![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/157951641/rectangle_large_type_2_f9951a331091605baa26195a827336fb.jpeg?width=1200)
フィンランドの大学院に進学するまでの話
はじめに
長いので斜め読みぐらいがちょうどいいと思います。
約に立つ経験談というよりかは反面教師にしてもらえると。ちょうど出願が始まりつつある時期だったので今このタイトルで記事を書いています。テスト前やけど。
追記:これ書き終わって思ったけどmotivation letterのこともっと重視して書いたほうがよかったのかも!? どちらかというと留学に至るまでの思考を書いているのでちょっと時期遅いかもしれない(後悔)という感じの内容です。
もう一度簡単に自己紹介しておくと、
2024年3月に京都大学農学部 森林科学科を卒業し、同年9月からアールト大学の修士課程 Creative Sustainability (Technology) に進学しています。専攻は一応木材を中心とした材料化学あたりになります。なぜ一応になるのかは後程。
欧州、しかもフィンランドの大学院に進学した人は米国やイギリスと比べると圧倒的に少ないです。留学はいかに情報を集めるかが鍵になってくると思います。この記事が一端を担うことが出来ていれば本望です。
また、大学院進学に際して非常に多くの助けを借りてきました。
支えてくださった全ての方々へ、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
後に本稿中でも記載があると思いますが、留学時に必要な情報発信や海外大学院生・卒業生・志望者を繋ぐコミュニティを運営している団体・XPLANEには留学前から現在も大変お世話になっています。留学を考えている方は一度HPのチェックをおすすめします。
また本文中に掲載しているスライド画像は以前米国大学院学生会さんが主催していた留学説明会で講演させていただいたときに作成したスライドを使いまわしています。
![](https://assets.st-note.com/img/1728910851-q8HDJTsAUfdKe6Bgml3IvWrt.jpg?width=1200)
出願に至るまでの思考
なぜ修士号を取るために日本を出たのか、それを端的に表すと自分に自信がなかったからになると思います。
大学3年生から本格的に就職を考えるようになりましたが、自分が行きたい分野もやりたいことも得意なことも見つけられないまま就活をすることに不安を覚え、さらにこのまま研究職でやっていく自身も覚悟もなくどうすればいいか途方に暮れていました。元々京大の修士課程まで進学する予定だったのでインターンにも全く参加しておらず、かといってM1になった自分がまとまった思考を持って就活に挑んでいるとは考えられなかった。
というのと、大学で一人暮らしをしていたのでバイト代で生活費を賄っていたので物価高を強く実感するようになりました。将来ちゃんと稼げる職に就かないと生きていけないんじゃないかという焦りも生じ、仕事の選択肢を増やせるように努力しようと思い始めたのがB3の冬頃です。
留学に興味はあったので、高校生~浪人期は「大学に入ったら交換留学でどっか行こう~」と考えていました。ところが入学した2020年はちょうどコロナが流行した年で、B1のときは一度もキャンパスで授業を受けたことがない!みたいな状態で、交換留学なんて無理だろうと完全に諦めて家でだらだら過ごしていた記憶があります。ですが徐々に生活も元に戻り卒業というゴールが明確に見えてきたころ、やっぱり修士までの間に外に出てみたいと改めて思うようになったので少しずつ留学のことを調べるようになりました。違う環境に身を置くのも大事なことだな~程度でしたが。
![](https://assets.st-note.com/img/1728908780-P7NpDavtHW19iFQz0V4Y5Tyk.jpg?width=1200)
というわけで当初は交換留学を考えていました。それもドイツかイギリスあたり。大学も多いし歴史も長い国なので興味があった。というわけでB3の冬頃に4年生から所属する研究室の先生方に「留学考えてます」と相談しにいったのですが前例がないとのお達しを受けます。さらに修士で一年留学に行くとしたらその分卒業も遅れると。
