「またかよ」、「終わったな」と思う方も少なくないと思います。
そこは痛いくらい自分自身が一番理解してるし感じてます。
スポーツしてる方は分かる思います。
アスリートは体が商売道具です。怪我することは致命的でネガティブな印象で膝の怪我はその中でも結構いかつい部類に入ると自負しています。
このタイミングで今までの心境と、今の心境を自分なりに書いてみることにしました。
多くの方に読んでもらいたいです。

20代最初に1回目、20代最後に3回目。

前十字靭帯損傷の怪我と出会ったのが約10年前の夏(20代最初の年)でした。大学2年で右膝を負傷したのが始まりです。その時の激痛は今でも思い出したくないほどの痛みでした。正直最初の前十字の時は膝の怪我自体が初めてだったのでリハビリの辛さ、苦しさ、もどかしさのイメージは全く出来ませんでした。でもいざ手術してリハビリを開始したら自分のイメージとはかけ離れていて凄くもどかしく我慢の日々が続いたのを覚えています。地味で、本当に意味あんのかな?と思うレベルのリハビリから筋力が中々戻らない自分への苛立ちが、気づくと焦りに代わりその気持ちが体にリンクして前に進んでないような感覚が続いたのを今でも鮮明に覚えています。
やっとの思いで復帰して個人もチームもここからというタイミングで1年前と同じ大会で逆膝の前十字靭帯を損傷しました。さすがの2回目はメンタル的に堪えました。色んなネガティブな感情が頭を過りました。またあの日々が来る恐ろしさ、そしてプロになれるのかという不安。次復帰したとしても4年生の夏。サッカー自体やめようとしていました。当時の大学のコーチとの電話で「お前はここで終わる選手ではない、辛いけどまた戻ってくると信じてる」と言って頂き、そして同期の存在、支えでまた復帰してプロサッカー選手になりたいという強い気持ちに変わりました。そんな中始まった2回目のリハビリ。ある程度のリハビリの内容、膝の感覚などは理解してのスタートだったので1回目の入りよりかは気持ち的には楽でした。でも2回目は本当に焦りが先行したリハビリだったのを覚えています。学年も3年生から4年生になるタイミング。同期は就活やJリーグの練習参加など大学生の最終段階まで来ている中、自分はキャプテンでピッチに立てない。チームも苦しんでるのに何もできないもどかしさ、悔しさが毎日、毎週のようにやってきていました。そんな気持ちが焦りになっていました。でも焦りが悪いとはその時は全く思ってませんし、むしろ焦らないとと思ってました。このちょっとした我慢が本当に後に響くのがリハビリの恐ろしさです。復帰しても今回はコンディションが中々上がらない。その理由が膝が抜ける感じが続き、テーピングに頼りすぎて体の可動域が出にくいし100%走る事が出来なかったです。その感覚が続きまた少し離脱する事になりました。そんな凸凹道を進んでる中でアビスパ福岡と契約する事が出来ました。2回も大怪我した選手を拾ってくれて本当に感謝しかないです。正直いつ壊れるか分からない選手を大切に扱ってくれた事が本当に嬉しかったです。

そして今回の3回目。まず最初に頭を過ぎるのが引退の2文字。遂に来たかと思いましたが逆にまだ29歳だなとも思いました。あと1年遅っかたらおそらく引退も考えました。でも今のチームもそうだけど今までいたチームも30歳を超えたベテラン選手の存在が大きかったです。この人たちのとてつもないパワー、言葉の重み、行動一つ一つが自分の原動力になり奮い立たせてくれたから引退では無くまだ復帰したいと思わせてくれました。そして家族の存在。家に帰ったら最高の笑顔で迎えてくれる息子。これでもかってくらい口周りを舐めてくる愛犬。今日の練習の話、しょうもない話でもワンテンポ遅いけど聞いてくれる奥さん。この存在がとてつもなく大きく、またプレーしてる姿を見せたいと素直に思いました。
そして最後にも書きますがファン、サポーターの存在も変わらないくらい大きくて心強いです。
だからこそ今回は1,2回目より周りの方達のパワーがもう一度ピッチへ戻りたいと決断させてくれました。

