求められぬとも生まれて

俺は今まで結構苦労しているという自負がある。
自分で言うのもなんだが、同い年くらいの連中の3倍は苦労している確信がある。

実の親父はアル中でDV男。思春期に母が殴られ髪を掴んで引きずり回されるのをよく見ていた。
俺も勉強しないと殴られた。
親父にはっきり言われた"勉強して良い会社入って今までお前にかけた金を全て回収する"と。

お前にはそのために投資している。

と当時ハッキリ言われたよ。この時か、その少し前くらいか覚えていないが、高校1年の頃には"全ての子供は親の道具として生まれてくる"という本質に既に気づいていた。

そんな中、道具として言われた通り勉強して、高卒枠で一部上場企業の正社員に合格。。。
するも卒業式の数日前に逮捕。留置。そして内定取り消し。

上記の言葉の裏付けもある。出てきてから親父に言われたのが

俺の人生めちゃくちゃにしやがって。

もうそれで大人なんて中学生と本質は変わらない事に気づいた。少し気づくのが遅い。贅沢言うならばもっと早めにその真実に気づけたらなお良かったかもしれない。

そして学校ではいじめられる。男にも女にも。
両親は分かってて無理やり学校に行かせた。
番長に殴られて金取られて。女の子たちにはキモいキモい言われて。学校では一言も喋らない日なんてザラ。

そして家でも殴られ、酒の相手をさせられ。
学生時代は怖いものばかりだったと思う。
学校へは親父から盗んだ焼酎を水筒に入れていくこともあった。
学生時代だけで3度の自殺未遂。
逮捕。留置。内定取り消しを経て

それから社会に出て働くも、
・まずは保護観察継続。
・誤って隣の家の塀に車で突っ込む。
・通勤中に人を轢いてしまう。
・風俗3回目で性病にかかる
・出張先のホテルでキレて壁蹴破る。
・身内と揉めて家出。一ヶ月くらいホームレス。
・飲み屋の姉ちゃんに惚れて30万くらい使う。
・その後酔っ払ってトラブル。交番連行。
・5回目の自殺未遂で精神科に強制入院隔離。
・同僚と現場で取っ組み合いの喧嘩。
・親父から母と姉を逃がすためほぼ一人で養う。
・ハッピーメールで美人局的な出来事。
・母にDVして署に連行。
・家出して一人暮らし。
・全ての家族親戚と縁を切る。

これらは全て18〜20になったばかりくらいの間の出来事だ。
そりゃ全てやりたくてやったことじゃないよね。
それとも全て俺が悪いと言えばみんな満足か？そしたらみんな喜んじゃうのか？

20過ぎてからは
・一人暮らし初期は金なくて食べ物が少なかった。
・クソ保護司が無責任なことやってくれた。
・ビール1日3.5リットル。親父譲りのアル中に。
・同僚と現場で殴り合い、警察沙汰。
・事業やってみる。それで200万つぎ込む。
・銀行から融資下りないからクラファンやったりするもまずは失敗。
・現場でキレてそのまま帰ってその日が最後
・迷走して馬の世話したり闇系誘われたり騙されかけたり脅されたり。
・貧困で2日に1食、それを2ヶ月。人生最大の正念場かな。
・そんな中、母方祖父が死んだらしい。一応縁を切った身分なので死に顔すら見れず。
・貧困で空腹の中、助けてくれる人もいたり。

というふうに、色々あったわけだが。なぜこうなのか。
そして元々の環境もうんこで。その中でその時々で少ない選択肢から最適解を選んできたつもり。
妥協せず手抜きせずそこらの同年代よりも一生懸命生きてきたつもり。

現状、もうすぐ22の俺は。
金もなし、脳は靄に蝕まれてる。家族は無し。親戚もなし。帰る場所もなし。友達もなし。妻なし。

18から望んでいた"結婚"というのもまだ未達成。
まだ自分の居場所を作れてない状況。

仕事においても優秀な年下がちらほら出始める始末。ひとつのプライドがへし折られた。

精神と肉体は連動しているから、心を先に折られたのかも分からんが、体力もやや落ちて、それに伴い行動力も落ちたかな。
その2つを切り札として生きてきたが失うと本当に無価値になってしまう。

とにかくそんな現状。
なぜいまだに人生が報われないか。ある程度の所で安定しないか。そして居場所がないのか。
実は答えはもう20歳の時点で解っている。

それは

求められてないからだろう。

生まれた時点で。大人になるまでの環境も境遇も。身内なのに他人扱いされてたのも。いまだに結婚出来てないのも。

この世に求められてないから。

もう結論は出ている。

余談だが、前の会社で面倒見の良いおっちゃんがいたんだけど、彼は島田さんといって、いつも同じ現場に行ってた上司だ。

俺は2トントラックの助手席によく乗ってたが、ある日そういう話をした。
俺の過去のアレコレや当時の生活ぶりを知ってる人だったが、家族関係の話をしてるなかで彼は言った。

島田さん「なんでお前だけいつも家族や身内からのけ者にされるのかねぇ」

俺「求められてない。。。からじゃないでしょうか。。。」

俺は心のなかで"キリッと決まった"と我ながら満足した。