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人の心を動かす感動(前編) 対談者:日本話し方センター 島田 浩子様

皆さまこんにちは!ヒューマングループnote編集担当 朝永です(^o^)

ヒューマントークVol.18今回のゲストは、日本話し方センター 島田浩子様です!

まずは島田様と弊社社長 内海との出会いからご覧ください。

島田浩子さんとの出会い

島田さんは、私が24歳の時に出会った江川ひろし所長の秘書をされていました。江川所長と出会ったあと、東京の事務所を訪問したときは、いつも丁寧に対応して頂きました。  

20代~30代~40代と江川所長に学び続け、その後所長が亡くなられたあと
島田さんは、話し方教室の経営を続けられました。 

話し方の卒業生としてよく声をかけていだだき、東京の会に出席、いろんな場で私を紹介してくださり、その都度、話をする場(勉強の場)を与えていただきました(笑)

付き合いは47年になります・・・今もフェイスブックで交流を続けています。

※対談の本文は、2007年6月にヒューマンニュースレターに掲載したトークを当時の文章で掲載いたします。


人の心を動かす感動(前編)

note ノート 記事見出し画像 アイキャッチ (12)

<ヒューマンニュースレターVOL.29(2007年6月発行)より転載>

今回のヒューマントークは日本話し方センター代表取締役島田浩子様にご登場いただきました。

内海:父から話し方セミナーというのがあるけど行ってみないかと紹介されたのが24歳の時でした。もう32年前のことです。福岡でセミナーを受講し大変感動したそのことが、私の話し方の基礎になっています。江川先生が亡くなられた後、島田様が後を継がれて社長をされていますが、その辺のお話を聞かせていただけますか?

島田:もう随分古い話しで、今から39年ほど前になりますが、私が20歳のときでございました。学校の先生から日本話し方センターという会社で秘書を探しているからどうかとお話がありまして、「どういう会社ですか?」とお尋ねしましたら、「話し方教室を開いている会社」と言われたんです。英会話教室なら解りますが、話し方って・・・??

まずそこから興味が湧きまして、何もわからずに面接に行きました。行ってまず、ビックリしたことが、昭和40年代というのは今とは随分違ってましたから、会社というのは一つの社屋があって1Fに受付がある、それがオーソドックスなスタイルだったんですね。今ではインテリジェンスビルがたくさんありますが、その当時面接に行ったそこは、まさに雑居ビル。そういう建物でしたので、入口から一歩ひいてしまいました。でもせっかく紹介していただいたのだから、面接だけでも受けさせていただこうと初めて江川のところに参りました。江川は小さい人でしたから、へぇー世の中にこんな小さな男の人がいるのかしら・・・と驚きました、私は大きいひとが男の人というイメージがありましたから・・・。

それから入社させていただくことになって、会社というのは入社したら色んな研修をしてくださって、色々教えてくださるものと思ってましたが、一向にそういうことがないんですね。ですから3日で辞めようと思っていたんです。3日目のその日の夕方、何も知らない江川が「明日からセミナーがあるから貴方も受けてください。私の仕事を理解できなければ秘書も務まらないでしょ」と言われて、すごく好奇心旺盛でしたから、セミナーを受けてみて、辞めるのはそれからにしようと思ったんです。セミナー当日、会場に行きましたところ、50名位の受講者の方々がいらっしゃいました。皆さん経営者の方ばかりだったのですが、私の親と同じ位、年齢50歳台くらいの方々でしたから、父親のような方々と一緒にセミナーを3日間受けさせていただいたんです。セミナーが終わって帰られるときに皆さんが口々に「いいセミナーだったね」と言ってくださるんです。それに江川自身も事務所で見る江川とはまったく違っていまして、舞台に上がる役者さんが大きく見えるのと同じで、すごく大きく見えましたし、内容もすごく心に響いてくるものでした。

ある紳士の方が「とってもいいセミナーだったよ。ありがとう。これから貴女も頑張ってね」とおっしゃって、深々と頭を下げてくださったんです。それでまたすごく感動したんです。私すごい会社に入社させていただいたんだと思いました。また感動というのはこういうことかと、このとき初めて胸にズシンと感じたのを今でも覚えています。
それからですね。心を入替えたのは(笑)。まず秘書入門という本を買っていちから勉強を始めたんです。秘書という職業ですから、創業者(江川)からこういう本を買ってくださいと依頼がくるのですが、江川が頼んだ本と同じ本を私も買いまして、同じように読んでました。わかってもわからなくても、難しくて理解できなくても、とにかくどういう本をお読みになっているかと・・・、その積み重ねでこの道ができたような気がします。ですからいつもほんの少し背伸びをしていました。でもおかげさまで35年経って創業者が旅立って逝ったときには、私のベースになってましたね。それはもちろん創業者から教えていただいたこともいっぱいありましたけれども、創業者との縁を通してたくさんお見えくださった受講者の皆様や、ご縁をいただきましたたくさんの経営者の皆様からの無言の教えや、皆様の生き方を見せていただいたお陰で、色んな勉強をさせていただきました。だから私は、入社して3日で辞めなくてよかったと本当に思います(笑)。

