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街コンに参加した男

〜23歳3月21日〜


 この日は予定を詰めていた。どうしてもダブルブッキングするものがあったので、キャンセルをして取捨選択した結果、朝はケータイショップに行き、昼は都内の街コン夜はバイトの後輩ちゃんと食事。という予定に落ち着いた。


 10:00

 お金をおろして、近くのケータイショップへ。機種変更をするためだ。ついに僕もスマホデビュー。むしろここまでiPod touchでよくもった。新型iPhoneが待ち遠しかった。天気はあいにくの雪(3月の中旬なのに!)だが、構わない。

 もう昼にはiPhoneになって街コンでブイブイ言わせるつもりだった。けど。お店について言われた一言が、


「委任状が無いと機種変更できません。」


 この時、まだ名義が親父だった。そっか。家族割のために名義統一してたんだ。

 そんなわけで、委任状をもらってまた雪の中歩く。何のためにきたのだろう。心はすっかりスマホデビューだったのに、このがっかり感。悲しくなったので、帰りがけに服を買った。せっかく隣駅まで来たもの、そこまで来た理由が欲しかった。


 12:00

 購入したテーラードジャケットと白シャツをクローゼットにしまい急いで飯を食べる。街コンは15:00からなので、ヘアセット含めおちおちしてられない。とは言いつつ、アメトーーク!2時間スペシャルの録画を見ながらだらだら準備をした。2時間スペシャルの時点で今見るべきではない物だと自覚しながら、だらだら支度した。街コンなので荷物は少なくしよう。この日は手ぶらで出かけることにする。


 15:00

 無事都内のダイニングバーに着く。来たら誘ってくれたショーンさんがいた。まだ開始30分前だったらしく、人が全然いない。受付の女の子と少し会話して時間を潰した。名前はミノリちゃん(仮)。茶色のセミロングが似合う、28歳になったばかりの女の子。正直年より若い。この子が運営側ってだけで期待ができた。なんせ、ショーンさんからは「女の子が多くて男の子が足りない!」とのことだったので。

 だがしかし、蓋を開けてみると男性が多かった。たしかに女性も多かったのだが、それを聞きつけた男性が集まってしまい、結果的に会場がパンクするほどの大人数に。しかも若干むさい。男が多いと、僕は急にしょぼくなる。話しかけるにしてもナンパの方がまだマシだ。なんせナンパならライバルがいないからね。2人組以上の参加男性達に囲まれ、急にしょぼんとする。一人参加の弱み。

 とはいうものの、昔のように隅で縮こまることもなく、始まったら始まったで、男女関係なくグイグイ話しかけに行った。特にそこで知り合ったマホちゃん(仮)とは仕事や相談などで盛り上がり、2人で話し込みながらスムーズに連絡先をゲットできた。歳は30近いが、黒髪ロングストレートのおっとり系と、昔の僕の好きなタイプに当てはまるような子だった。その後も様々な人と話して、飲んで、を繰り返し、あっという間に終わりの17:30へ。最後に受付のミノリちゃんのところへ行き、素直に「連絡先教えて!」とお願いした。さすがは運営の子、すんなり交換してくれたので、大報酬。


 帰り駅まで、マホちゃんとその友達と帰る。マホちゃんは5月まで暇だとのことで、花見の約束をしておく。そこから、急いで電車へ。

 次なる舞台は地元だった。ここでは、後輩のナナコちゃん(仮)とチーズタッカルビを食べる約束だった。この子も今年から晴れて新社会人。関西へ行くので、最後に食事に連れてってほしいとのことで、この日に予定をしていた。

 19:00

 駅前で後輩と会う。ナナコちゃんはバイト時代の後輩。初めて出会った時は高校生だった。久しぶりに見る彼女はすっかり大人の雰囲気を出していた。髪をバッサリ切った黒髪ショートに、メガネからコンタクトへ。よく見ると二重なんだな、とかこういう時気づくよね。


 さっそくチーズタッカルビのお店へ。先輩後輩だからたわいない会話を続けていた。だから別に恋愛とかの話もせずに3時間がすぎていた。話し足りないので、2人でカラオケへ。向こうには遠距離中の彼氏がいることは知っていたが、それでもこう二人きりでカラオケというのも中々に緊張する、、、とは思わなかったけどね。


 ただ、となりの席でぴったりくっついて話していたから、それは気になってしまった。帰り道は2人で一つの傘に入って、家まで送ってあげていた。その時には雪は雨に変わっていた。途中、濡れちゃうからと、彼女の腰を抱き寄せて歩いてた。これが彼氏の目に入ったらどう思うだろうか。すまない。だがこれ以上一線を越えるつもりはサラサラない。かつての僕よりは幾分か落ち着いているはずだった。

 24:00

 彼女を家の前まで送り届ける。話し足りないようだったので、翌日また連絡すると伝えた。

 問題はその帰り道。帰りは寂しく雨に打たれて歩いたのだが、送ることに夢中で、道を覚えていなかった。結果元の道に戻るまで30分かかる始末。冷たい雨の中、酷な話だった。


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