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ナンパをした記録1
〜23歳の2月18日〜
またも何もない一日。
こういうときは、やっぱりナンパだろう。ここ最近は成果が出始めているのでストリートナンパも抵抗なく行える。そして何より会話が楽しい。
ナンパをするモチベーションに溢れていた。せっかくなので、目的を決めて東京に向かう。好きな漫画家の個展がやっているとのことで、今回のナンパはそのついで。
14:00
表参道に到着。ツイッターで人気の漫画家の初個展である。そのためか、とにかく人が多い。人が2人通れるか通れないかのせまい道に、整理券を持ちながら並んでいる光景はなんとも言えなかった。
せっかくなので、この待ち時間も会話の練習をしよう。そう思い、後ろに並んでいる男性に話しかけた。男性は歳の近い、国家公務員の方でとてもしっかりしていた。話ぶりも丁寧で好印象。人員削減で忙殺される、女の子に実はモテない職業だとか、面白い話をいっぱいしてくれた。
みなみちゃんが好きな人が国家公務員だということを思い出した。なるほど、こういう人なら好きになるのも頷ける。彼は整理券番号が早かったため、先に会場内へ。こちらも、うずうずしながら待機した。
会場内では静かな空間が広がっていた。
みんな話しながら見ないのか?と不思議に思っていたら、奥で作者本人が漫画を実際に描いていたのだ。作家が漫画を描いてる風景すらも個展の一部になっていたのだ。なんとやりずらいことだろう。シュールな光景であった。個展から出ようと階段を降りるとき、前にいた女性が立ち止まっていた。どうやら降りる階段がせまく、入ってくる人が上りきるのを待ってるために降りるタイミングが無かったようだ。
そこで、声をかけた。きっかけは
僕「めちゃくちゃタイミング難しくない?笑」
向こうも振り返りはにかむ。
女「難しいです!笑」
僕「今がチャンス、降りよう。」
2人でせっせと階段を降りる。降りてから、2人で顔を見合わせ笑い合った。
20代、黒髪ボブ。表参道にいる落ち着いた女性、そのイメージに近い。個展を出てから会話をする。
僕「この作家さん、好きなんだ。長いの?」
女「はい、半年くらい?」
僕「すげぇ、同じくらいだよ。」
女「あ、でも最初はIさんから入りました。」
Iさんとはこの個展の管理人。はじめ、Iさんのツイッターをフォローをしていたら、リツイートなどから今回の作家さんに行きついたという。女性は21歳、就活生、東京の奥地に住んでいるなどで会話は盛り上がったが、連絡先交換は丁重に断られた。彼氏に怒られるとのこと。10分ほどで駅に着いたので女の子とはそこでお別れ。惜しかった…
その後はストリートに戻りナンパを再開する。駅まで道案内をしてもらったり、カフェで相席して話したり、途中ブティックの店員さんと話したりと会話は続いたが成果には繋がらず。
18:00前
せっかくなのでラウンジに寄り道。日曜なので人が多いことを期待した。が、パーソナルトレーナーの方しかおらず。
それでも男性と話すのも面白いと思い、男2人でナンパの話をした。意外なことにトレーナーさんも、昔はよくソロナンパをしていたようだった。その話が一番面白かった。実践の話は共通点も多く、さらに高身長の子は狙い目だというタメになるアドバイスをいただいた。やはり声をかけにくい子こそナンパどころなのだろう。この日のトレーナーさんは饒舌だった。40分ほど話し込んで、こちらも表情がだいぶほぐれた。
「さて、また繰り出しなよ。」
トレーナーさんのこの一言で動き出す気になれた。今なら声かけもスムーズにいける。
その後も何人かに声をかける。無視されることがだいぶ減った。接頭語の「すみません、」をやめて、スッと割り込んで要件を伝える作戦が功を奏した。
焼き芋を食べてる女の子二人組に対しては、「めっちゃ美味そう俺も食べたい」という、かつての僕には信じられないチャラさのナンパをしていた。女性たちと3人で焼き芋を食べる。結果的にこれがこの日の夕飯になる。成果にはならなかったが、その場にいる皆が笑顔で終われた。この後も、声かけはスムーズでも成果が出ないを繰り返した。
成果も欲しいので、場所を移した。JRに移動。電車に乗り込んだその時である。隣にいた女性が疲れた顔をしていたので、すかさず声かけ。
僕「めちゃくちゃ疲れてません?これあげます。」
ホッカイロを手渡しながら話しかけた。
女「ありがとうございます!私そんなに疲れてます?」
そこから、女性が降りるという駅まで話し込んだ。32歳バツイチ、2人のシングルマザーのようである。看護師をしていて、この日は職場の友人と食事の帰りだという。この人とは育児と、結婚の話をした。どうやら今付き合っている彼氏が結婚を考えているが、自分はもう結婚はこりごりだという。
彼女と一緒に降りて、連絡先交換を申し出たが、彼氏に怒られるからと丁重に断られた。それでも楽しい時間を過ごせた。降りた駅でナンパを再開。
20:00過ぎ。
正直、交通費をケチりたくて、あまり改札から出たくなかった。そのため駅構内の本屋へ向かう。
文庫本コーナーで「友罪」というとんでもない強烈な本を立ち読みしてる子がいたので果敢に攻める。
僕「何読んでんの?めっちゃ重そうなタイトル」
女の子、声かけに慣れてないのだろう、びっくりして本の背表紙を見せて顔を隠した。
「今目に着いた本なんです、、」
言葉を返してくれた。
せっかくなのでオススメの本を聞く。歴史小説が好きなようである。こちらも石田衣良を勧める。2人で本事情を話し込みながら、店内をぐるっと見渡す。迷惑承知だがこの子とは30分ほど店内で話した。そこでは21歳大学生、日本語学を勉強中。ついでに就活生、地方住みで東京にはイベントがあって来た、今は友達待ちだったという情報を得る。
僕「就活の話聞かせてよ。あ、カカオトーク教えて。」
女「やってない笑」
僕「うそうそ、ラインでいいかな?」
女「えぇ、ぁーはい、」
迷っていたが、交換した。本日初の成果だった。その後も10分くらい話した。本屋が21:00に閉まり、友達がまだ来ないとのことで、駅構内の近くのカフェで待とうと提案してあげた。迷ってるようなので、そのままの流れで店内へ入る。
2人分の飲み物を買ってあげた。入ったら堪忍してか、肩の力を抜いて、色々話してくれた。
そこでは恋愛の話をした。
実は恋愛経験がまったくなくて、親にも学生のうちは恋愛するなと言われる箱入りっぷりだという。だが、親は25には結婚をしろと言っているのだとか。さすがに女の子も「こんなの無理ゲーですよね!?」と笑っていた。なるほど、話し込む割にはこちらの提案に即決できないのは、この箱入りお嬢様気質から来ているのだろう。
色々と話をしていたら、話し込んでいたせいで、向こうの友人から電話が来ているのをスルーしてしまっていた。駅が広すぎてわからないとのことで、改札前まで道案内してあげて別れる。
時計を確認するともう22:00前だったので翌日のことを考えて帰ることにした。ひとつ成果はあったのでまぁいいか。色々な人と話せたので楽しい一日だった。
ずっとこんな感じにナンパできれば楽しい。
次回記事↓
「お嬢様とデートする」
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