もはやビハインドは取らざるを得ないとの覚悟の上でしたが、行くならいっそ二年間みっちり海外に出たほうが良いのではないか、自分の今後の可能性を増やすという点において海外の修士号は一つその役目を果たしてくれる肩書なのではないか、などと考えていくうちに正規留学が明確化されたように思います。
これは私の反省ですが、大学にいるうちに何か一つでも打ち込めるものを見つけて将来何がしたいのかを分析するべきだったと思います。学生の本分である勉強も大して力を入れていなかったので一体自分は何を学んできたんだ、という感じで日々後悔しています。まあそれも色々理由があったと言えばそうなのですが、それはまた今度。
というわけで学部時代の成績はあまりよくなかったです。が、正規留学をするならこの成績表で合格するわけがない!と思って、留学すらまだ確定させる前でしたがB4の前期で「成績が悪かった授業を取り直してGPA書き換え祭り」を勝手に開催、30単位の授業を真面目に取りながら研究してバイトして留学準備をする、みたいな地獄を見ました。完全に自業自得です。
海外大学院進学を決定・志望校を選定
という流れで正規留学を真剣に考え始めたものの、世界に大学は山ほどあります。一体どこに行けばいいのか…と考えあぐねてとりあえず交換留学で行こうとしていたドイツやイギリスの大学を中心に調べていました。ドイツは大学院の学費が無料、イギリスは修士1年間というのがそれぞれ魅力だったので。学部時代の専門が森林科学の中でもセルロースを主役とした材料化学・有機化学だったのでその辺が勉強できる修士課程のコースはないかと思って探していましたが、なかなかヒットしませんでした。もっと広い、理学部チックな化学やBiochemistryなどのコースはたくさんあるのですが、そもそも自分は研究者になりたいのか?と。コースと自分の興味にずっと乖離があったので一向に探すべき情報も定まらないままでした。
一旦、興味の方向性を整理することにしました。例えば研究をこのまま続けたいのであれば分野について深く勉強してきたのは当然で、その過程でどうしても解決したい疑問がある/もっと深く勉強したい、この人の元で研究したい/その分野が強い大学に行きたい というモチベーションだと思うのです。けれども先述した通り私は不真面目な学生だったのでそもそも分野知識は乏しく、かつ勉強のモチベーションは「研究蓄積が実用化されるまでのプロセス」にありました。自分の限界も分かってきたところだったので、それなら方向転換してもっと広い視野を持てるようになったほうがいいなと。また、国によって修士課程のシステムは様々です。日本のようにがっつり研究を行うところもあれば、ヨーロッパの修士は俗に学部の延長と言われ基本は講義メインになります。研究分野以外にも興味があるのであれば、ヨーロッパ圏のほうが向いていそうだなと思いました。
という変遷を経て「学部での専門知識と併せて他分野の知見を身に着けられるような環境」というフィルターでヨーロッパの修士課程を探すことになりました。後に記述することにはなりますが海外大学院ではバックグラウンドと志望先コースのつながりを特に重視されると言われています。そういった意味でも、思いっきり専攻を変えてしまうのではなくて分野融合のようなプログラムを選ぶほうが賢明だと思ったのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1728908832-eYM1U4tDhfGWHdq5TRZ7F9NP.jpg?width=1200)
もう一つ、プログラム名から行きたいコースを絞るというのは心許ないような気がしました。コースや開講授業について調べるのは当然ですが、その辺りは書き手の裁量によるものですし、いくらそのキャッチコピーを魅力に感じたとしても実際に入ってみれば聞いていた話と違う!みたいなことは大いにあり得そうです。
やはりその大学の色を見るには論文だと思いました。どんな研究をしているのか、どんな人が研究しているのか、その研究は自分の興味をそそるのか、それを判断できる材料であることに間違いないです。よって自分の研究分野で有名なジャーナルの最新刊から数号アクセスし、全ての論文のタイトル・アブストに目を通して面白いな、と思った論文を保存・その大学をリスト化していきました。なかなか骨の折れる作業だった。そのあと保存した論文を一読してさらにふるいにかけていきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1728908849-32pDYRxkjw8n7vlJQcSKHX6M.jpg?width=1200)
