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昭和の思い出

物心ついてから今まで引越しを何回したか覚えていない。
よく引越しをした。
一番長く住んだ家は16年。
10歳から26歳まで。

母の買い物について行くのが好きだった。
スーパーもあったけど、お魚屋さん、お米屋さん、お肉屋さんがあった。

お魚屋さんでは串に刺した魚を焼いて売っていて、いつもいい匂いがした。

お米屋さんには配達してもらう。
時々プラッシーを1ケース買ってくれた。
お米と一緒に配達してくれる。
みかんの粒々が入ったジュース。

ある小さな商店が母のお気に入りだった。
おじさんとは顔馴染み。
わたしはその店でだいたい毎月『平凡』か『明星』を買った。
毎月どっちにするか悩んだ。
付録の歌本を見てラジオを聴きながら新曲を覚えた。

わたしが誰のファンだったかは秘密にしておきたい。
妹は麻丘めぐみが好きだった。
テレビを観ながら『芽ばえ』や『私の彼は左きき』の振りを2人で真似た。

思い出してみると、父の暴力の中、母と妹と3人でささやかな幸せがあった。
父のことはもう恨んでいない。
あの世に行ったら母と父に思い切り甘えたい。

この家に住んで今年で10年になる。
息子とあと何年一緒に暮らせるかわからないけど頑張って生きていこう。

お正月休みも明日で終わり。
月曜日からまた普通の生活が始まる。
朝、起きられるかどうか心配。

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