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ナンパ、軌道に乗ってくる

〜23歳の1月25日〜


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 夢にさとみちゃんが出てきた気がする。それほど前日の食事会が楽しかったのだと思う。起きてLINEを確認したが、きちんと3月にアップルパイを食べる約束を交わしていた。

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 ベッドの上でニタニタしていた。まだ約束しただけで行ってないのに(ついでにドタキャンも大いにあり得るくせに)この喜びようだから、我ながら自分が愛らしい。それほど青春に乏しい人生だったのだ。

 しかし、浮かれ酒とは危険なもので、この日の起床は11:00という怠惰なはじまりだった。ベッド上でニタニタしてる場合ではない。かと言ってやることも無い。


 こういうやることない日はダーツをしに行く。

 出会いを求めて池袋へ。池袋なら若くて可愛い女性も多く、ダーツも3時間1000円でプレイできる。さっそく池袋へ。さて、着くなり受付を待つ。その間に店内をゆっくり徘徊して女の子が一人で投げているところが無いかチェックする。こうやって声かけを狙うのだから、我ながらこすい男である。

 受付のコールを確認しながら、ゆっくりとダーツ台の間を回る。

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 まわる、まわる、、、

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 期待とは裏腹に、女の子が一人で投げてる台が、無いのである。

 こんなに台があるのに、むさ苦しいスタジアム。まぁ平日の昼なら仕方がない。

 受付からコールがかかり、2時間ほどは一人で投げる。調子が良かったこともありレートも上がりそうなのが良かった。

 さて、残り1時間となったところで、改めてぐるっと店内を回ると、普段やらないフェニックス台(ダーツはダーツライブとフェニックスという2種類の機種がある)に一人で投げる女の子を発見。

 背丈は150ほど。色が濃い茶髪に、性格キツめの顔、クール系なのかな。しかもまぁまぁ上手い。一区切りつき、その子が休憩に入った時、後ろから声をかけた。

 きっかけは、言うまでもない。


僕「上手いね。ダーツ長いの?」

 女の子、声かけに動じることなく答える。


女「ダーツは長いけど、全盛期はもっと高かったよ。今日は調子が悪い」


僕「どのくらいやってるのさ。」


女「小学生の時に始めて、3年くらいでAフラ(ダーツのランク)にはなってたよ。そこから5年くらいやってなくて、最近また始めた。」


僕「ん??今君いくつよ?」


女「19。すぐに20になる。」


 ここで、女の子がタバコを吸ってるのが気になる。普段なら見過ごせないが、数ヶ月前に逆ナンされた女の子にたばこを説教して興ざめしたことを思い出した。ここはグッとこらえた。

 自分から声かけたんだもの、声かけて説教してくるなんて感じが悪い。二の舞にならないように、思考を切り替える。

僕「若っ。てか再開してから長い?」


女「いや、半年くらい。全然調子戻らないや。」


僕「なんで、そんなやめてたん?」


女「ダーツ捨てちゃって、あとお金なかったから笑」


僕「なるほど。確かに中学生には厳しいスポーツだな。とりあえず今ひとりでやってるの?」


女「ダーツやってるサークルあるんだけど、そのメンバーに声かけしてある。でも今日は誰もいないみたい。」


僕「じゃあ、勝負しようぜ。」


 ここで、女の子と対戦を二回する。ダーツサークルはいつも誰かしらいて、彼女もそこの男性にナンパされて入会したらしい。ほほう、、。

 ちなみに今日は新しく働くキャバクラの体験入店まで時間があったからダーツをしていたらしい。普段は別の都内で投げてるとのこと。対戦が終わったところで、サークルメンバーが来たので、ここで退散。こちらも、「また戦おうぜ」と捨て台詞。

せっかくだからラインを聞いた。


僕「先輩がダーツやってて、こっちもメンバー集めてるんだ。今度召集かかったら君も誘うよ。ライン交換しよ。」

女「はーい。」


 話が早い。

 さて、19:00には今度は大学の友人と東京の某駅で飲む約束をしていた。ダーツ場をぬけて足早に電車に乗り込む。

 院生の友人に会うため、直接キャンパスに向かう。だが、その道中思わぬ知人が通り過ぎる。かつてのサークル後輩の女の子だ。その時はあまり話しかけなかったが、ナンパしている今の自分には声かけの壁は低く、むしろ話しかけない選択肢はなかった。


僕「サトルちゃん(仮)!久しぶり!」

後輩「え?え?あ、はい!」

僕「覚えてる?」

後輩「えと、ひ、、」

僕「ひとしね。サークルの。」


後輩「あー!よく私のこと覚えてましたね!」

僕「インパクト強かったからねwなんたって名前覚えてるくらいだしな」


後輩「私そんなにインパクトありました?ww」

ここで、後輩とサークル談義。しばらくすると後輩が最近一人暮らしを始めたとの話題に。

僕「一人暮らし?体調崩さない?」

後輩「今半年たちましたけど、最近は良くなってますよ!ただ、ひとり寂しくて話相手がいないですw」

僕「まじで?じゃあ話そうよ」

 ここで、後日ごはん食べようと約束して後輩と連絡先交換。そのあとは友達を待たせてるから、と切り上げる。


 キャンパスに着き、友人と合流。今の研究について話を聞いた。さっきまでとは話の内容がガラッと変わりすぎる。それもまた風情があった。


 夜は二人でバーへ向かう。女性と飲むのも良いが、やはり男友達との飲みが気楽で最高であった。


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出会い、冬

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