最後に、この過程を経てリストに残った大学のHPでコースを探していきます。「学部での専門知識と併せて他分野の知見を身に着けられるような」プログラムを英語で開講している大学を見つけたら、そのコースを担当している教授の論文にアクセスして再び研究が自分に刺さるかをチェックしていきます。というのも、大学をリストアップしていた過程で読んだ論文が必ずしもコース担当の教授が書いたものとは限らないからです。念には念を、という感じでした。
実はコース探しをしている途中、自分の専門であるBiomaterial関連のコースも少し探していました。環境変えてみたら意外とハマったりするのではないかという浅はかな考えの元ではありますが、それでも面白そうだな~と思うコースはいくつかありました。
![](https://assets.st-note.com/img/1728908867-ui7UnTFtkrJSWopHYbawzLly.jpg?width=1200)
結果、志望校はおおよそ4つに絞られました。
・フィンランド アールト大学
・スウェーデン/デンマーク スウェーデン王立工科大学(KTH)/デンマーク工科大学(DTU) (double degree)
・ドイツ ミュンヘン工科大学(TUM)
・スイス ベルン大学
実際にヨーロッパに行って教授に会った話
これだけ考えてもなお、正規留学は迷っていました。というのも「そもそもヨーロッパに行ったことすら無いのになぜヨーロッパで勉強したいと言い切れるんだ」「どうしてわざわざ日本を出てまで修士号を取りたいと思うのか」という疑念が頭から離れなかったからです。さらに学部生だったのでこれといった研究実績や留学経験、ましてPublishなんて一つもない状態で海外大なんて本当に行けるのか?という不安もありました。これに関しては自分で悩んでもどうしようもないと思ってとにかく留学を経験した方に話を聞きに行きました。特に理系、さらに修士以上で交換留学に行く人はごくわずかです。少しでも「あの人留学していたらしい」という噂を聞きつければどうにかしてその人にコンタクトを取って話を聞かせてください!とお願いしに行っていました。冒頭で紹介したXPLANEにはSlackのコミュニティがあり、そこでも多くの海外大進学した方とつながることが出来ます。「材料関係が専攻で、ヨーロッパに行きたい」みたいな投稿や質問をしてリアクションをくださった方ともDMしたりZoom繋いでもらったり….本当に感謝です。
それでもやはり、行ったことがない国に行きたいというのは自分の中で筋が通りませんでした。
というわけで7月ごろ、半ば勢いで航空券を取りました。8月末に京大の院試を控えていたので出発は9月、そこから一か月間ヨーロッパを堪能してやろうと決めて、終了。そこからは院試勉強が忙しくて正直旅行のことは一切考えられず、ホテルさえまともに取らずに8月が終わりました。そこでようやく、志望校の中でも特に魅力を感じていたアールト大学の教授にコンタクトを取ります。「このコースにとても興味があって、どうしても進学したいと思っているから一度話をさせてほしい」みたいな内容で、もちろん失礼の無いようめちゃくちゃ丁寧に書きました。
9/4に渡航、フランクフルト着。そこから乗り換えて一週間フィンランドを旅しました。教授からのメール返信がなくともフィンランドには一度行ってみたい!と思っていたので。思う存分観光して、再びドイツに戻る。
結局教授から返信こなかったな~まあギリギリにメール送った自分が悪いか~と思っていました。それはフィンランドを出て3日ぐらい、ドイツのニュルンベルクという街を観光していたころです。古い町並みを探索し終えてホテルでゴロゴロしていたとき、携帯にメールが届きました。
「返事が遅くてごめんね、新学期が始まったばかりで忙しかったんだ。興味があるならいつでも来ていいよ!」という旨で、教授からでした。やば、帰ってきたばっかだけどせっかくのチャンスだし….と思って9月終盤のフィンランド行きの航空券を慌てて抑えることに。もちろんLCCです。
フランクフルトを日本からのメインゲートにしたのは、ドイツには知り合いの日本人がいたり、XPLANE関係でつながったドイツの大学院に正規留学されている方と会う約束をしていたりと色んな予定があったからです。たまたまその時期に、高/大の同級生がドイツに交換留学に来ていたのでその子にも会いに行ったのですが、その友達が彼女のチューター(交換留学生をサポートする現地正規学生)に私のことを話してくれていたらしく、「チューターがよければ会おうって言ってくれているから、この日三人で一緒に会わない?」と言ってその方と繋げてくれました。後々このチューターが命の恩人となります。そんなこんなで旅行中にも結構人脈を広げていきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1728909119-vrhIA4XjfaLGBHNF3Cs2YMbO.jpg?width=1200)
