ダンスはじめて物語 後編
さてさて、後編です。
まさかの両親の反対にあい、一気に青ざめる若き日の火の玉ガール。
思いはあれど、口下手過ぎてうまく言葉が出てこない。
反対の理由は部活と勉強の両立、という、当時のわたしにとっては重たいタスク。あれ、そんなこと言うような感じだったかな、うちの両親。そんなでもさ、それだけの学生時代ってつまらなくない?わたしは学校の外に世界が欲しいんだよ。息が吸えるようになりたいんだよ〜。
そう言いたい気持ちをどうやって表現したらいいのか。わからな過ぎて涙が溢れる。でも言葉にしなくちゃ伝わらない。昔から、自分のことを話そうとすると喉が詰まって言葉にならない。ようやく絞り出したのは「ダンス始めないと、生きてくのがしんどい」という言葉。
いや、さすがにその言葉重くない?と自分に突っ込みつつ。両親は明らかにうろたえておりました。そりゃ泣きながらそんなこと訴えられたらまぁびっくりしますよね。
でも、その頃はそれぐらい、思い詰めていたんでしょうね。16歳、思春期真っ盛りですから。
ダンスを始めないと、このまま自分がダメになっちゃう気がする。くすぶり続けるのは嫌だ。学校と両立するためにも、ダンスを習わせて欲しい。
たどたどしい言葉で訴えた言葉はどうやら両親に響いたようで、それならやってみなさい、ということに。
え、いいの?ほんと?!
多分、こんなに自分のやりたいことを主張したのは初めてだったんじゃなかろうか。それぐらい、わたしを衝き動かす何かがダンスにはあった。理由なんてわからんのです。ただ、それが今の自分を救ってくれる唯一の方法って思い込んでいたんですよね。
なので、そのなんだかわからないパッションが伝わったのが本当に嬉しかった。ありがとう。ほんとにありがとう。
定期圏内で通えるところ、という条件つきだったので、改めてスタジオを探すことに。
うーん、定期圏内だとあのフラッシュダンスのスタジオはだめなんだよなぁ。
あ、でも、いつかジャズダンスクラスを再開するって言ってたスタジオがあった!もう一度連絡してみよう!!
もう一度そのスタジオに電話したところ、まだ再開の目処は立ってないけど、もしかしたら4月か5月ぐらいかな。
「始まる時にご連絡いただけませんか!見学に行きます!」
良かった!!希望がつながった!!
それから待つこと1か月ぐらいだったかな。
「再開するので見学にいらっしゃい」
連絡が来て、うぉー!!ついに!!
毎週土曜日の19時からということで。
喜び勇んで見学へ!!
そこはいつも通学する電車から見えるところにあるスタジオ。中学生の頃は、まさか自分がここでお世話になるなんて思いもしなかった。
ドキドキしながら扉を開くと、ショートカットの爽やかな先生が笑顔で迎えてくれる。
案内されるままピアノの椅子にちょこんと座り、レッスンを食い入るように見る。
小さなスタジオで、生徒さんの熱気ですぐに鏡が曇るような感じ。
とにかく先生がとっても素敵で、振付も洗練されてて、ダンスの見る目が全くないわたしでも、かっこいい!!これ踊ってみたい!!というダンス。
あぁー、わたしが通う場所はここなんだー!!!
そう確信したわたしは、その場で入会を決め、翌週から念願のジャズダンスを習いはじめるのでありました。
先生曰く、当時の見学してる姿はほんとに真剣そのものだったようで、すごいやる気みなぎる子が入ってきた〜!と思ったよ、と。
毎週のレッスンが楽しみで仕方ない生活。
からだが超絶固かったわたしは毎日ストレッチをし、振付を復習し、とにかく上手くなりたくて、ダンスのことばっかり考えてました。
あの時の、自分でやりたい!と思ったことをやらせてもらえた喜び。やりたいことに夢中になる喜び。書きながら思い出し、なんだか羨ましくなりました。
あれぐらい、ひとつのことに夢中になれるって最高よね〜。
まぁ、そうは言っても思春期真っ只中。
悩みはつきず、相変わらず殻にこもってくすぶってましたが、学校以外に居場所があったことでバランス取れたことは多々あったと思います。その時はわからなかったけどね。人は無意識に一番いいバランスを取っていくものですね。
あの時、ダンスを始めるきっかけになったすべてのことに、改めて感謝です。
今でもダンスはわたしのライフワーク。
でも、ダンスを始めたからこその葛藤もたくさんありました。それはきっとずっと続くんでしょう。何かを続けていくって、多かれ少なかれ、それはセット。でも、だからこそ、成長出来ることもある。
そんなこんなのダンスはじめて物語。
16歳のわたしから、
「あなたは今、何に夢中になってるの?」
そんな問いかけをいただいたような気持ち。
なんだか気持ちが引き締まりました。わたしも頑張るよ!!
お読みくださりありがとうございました。
また〜
#ダンス #ダンスはじめて物語 #ヒューマンライフアートラボ
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