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出会い、冬
〜23歳の1月27日〜
今まで敬遠していた合コン。しかし、その反動か、はたまた慣れて調子に乗ってるのか。そういった会合に積極的に参加しようというシーズンに突入した。
この日仕事をはや抜けした僕は、急いで帰宅してシャワーを浴び、夜の街へ繰り出した。向かうは六本木。東京カレンダーという響きが似合う街。これを書いてる今でも、六本木とか麻布とかそういう言葉を見るとむず痒くなる。何か星(ランク)を付けたくなるような、評価されてるような、そんな街である。青春乏しい人には敷居が高いのかもしれない。
しかし、今日の僕は一味違う。
いや、今日のオレは違うぜ。そう思い込みながら気取った「ROPPONGI」橋の下を闊歩した。肩で風切る感じ。
ことの発端はたまたま参加した街コンで知り合った医者。彼から六本木で打ち上げやるから来ないか?と誘われたからだ。
医者+六本木+パーティ
もう既に胡散臭いが、行くことにした。
なぜなら暇だから。そして出会いが欲しいから。
18:00、集合30分前。僕は会場に着いていた。こういうのは遅れたくない性なので早めに着くよう心がけてるのだが、会員制バーのために、身分確認やら本人確認やらで手間取った。というのも、早すぎてまだ代表がいないから。
中へ通されると、まだ僕ともう1人(男性)しかいない。
真面目に早く着きすぎた。もう1人の男性も、なんかもうすでに、緊張してて早くつきました感が滲み出てしまってた。ということは僕もそう。2人でソワソワしてた。電子レンジで温められる食材と同じ。ソワソワ揺らされて水分子が飛び出てく感じ。2人して汗垂らしてた、冬に。
待ってる間に、近くに座ってきた男性がいた。話すと、名前はヒトシ。僕と同じ名前なのだ。びっくりした。彼とは意気投合した。そこからまた、主催者の登場を待った。ちなみに誘った医者も近くにいたが、既に女の子を口説いていたから無視した。書き方が悪かったけど、わざとじゃなくて、そこに割って入るエネルギーが無かっただけである。
18:30ギリギリ過ぎたところで主催者は現れた。
めちゃくちゃ気さくで、合コン慣れしてる話の上手い人だった。
ただ、顔がサンシャイン池崎に似過ぎていて全く話が入らなかった。
会員制バーということで、かなりシックかつ内装も丁寧で使用頻度が少ないような、高級感はあった。全席ソファ席。テーブルは3台。そんな会場で男女合わせて30〜40名が一斉に乾杯をした。ソファが柔らか過ぎて乾杯のバランスを取るのが難しかった。隣が女の子だと寄りかかってしまいそう。それが狙いなのか?と思ったけど、隣の女の子はしっかり僕と距離を取っていた。距離感と警戒心は◎🙆♂️。だから距離をとった会話になってた。敬語を取れないのはその現れ。
30分くらいで席替えをした。次のテーブルへ。
隣に同名のヒトシ君がきた。開始前に話してただけに2人で息が合った。その調子で、席替えしたテーブルの主導権を一瞬握れた。2人はプリキュアだった。
ただ、このテーブルにえっっらい美人がいた。
顔は夏菜だった。夏菜と同じかそれ以上の美人だった(以降、名前を夏菜としておく)。話すと緊張するだろうし、このテーブルの中で一番仲良くなれない子だとこの時は思った(今後、長い友達になります)。
テーブルの会話は、主催者寄りの男性、そこに合いの手を入れるダブルヒトシ、端っこで夏菜と夏菜を囲って質問攻めする男性数人という感じに別れてた。男性陣の狙いがあからさまに夏菜すぎていた。関わるのも面倒なので、ダブルヒトシはテーブル会話の盛り立てに徹しようとした。
その時、
夏菜「え?みんなお酒飲も??乾杯しよ!」
夏菜が囲いを振り払って割ってきた。
主催者陣営、快くグラスを空ける。
僕は、まだグラスいっぱいのお酒なので、目の前にあるポテチの袋を指差して
僕「空いてま〜す!」
小笑いだった。夏菜は笑ってくれた。ついでに夏菜は、僕の飲んでるピーチフィズを可愛いと絶賛。こういうの調子狂う。
とりあえず、萌え袖して可愛さアピールしておいた。小笑い。夏菜は笑ってくれた。
美人には警戒しろと昔教わったが、誰にでも笑う優しい子なのかもしれない。少し警戒が薄れた。
みんなのグラスにお酒が入ってるのを見て夏菜が乾杯を始めた。それが衝撃的だった
夏菜「お乾杯丸シュワーッチ〜!」
(実際の乾杯の音頭は違う。あまりにも彼女が独創的な乾杯の発声をするので、特定されないように変えた。)
みんな衝撃を受けた。この美人がこんなノリなのかと驚いた。僕はそこですぐさま
僕「いや、ハンドル切り過ぎだろ!強いんよ。」
なんかとりあえずみんな笑ってた。
夏菜「あたし、なんかこういうこと言わないと気が済まないだよね!」
そういうとまたボケた。正直、次のボケは面白過ぎてみんなめっちゃ笑ってた。この子、カバーする力が強い。感心してた。
乾杯の流れで、夏菜と隣の席に。
話すと、同い年だと発覚。美容の仕事のため、化粧品の話をした。彼女がオススメの化粧水を教えてくれた。肌荒れの酷い僕にはかなりありがたかった。またそういう話を聞かせてね。そんな感じで会話は切れた。
しばらくしてまた席替えの時間に。とりあえず、そのテーブルでグループLINEを作った。夏菜にはバイバイした。
3つ目のテーブルの会話は、正直印象が薄い。気がついたら会の終わりになってた。
終わり際、みんなで2次会しようとなった。ほとんどがそちらへ参加。夏菜もそちらへ。
ちなみに医者はその間も女の子を口説いていた。
僕はヒトシと話していた。そして女の子ではなく、ヒトシと2人でラーメン屋に行くことにした。
同名だからか。はたまた似た考え方だからか。ヒトシと仲良くなれる気がした。
ヒトシと食べる博多トンコツは最高に美味かった。
グループLINEは2次会の盛り上がりを実況してたので、対抗して、「ヒトシとラーメン食べてます」とラーメンの写真を送った。
めっちゃ既読はついたが、返事はなかった。
と思ったら。夏菜から
夏菜「いいな!私も混ぜろ!」
と返事がついた。その瞬間グループLINEでスタンプがポロポロつき始めた。
夏菜、面白いし良い子だなと思った。たぶんもう一生会わないだろうとは思ったけど。
ラーメンを食べながら、ヒトシの元カノの話を聞いた。
六本木のパーティで、なんか泥臭い終わり方をしてるのがすごく感慨深かった。
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「はじめての経験」
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