9月下旬、再びフィンランドへ。無事アールト大学に到着し、教授にお会いすることが出来ました。開口一番、「修士に入りたいからってわざわざ遠い日本からフィンランドまで来る人はいないよ!」って笑われました。それはそう。さらに、「君はFibre and Polymer Engineering(コース名、今はBioproducts Engineeringという名前に変わっています)に入りたいってメールに書いてたけど、僕はそのコースじゃないよ?隣のコースだ、似てるけどね」という衝撃的な事実を明かされます。え、教授の研究グループのHPにはそう書いてあったんだが…?とめっちゃ焦りました。終わってから確認しても間違ってはなかったのでまあいいか~って感じですが。謎です。ただこの教授が教えてくださった「隣のコース」がまさかの今の所属プログラムになります。志望コースとは違うかもしれないけど一応説明しようか?と言われてお願いします!と頼んだところ、その内容がまさに探し求めていたものでこれだ~~~!となりました。そこから自分の興味関心についてアピールしたり、コースへの質問をできる限りたくさんしたり、そのあと研究施設を紹介してもらえたりしました。みっちり三時間、もはや「どうしてもこのコースに入りたいんです!」と直談判に近かったような気がします。
![](https://assets.st-note.com/img/1728909306-mDpZlIuyvtL54e7xXMCQRVo0.jpg?width=1200)
というような盛沢山ヨーロッパ一人旅を一か月間してきました。親にも援助していただいたのですが、これまで車校代~と思って必死にバイトして結構な額貯めてきたお金がすべてこれで消えます(帰国後地獄を見ます)。おかげで今も私は無免許です。はよ取りたい。
ヨーロッパ到着直後は治安も怖いしだったので多少のお金を犠牲にしてでも安全なホテルを選ぶようにしていたのですがそんな余裕もなくなり、途中からその地域で一番安い宿に泊まるツアーと化しました。一泊2000円台?のユースも泊まりました。危ない目にあったことはなかったですが、出来れば次はもう少しいいホテルがいいです。あと宿泊費を削ろうとリガ空港(ラトビア)で夜を明かしたこともあります。保安検査場の中とは言え誰もいない真っ暗な空間だったので結構怖かった。全くおすすめしないです。ネタとかじゃなくて。旅行予定の方は出来る限り安全な手段を選択したほうがいいです。
またこれは余談ですが、帰国後研究室の助教に「アールト大学行ってきました~」と報告したらその大学に知り合いがいるとこちらも衝撃的な事実を明かされます。夏頃は志望校が定まらなくて先生方への情報アップデートが全く追いついておらず、渡航前も「一か月ヨーロッパ行ってきます!ホテル取ってません!」ぐらいしか言葉を残していかなかったので完全に報連相を怠った自分の落ち度なのですが、奇跡的に助教の知り合いの研究員の方が秋に日本で開催される国際学会に参加しに来るとのことだったので京大で一瞬お会いすることが出来ました。その時に「研究ファンド次第だけどアールトに来れたら君をリサーチアシスタントとして雇うよ」というとんでもないお話を頂くことが出来、今実際に彼の研究グループで働くことが出来ています。
出願しました
ヨーロッパの修士ならどの大学も出願時に提出する書類に大差はない(もちろん専攻分野によりけりですが)と思うので、アールト大学を軸に話を進めていきます。昨年度提出した出願書類は以下の通りです。ぱっと見た感じ今年度は出願書類がやや変更されてそうなのでご注意ください。
・卒業見込み証明書
・成績証明書
・推薦書
・パスポートのコピー
・英語のスコア証明書
・Motivation letter
・CV
北欧は出願開始時期が大体秋で締め切りが年明け。だったのでアールトとKTH/DTUのプログラムへの出願準備を優先して進めていくことになります。
特に苦労したのはMotivation letterと英語のスコアです。英語のスコアに関しては足切り点が設けられています。私の所属コースはボーダーが6.5でした。
Motivation letterはアメリカなどではSoP(Statement of Purpose)と呼ばれるものになります。XPLANEでも内容について詳しく記載されているのでご覧ください。
