ざまぁされた王子の三度目の人生(2025年1冊目)
ざまぁされた王子の三度目の人生
著:海野はな
🔸よくある話だとおもったら良かった話
この話は三部構成となっています。
①ざまぁされた王子の一度目の人生
②孤児に転生した男の二度目の人生
③ざまぁされた王子のやりなおし三度目の人生
転生というか、なんでしょうねこれは。
同じ時間軸で三回の人生を本当にたどっている話です。
①から③をネタバレのない範囲で語っていきます。
①美しく、なんでも持っているおうじさまがいました。おうじさまは大勢のひとの前で、堂々と婚約者に婚約破棄を言い渡します。そのおうじさまは幾度となくやらかし、身分を剥奪され鉱山へと追放されてしまいます。
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追放先の鉱山がよかったんですよ。追放されてブチ切れてた主人公が更生していく様がよい。
ほんっとうに親方がよかった。
ルーツを隠しているはずの主人公のことをやんわりと見抜いていたり、周りに見捨てられそうになっていた主人公を援助していく姿が素晴らしかったです。
親方は人間出来すぎてる。ルーツも明かされて、納得しました。
ここでの経験が③で活きてくるとは全く思っていませんでした。
②しょうねんは、孤児でした。孤児にうまれたしょうねんは、記憶がなかったのです。
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三章編成のなかでこの章のストーリーはかなり好きです。
まず一番最初に主人公が願った夢は「神父になること」
でも、彼は孤児です。孤児は神父になれません。
そんなことを知らない少年は学びます。読み書きを覚えて、計算などもできるようになります。
成人した主人公はそれを知り、まずは斡旋された就職先の「パン屋」で働き始めます。
その働いている描写がとても素敵なんですよね。
真面目で、愚直にやっているのに「元孤児だ」ということで結局迫害されて、失職してしまいます。
無念のまま失職してしまう描写が最高でした。
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紆余曲折あり、次に彼が働き始めたのは商店でした。
商店での働きが、まさかの出会いにつながります。
…………
ここ、書きたいんですけど書いたらネタバレになるんですよ。
この経験がまさかあんな形になって、あの出会いになるとは思っていませんでした。
書きたい。書かないから読んでください。
③三度目の人生。王子様は巻き戻って、努力します。同じことにはしないためにやり直していきます。
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過去二回の人生を思い出し、時折一度目の人生を「ああああああー!」と嘆き、同じ轍は踏まないと誓いながら、人生を歩んでいきます。
一度目の自分を振り返り「どうして一度目の自分は平民の身分に落とされたのか」を分析し、婚約者の大切さと優秀さに気づき、周囲の人を大切にしながら。
家族の問題についても、逃げることなく立ち向かいます。
伝説を作り、周囲に助けられながら王としてやっていき、晩年に向かっていく……
そんな話です。
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晩年の方の話は最高すぎまして、読んでしばらく放心しました。
思い出し泣きができるくらいに素晴らしい作品でした。
もちろん、なろう系なので穴はあります。でもそういったことを無視して楽しめる作品です。
この話で一番好きなのは、話のたたみ方です。
「こう落とすのね」と納得できる話の作り方でした。
この本は2025/1/4に読んだ本でした。
正直、悪役令息ものは苦手でしたが…、この本を読んで認識が変わりました。
新年一発目の読書は最高だったので、今年も飽きずに本を読んでいこうと思いました。
2025/1/7現在、4冊読んでいます。
時間をかけて全ての感想をあげていきます。
私は読む方は好きなのですが書く方はからっきしなので…
どうぞ、お手柔らかによろしくお願いいたします。