今、注目されている「2つの経営分析キーワード」②
2.ICR(インタレスト・カバレッジ・レシオ)とは何か?
(1)用語の説明
ICR(インタレスト・カバレッジ・レシオ)とは、事業利益(営業利益と受取利息・受取配当金の合計)が金融費用(支払利息と割引料の合計)の何倍かを表す比率です。
割引料とは、手形割引の際に手形の額面金額から差し引かれる金額です。
手形は記載された期日になるまでは支払いを受けられません。
しかし、取立銀行または手形割引業者に一定の手数料を支払うことで、期日前に手形を現金化できます。
このときの手数料を「割引料」といいます。
【ICRの計算方法】
ICR = 事業利益(営業利益と受取利息・受取配当金の合計)÷金融費用(支払利息と割引料の合計)
【目安】
ICRの目安は、一般的に、最低条件が1倍以上、適正と言われるのが2倍以上、5倍以上なら望ましく、10倍以上なら安全性がかなり高いと言われています。
(2)注目されている背景
ICRは、金融機関が会社にお金を貸す際にも参考にする指標で、この倍率が高いほど、利息の支払い能力が大きく、有利子負債返済の安全度が高いことを示します。
(3)留意ポイント
ICRの目安は、一般的に、最低条件が1倍以上、適正と言われるのが2倍以上、5倍以上なら望ましく、10倍以上なら安全性がかなり高いと言われています。
ICRが1未満ということは「利益で借入金の利息を支払うことができない状態」であることを指します。
国際決済銀行(BIS)は、3年以上に渡ってICRが1未満、かつ設立10年以上である企業を「ゾンビ企業」と定義しています。
国際決済銀行(BIS)は、1930年にスイスのバーゼルに設立された中央銀行の国際組織です。
中央銀行相互の決済を行う組織で、通貨価値と金融システムの安定を目的として中央銀行の政策と国際協力を支援しています。