内海:タイミングよくセミナーがあったからよかったですね・・・何かの縁ですね。その当時と今と比較すると、今は色んな会社の話し方セミナーがありますが、日本話し方センターのスピリットは、他の話し方セミナーとどういうところに違いがあるのでしょうか?

島田:話し方というのはいわゆる思いやりの心。創業者のモットーは「言葉の前に心あり、言葉の後に行動あり」ですから、まず言葉を使うときにベースに何があるか、心に何を思っているかということをとても大事にする人だったのです。言葉というのは、とてもすごい力があります。ヒポクラテスの言葉ではありませんが、医者には3つの武器がある。一つは言葉であり、二つはメスであり、三つ目は薬石(ヤクセキ)。三つあるなかで言葉が一番なんですね。ということは、お医者様の言葉で、治らない病気も治せるし、逆に治る病気も治らなくなるかもしれない。言葉というのは非常に大きいものなのです。だけどその反面、言葉は何の力もないし、いい加減なもの、どんなに格好良いことでも言えるし、ウソだって言える。だから「言葉を使ったときにはあとで行動で示さないと、誠実さとか信用とかは生まれないんだよ」というのが江川ひろしの話し方教室のベースなのです。

内海:話すテクニックではなくて、話す心ということですね。

島田:そうなんです。私どもは「言葉の前に心あり」がベースにあって、その「心」って言うのは相手の立場に立って物事を考えてあげる、そういう思いやりの心で言葉を使っていきなさいということがベースなんです。ですから江川自身は常に話をするときに、どう言ってあげたらこの方はわかってくださるだろうか、どう言ってあげたら、この方にこの気持ちが伝わるだろうかということを常に考えていました。話を組み立てたり、話の材料を探すときもベースにあるものは、そこだったんだと思います。その結果、「江川先生の話はとてもいい話だったね」って皆様がおっしゃってくださったんだと思います。

内海:24歳の時に受けた先生のセミナーでは、3分たりとも準備をきちんとする。常日頃から話をするためではなく、自分で意識をもって材料を集めることとか、主題と話題のサンドイッチ法等を教えていただいて本当によかったと思います。私も色んな場面で話をする機会がありますが、その方式の通りにやると、もちろんアレンジもして、非常に上手く話せますね。ただ面白いのは、事前に準備してきちんと話して、終わったあとに「しまった!あれとあれを言うのを忘れていた」と思うと、大体回りから「内海君の講演良かった~!」って言うんですね。そんなに良かったかな、自分としてはちょっと不足していたと思っていたんだけど、何が良かったかなと聞くと「短いのが良かった」と!(笑)。主題と話題をきちんと入れて短く話すことが、相手にインパクトを与えるようですね。話すことの大事さを学んだ私は、親父にすごく感謝しています。

島田:そうですか。ありがとうございます。でもそういう風におっしゃってくださると、きっとお父様も喜んでいらっしゃるでしょうね。でもその当時はお嫌だったんじゃないですか?

内海:実はその時は「なんで?」と思ってましたね。セミナー研修中に宿題がでるのですが、それをしていかないと江川先生にビシビシやられましたから・・・(笑)。

島田:会社から派遣されてお見えになっている方は、嫌々お見えになっていますので、不機嫌ですし、取り組み方の甘い方もいらっしゃいます。その会社の社長さんがその方の為にと思ってセミナー受講をさせているわけです。ですからその社長さんに対する江川自身の思いなんです。社長さんの気持ちになってこの方に少しでも良くなって帰ってほしい、せっかく送ってくださった社長さんの気持ちを思って、そういう方々に対して厳しくご注意申し上げたりしてたんです。それもその方の立場を見て言い方も違っていたかと思います。例えば責任あるポストの人が、そのポストでこれができていなかったらどうするのかという思いがすごく強かったんだと思います。だから尚更厳しく申し上げたりとかしていたんだと思います。内海社長にも将来性を考えて、厳しかったんだと思いますよ(笑)。

内海:そういう厳しいセミナーだったからこそ、先生から誉められるときは非常に嬉しかったですね。「よく準備したね」と誉められましたよ。「しかしね、ここのところ、もっと突っ込んでこういうふうにしたら良かったね」と指導していただき、あれは効きましたね。

島田:そうなんです。まず良いところは誉めてあげる。でも誉めるだけでは伸びませんよね。だから「ここはとっても良かったよ」と誉めて、そのあと「ここをもっとこういうふうにするともっと良くなるよ」と具体的にアドバイスをするというのが私共の指導のスタイルなんです。

内海:素晴らしい指導スタイルですね。 創業者の江川先生がお亡くなりになって、島田社長が話し方センターを受け継がれるときは、大分迷いもおありになったかと思うのですが、社長をするということを決められた一番の決め手になったことはどういうことなのでしょうか?

