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善管注意義務とヒューマンエラー

最近、何かと話題のフジテレビの問題で、役員の善管注意義務違反がなかったかどうかが問われると聞きました。そこで、善管注意義務からみたヒューマンエラーを当ラボなりに考えてみたいと思います。
ここでは、組織内でトラブルが発生した時の役員の対応を考えてみましょう。仮に、ある役員がそのトラブルの情報を把握し、トラブルの内容が、役員が対応すべき案件だとします。まず、その役員が何らかの判断が求められることになります。
・状況理解に関する間違い(現状把握や成り行き予測などに関する間違い)
・意思決定に関する間違い(理解した状況の評価や対応の方向付けなどに関する間違い)
など、役員という地位にいる立場として、
・通常、要求される程度の注意義務を果たしていたか。
・十分注意を払ったとしたら、上記間違い=ヒューマンエラーが避けられたのではないか。
ということが問われることになるのでしょうね。
更に、このトラブルが取締役会で判断すべき内容だということになれば、今度は、取締役会=チームとしてのエラー、つまり、チームエラーが問われることになりえるのではないでしょうか。
①ある役員の判断エラーに気づけない、見つけられない。
②その判断エラーを見つけても、そのまま放置する、指摘しない。
③その判断エラーの存在を指摘したとしても、対処を指示しない、適切に指示できない。
④対処を指示したとしても、その内容がうまく伝わらない。
⑤指示が正しく伝わったとしても、指示通り対処されない。
などのリスクが考えられ、このプロセスでも、注意義務を果たしたのか、十分注意を払ったとしたら、間違い=ヒューマンエラーが避けられたのではないかということが問われることになると思います。

社外取締役含めて、役員は、善管注意義務違反があれば、会社法423条で「取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」とあるように、損害賠償の責任が問われることもあるようですので、注意しないといけませんね。

よろしければこちらもご覧ください。
善管注意義務とヒューマンエラー https://humanerrorlabo.com/善管注意義務とヒューマンエラー/


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