内容としては「どうして私がこのコースに入りたいのか」、言い換えれば大学側が「どうしてこの生徒を入れなければならないのか」をアピールする場です。大雑把に言うと
将来の大きな目標>それを達成するためにこのコースに入りたい>私のバックグラウンドは〇〇だからそれを活かします
のような流れです。要は今までの経験~志望コース~将来までの一貫性を重要視されます。中には学部時代と専攻を変えて挑む人もいますが、もちろんその分アピールの仕方を存分に工夫する必要がある。無理ではないけど難しい。
私はXPLANEが実施している「SoP執筆支援プログラム」で留学経験者のサポートを受けながら一から執筆し始めました。9月ごろからだったと思います。イメージを書いて添削してもらってを繰り返して、下書きがようやく11月ごろに完成しました。それを今度は色んな人に見てほしいですとお願いして添削していただきました。先生方のみならず、留学経験のある友人・先輩方にもお願いして内容をブラッシュアップしていきます。そのときドイツ旅行中に会った友人のチューターにも添削をお願いしたのですが、この方が本当に優しくて結局1か月ほどずっとやり取りして内容を見ていただいていました。正直この人に会えていなかったら合格は絶対にできなかっただろうな、というぐらい。人の縁って本当に大事です。そして1月初め、なんとか締め切り直前にMotivation letterが完成します。
*Motivation letterの書き方についてまとめるかは思案中です。もしかしたら別であげるかもしれないし、あげないかもしれない。
![](https://assets.st-note.com/img/1728909408-SiL02A9zybnouVxCgfkK1P3m.jpg?width=1200)
IELTSに関しては本当に点が伸びず、というか勉強のモチベーションがいまいち継続できず計4回受験する羽目になります。財源はもちろん自分のバイト代。確か点数の変遷は5.5→6.0→6.0→6.5だったと思いますが、この6.5がようやく取れたのは12月中旬です。ちなみにアールトの出願〆が1/9?とかだったのでもはや博打です。良い子はマネしちゃだめです。
これも当たり前のことですが、すぐに発行できる書類はすぐに発行したほうがいいです。後でまとめて…なんて考えていると痛い目を見ます。私みたいに。
![](https://assets.st-note.com/img/1728909490-zGdWwpfbMxC3lh5ATKOEB6it.jpg?width=1200)
合格・進学先大学の決定、金銭面について
そんなこんなで北欧への出願を終えます。ちなみにドイツのTUMは出願が4月から開始、スイスのベルン大学は出願締め切りが4月とかだったのでこの時点ではまだ手を付けていません。というのも、北欧の合格発表が3月末~4月で合格した場合そのオファーを受けるかどうかの返事をすぐにしなければならないからです。なのでドイツ/スイスは合格発表の後考えようと思っていました。
3月末にKTHから、4月上旬にアールト大学から合格のオファーが来ます。アールトからは学費免除付きでの合格だったので、こちらを受けることにしました。
![](https://assets.st-note.com/img/1728909569-oxTc8f15OXpIyGn6b3egtF4a.jpg?width=1200)
アールトは無料だった。
私は色々考えて日本の奨学金にはアプライしておらず志望先大学が用意している奨学金のみ出願していたので、それに落ちたら北欧は無理だと割り切っていました。学費は年間€15,000、日本円に換算しておおよそ250万円です。一年で、です。
大学側が用意している奨学金は大学やコースによって様々です。私の出願したアールト大学のコースは学費半額免除と全額免除の二種類が用意されていますが、numbersが公開されていないのでどれぐらい倍率が高いのかは測りかねます。年々審査が厳しくなっているとか噂も流れていたり。ちなみにKTHの奨学金は合格率2%でした。落ちました。
これは私の勝手な予想ですが、Motivation letterにフィンランドまで行って教授に会ったときの内容を書いたのがよかったのかな?と。後から知ったのですが私が会った教授は志望先のコース長でした(先に言って!?)。あとは大学と教授の名前で合格させて頂いたと思ってるので。
海外大学院進学の一番のネックは金銭面だと思います。追い打ちをかけるように来年からはさらに学費が上がり、自分の所属コースは€17,000/y になるそうです。合格したけど奨学金が獲得できずにオファーを流さざるを得ないというケースもざらにあります。それでもとにかくわずかな可能性に賭けてアプライし続けるしかないのです。