島田:すごく迷ったときに、色んなことがありました。卒業生の皆さんが「江川先生に私はこういう風に叱られたんですよ」っておっしゃるんですね。それも本当に嬉しそうにおっしゃるんです。ある方は新入社員教育で、江川先生に「君はその暗い目が良くない、そんな目をしていちゃ駄目だ」って言われたそうなんです、そのときは「何を言うんだ、このおじさん!」って思ったそうですが、「よくよく考えてみたら、そのときにそう言ってくださったお陰で、今自分はこの会社でこのポストにいられるんです」とおっしゃってました。またある会社で常務さんまでされていた方は、江川先生に「挨拶はできてますか」と聞かれて、「しています!」「じゃあ奥さんにはしてますか」と言われて、「してません」って言ったら、「じゃあやっぱりしていないんじゃないか」って皆さんの前で叱られたそうです。そんなことがあっても、皆さん嬉しかったとおっしゃるんですね。こんな立派な方がそんな風におっしゃって下さる。

その言葉が、私がすごく迷っているときに後押ししてくださったんです。
それと、もう一つ江川から教えられたことの中で、一番私が大事にしていることは、「試練とか哀しみとか苦しみとかいうのは、天がその人にとって必要だから与えられているんだよ、天は無慈悲じゃないんだから、その人が受け取って立ち上がれないようなものは与えないよ。受け取って大丈夫だと思うから与える、その人に気付いてほしい何かを教えたいと思って与えてくださるんだから贈り物としてありがたく受け取りなさい」そういうことをいつも講義のなかで話してましたし、私自身もそういうことを聞いてましたから、その言葉を私はすごく大事にしていました。

ですから創業者が旅立って逝った時も、これは私に何かを気付かせよう、何かを学ばせようとして与えてくださったんだと思ったんですね。その言葉がフッと浮かんできたときに、あっそういうことなんだ、だったら私はどこまでできるかわからないけれども、勉強させていただこうと思ったんです。それと合わせて、「いいセミナーだったね、ありがとう」とおっしゃって下さったあの感動、この感動を私がもっていれば、あとを続けられるんじゃないかと、そう思ったのがスタートでした。
また、江川ひろしという一人の人間が、50年間かかって少しづつ少しづつ積み上げてきたものを、ここで積木崩しみたいに、いっぺんにポンと崩してしまうのは、とても寂しい気がしたんです。何か残してあげたいという思いがありました。ご縁のある皆様、卒業生の皆様や、私共の講師、スタッフ、皆さんが何もできない私のために力を貸してくださって助けていただき支えてくださいました。こういう方々がいてくださったからできたと思います。
江川ひろしが残してくれた人の財産、それがすごく大きかったですね。

島田浩子様プロフィール
株式会社日本話し方センター代表取締役(2007年当時)
1968年に日本話し方センターに入社、
創業者の江川ひろし氏(故人)の秘書として35年間、
江川氏と同社を支える。
2003年江川氏の死去にともない、代表取締役に就任。
著書に「きちんとした話し方のコツ」
「きちんとした電話応対のコツ」がある。


日本話し方センター公式HP


※江川先生=日本話し方センター創業者江川ひろし氏


朝永のつぶやき

最後まで読んでいただきありがとうございます!ここからは担当が今回のトークを読んだ感想をまとめたプチコーナーです♪

前編では島田様の話し方センターとの出会いや江川ひろし様から学んだ様々なことをお話していただきました!

今回のお話を読んでいて、「天は無慈悲じゃないんだから、その人が受け取って立ち上がれないものは与えないよ。」という江川ひろし様の言葉がとても心に残りました。

思いがけないときにショックなことがあったり、ミスしてしまったり・・・なんでこのタイミングで!と思うようなことがありますよね。

しかしそんな出来事ほど振り返ってみると、あの時経験してて良かった!と思うことばかりです・・・(笑)

どんな問題に直面しても、江川様の言葉を思い出したら乗り越えていけそうな気がしています(^-^)


それでは今回はこの辺で!また次回お会いしましょう!

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