謎のカクテル
1996年に岡山県内美術館ツアーを敢行しました。二日目大原美術館に行った後のお話です。
宿のWホテルの地下に飲食街がありました。大原美術館を見終ったのが午後2時半それからお昼ごはんだったので、まだ7時近くになってもお腹はほとんど空いてませんでした。そこで、前日も行ったバー「E」さんに入って軽く済ませようかと思いました。
一人の店内で、暗い中文庫本を読みながらお酒とサラダを待っていました。
すると店の方が、
「お客さん、Wホテルにお泊りですね?」
と声をかけてくださいました。
「そうですけど、なんで判るんですか?」とわたし。
「そういうかた多いんですよ。岡山どうですか?」とお店の方。
「高校の修学旅行で来たきりで変わっちゃってますね。」
「僕も店の研修(全国チェーンのお店です)で東京行きましたよ。」
「いやぁうちは東京と言っても山の中で・・・こっちのほうが都会ですよ(笑)」
なんてやり取りをしていました。
まだ、二十代の私。ウイスキーなんて飲んでなくて、頼んだカクテル「ジントニック」次が「チャーリー・チャップリン(当時の定番)」と甘いものが続いていました。
「じゃあ最後に何か作ります」とお店の人が言いました。出てきたのは
「ダイヤモンド・ダスト」
お酒の強さは約9度。
(1)ライチ・リキュール 15ml (1/4)
(2)ピーチ・リキュール 15ml (1/4)
(3)グレープフルーツ・ジュース 30ml (1/2)
(4)生クリーム 1tsp.
(5)ブルー・キュラソー 1tsp.
(1)~(4)をシェイクしてグラスに注ぐ
ブルー・キュラソーを静かに注ぎ、少し攪拌する。
色は青色。
作者は草間常明氏。
受賞歴「1999年 第4回 C.C.S. グランプリ 優勝」。
英語名はdiamond dust。
そう1996年の頃は知られていなかったはずのお酒。生クリームが入ってヨーグルトみたいな味がしました。きれいなお酒でした。なぜこれが出たのか謎が残りました。が、「東京のNビルに店がありますからそこ行ってくださいね。」と、名刺をいただいたらその方は店長さんでした。お礼状も出さないままでした。東京でNビルの前を通るたびにその店を確認しました。でも岡山のときのように一人で入る勇気がなくってそのままに。そのうちお店がなくなってしまいました。不思議なお酒の思い出です。店長さんいい思い出をありがとう。今度バーに行ってダイヤモンド・ダスト飲んでみようかな?
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