怖さ、痛みとの闘い

膝の怪我もそうですけど、どの怪我をしても復帰したばかりは怖さ、違和感が完璧に抜けにくいと思います。再発、他の部位の怪我をするリスクが上がるし、違和感や不安が付き纏います。
そんな中膝をオペした後のリハビリ、練習復帰、試合復帰という段階でスムーズに行くことは中々難しく色んな障壁が押し寄せてきます。その壁を少しずつ越えることが復帰へ近づき、不安を少しずつ解消してくれます。
僕は試合前とか、寝る前に頭に受傷シーンが結構フラッシュバックしてました。
それが怖さに変わり100%パワーを出せないもどかしさ、局面で頭でブレーキをかけてしまう事が悔しくて葛藤が続いてました。特に無理をしないといけないポジションでもありそこで勝負が決まるのも分かるからこそのもどかしさ、葛藤との戦いです。でもそれを言い訳にしたくないし相手に弱い部分を見せれないのも事実です。その怖さが相手との接触を避けるようになりました。でも逆にこの怪我で元々のプレースタイルから大きく変わりました。接触しないでどうゴール前までいくかとか、相手の立ち位置、とにかく相手を見るようになりました。これは初めて怪我した時にピッチ外から試合を見るようになり、イメージをする事で実際に復帰してからは体は中々付いてこないけど頭は動いてくれました。自分だったらこうする、ここで受けれたらチャンスになる、ここだと相手に捕まりにくい。みたいなツボを探しまくってました。その時に初めてイメージトレーニングの大切さを痛感しましたし、実感しました。サッカーを観る、イメージで上手くなると感じました。
膝の怖さがあったからプレースタイルも変えれたし、色んな発見が生まれ今振り返ると凄くポジティブに変換できてるなと思います。ここは人それぞれだと思いますが、これだけ長いリハビリだと何かを変えるチャンスでもあると思ってます。


ファン、サポーターへ

最後にどんな時も選手を後押ししてくれるサポーター。どのクラブでもその素晴らしさに深く感銘を受けました。特に今年はヴィアティンに加入してヴィアティンサポの気持ちが本当に伝わり、何度も気持ち的に助けられました。
アウェイ大分戦のあと空港でサポーターの何人かの方と一緒になり、そこで選手より疲れ果てたサポーターの姿を見ました。貴重な週末を遠い地でも当たり前ではないけど当たり前のように駆けつけてくれるサポーター。自分らこの人たちの為にもっと体張って、歯食いしばって練習、そして試合ももっと戦わないといけないなと改めて感じさせてくれました。試合終わりのバスのお見送りの際に1人1人に話かけてくれるコールリーダーや試合に出てない時もタオルや横断幕を掲げてくれるサポーターがいてくれるおかげで腐らず頑張れる源になってます。それは僕だけではないと思います。常に選手思いで、前向きな声掛けをしてくれるサポーターにいつも胸を打たれてました。先日のリリースの後のスタジアムで自分のチャントを歌ってくれた時、復帰してまた聞きたいなと感じました。昇格する難しさ、厳しさは理解してます。だからこそサポーターの声援、後押しは確実に力になるし原動力になります。そして苦しい時も自分のタオルを掲げてくれたり辛抱強く応援してくれるファン、サポーターが1人でもいる限り、また復帰してプレーを見せたいと感じています。なので少し離れますが忘れずに待っててください。確実にパワーアップして戻ります。



そして23日からリーグ再開します。
まだまだ暑いですがそれよりも熱いプレーで1試合1試合戦ってくれると信じてます。
そして今年三重にJクラブが誕生すると信じて自分も応援します。

最後まで読んでくれた方ありがとうございました。
途中まで読んでくれた方もありがとうございました。



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