私はこちらでRAとして働いていますが、一か月分の給料で家賃払っておつりが来ます。バイトいくつも掛け持ちして必死に働いていた日本の学生時代の一か月分と大差ないです。これも助教のおかげです。全くもって自分の力ではない。コネって大事。
現在のコースについて
今はアールト大学のCreative Sustainability(Technology) というところにいます。研究科?はChemical Engineeringです。
CHEM(chemistry)・BIZ(business)・ARTが融合したjoint programになっています。
・3分野共通必須科目(CHEM/BIZ/ARTそれぞれの授業)
・CHEMのみ必須授業(化学の専門授業)
・選択科目
みたいな構成。日本とは違って基本ヨーロッパの修士では研究室に所属するという概念はないです。だから今の専門は広すぎて答えづらいので学部時代の「材料化学」でずっと通してる、みたいな。あながち間違ってはないのだけれど。
修論はあるのですが二年間のうち最後の半期で書きます。大学の研究室に所属するか企業に雇ってもらって書くケースが多いみたいです。結構自由度が高いらしく「日本に戻って書いてもいいよ!」とコースの教授に言われました。んなことあるんや。
![](https://assets.st-note.com/img/1728909712-DqfFBIEUZlJAPeSWm8sw31yC.jpg?width=1200)
私が初めヨーロッパの大学院システムを見たとき、修士号を取る別の道が見えた気がしました。日本のシステムとは全く違ったので、こういう方法もあるのか~と。
学位は同じ修士号です。大変さのベクトルはそれぞれ違って当然ですが、どっちのほうが凄いとか偉いとかはないと思っていますし、それぞれのスタイルに良さがあるから自分がやりたい方向を選ぶのが一番だと思います。まあこの辺も難しい話だって重々承知してるけど。深い話は避けます。
あとがき(たくさん言い訳しているのでこれも長い)
![](https://assets.st-note.com/img/1728909804-4hmoZJBMYz3VDnNKP8jArtp1.jpg?width=1200)
ここまで書いておいてなんですが、自分の人生の一コマを大きく取り上げることは苦手です。時間ってどこを切り取っても同じサイズで等しく流れていくものだと思うし、何か一つを過大に見据えてしまうとそれがゴールみたいに思えてしまってその先が見えなくなってしまう感じがします。
それに出願した時期の自分がこんな真剣に体系的に考えていたかと聞かれたらそうではなかったし、半分ぐらいは勢いでした。周りは割と明確に「どうしてもこの研究がしたい、こんな勉強がしたい、将来はこうなりたい」という目標や計画を持っている人が多かったのに対して、自分はアバウトにしか考えられなったのでそれがずっとコンプレックスでしたし今もそうです。色々な伝手を頼って色んな人の話を聞き、自分なりに考えをまとめようとしましたが結局まとまりませんでした。まとまらないまま奇跡的に事が進んで現在に至る…みたいな感じ。だから今もとても苦労しているし悩みっぱなしです。
一つ、留学を決断する大事なきっかけになったのが高校の同級生で海外の大学に進学した友人の言葉です。「やったことがないことに筋を通すのって難しいからやってみるしかないこともあるんだよ」と言われたときにようやくまずは出願しようと思えるようになりました。やっていくうちに分かることもあったし、より深い情報を手に入れることが出来るようになったりもしたので、行動から始めるのも大事だな~と実感しています。
迷っている人はとにかく「情報を集める・躊躇せずに色んな人の話を聞く」だと思います。こういったnoteなどの記事も今は増えていますし、それだけではなくて生の声を実際に聞いて自分が何を不安に思っているのか、疑問に思っているのかを相談することからきっと始まります。ここに書けないこととかもあったりするので。色々。経験やその人の思考プロセスを聞くのも重要だと思います。
この記事も、せっかく時間を割いて読んでいただいていると思うので妥協せずに書いたつもりです。情報源の一つとして提供できていれば幸いです。
ほかの記事(日付_#numberみたいなタイトルになっているもの)に関しては本当にただの日記になります。こんな丁寧に書いていないのでご注意ください。
今日の一曲
寒くなってきました。風邪ひかないようにしたいです。
テスト頑張ります。