#14 ブラック勤めのオンナの逆襲 〜 外国人は苦手?! 〜
パワハラ・モラハラ・モリモリブラックに勤めるオンナと、その社長爺やとの攻防戦のエッセイ。
社長爺やは、戦後すぐの生まれ。輝かしい思い出や感覚、文化はあの時代から色褪せない。
色褪せないどころか、現在も本人の中では継続中である。爺やからしたら
当たり前の風習、
当たり前の考え方、
当たり前の言葉。
でも、周りに通用しないこともある。
なかにはヒヤッとすることも。
特に差別用語。
外出先で外国人がいると、肌の色を見て
『気持ちわりぃ』
『ダッコちゃん人形』
『ちびくろサンボ』
などと、失礼極まりないことを言う。
アメリカでコレを言ったら、刺されますよ。冗談抜きに。
根強い差別意識。
平和な日本からしたら想像つかないだろうけど、肌の色で人間を虫けらのように扱う人もいる。
だから、外出時はとくに気を使います。
『その言葉、絶対外国人の前では言わないでください。絶対です、刺されます、良くてもボコボコにされますよ』
ただ、幸か不幸かあまりに古い言葉だから、現代の人には通じない。私でさえ???となることがある。
そんなある日のこと。
面接にアジア圏出身の女性が来た。結婚して、国籍日本。でもカタコト。
(大丈夫かなぁ)
私個人としては、仕事を真面目にしてくれればいい。国籍なんぞ関係ないと思っている。
でも、爺や世代は外国人に抵抗がある。
書類選考をして、1次面接は私が行う。経験も問題なし。勤務条件もオーケー。あとは人柄だな。
本人を個室に通す。爺やは前のめりになった。すかさずフォロー。
「ご経験はおありです、ご主人は日本の方で◯◯市にお住まいです、言葉も問題ありません」
最低限の業務確認と、仕事内容、弊社の考え方などなど説明。
爺やは大丈夫そうかな?とおもったら、おもしろ発言が飛び出した。
「ねぇ君、大福好き?」
「道の駅(直売所)のいちご大福うまいんだぞ〜」
まさかまさかのいちご大福である。
そして、そこのいちご大福は私も食べたい(笑)
話の流れを変えた爺や。
私もそれに乗っかることにした。
「◯さん、道の駅の生乳ソフトクリーム食べたことあります?絶品ですよ!あ、すーごくおいしいアイスクリームのことです」
緊張がほぐれた彼女から、やっと笑顔が帰って来た!
彼女は無事採用となった。
あとから聞いたが、爺やは日本のいろんな食べ物を食べさせてあげたかったらしい。
日本に嫁いできたとはいえ、旧農家で、弟の借金も返済しているらしい。だから生活のために働きに出たという。
爺やはそんな彼女に同情して、せめておいしい甘味をご馳走してあげるつもりだったとか。
地元には美味しいのもがたくさんある。
私にもご馳走してほしい。
「私はいちご大福よりソフトクリームが食べたいです!かってきますよ」
「お前はダメに決まってんだろ!」
すかさず、爺やの大好物の『おやき』も買ってくるといえば、あっさりOKが出た。
スタッフさんたちへの差し入れのいちご大福と、爺やのおやき。
もちろん私は『生乳ソフトクリーム』をしっかり購入させていただきやした(≧▽≦)