100均商品でボルテコンの静音化
はじめに
最近サウンドボルテックス用のボルテコン(SVSE5)を中古で買ったのだが、聞いていた通り騒音が酷いなと感じた。静音化しようと思ったが、電子部品の取り外しが面倒そうで、また故障のリスクもあったので避けていた。
しかし実は意外なほど静音化が簡単なことが分かった。少しの手間で苦情を出されたり訴えられるリスクを避けられるので、備忘録も兼ねてやり方を説明していきたいと思う。
ちなみに静音化の手順は、こちらの記事を参考にさせてもらった。
事前知識
そもそもどのぐらいウルサイのか
結論から言えば80dB~85dBで、めちゃくちゃウルサイ。
以下がデシベル値のイメージ。
なお床や壁を通して伝わる振動音(壁ドン)は例外なので割愛。
40dB : 一般的な静寂
50dB : 虫の鳴き声、雨、ファンの音など環境音
60dB : 鼻をすする音、キーボードを叩く音など生活音
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70dB : 電話の話し声、いびき、音楽など騒音
80dB : せき、くしゃみ、大声など大きな騒音
参考までに、コレがスマホの騒音計で調べたボルテコンの打鍵音。平均で80dBぐらい出てるのが分かると思う。ちなみに何もしていない状態だと45~50dBぐらいの静けさ。
木造建築の壁一枚を隔てると-20dBぐらいされるので実質60dB相当。一般的な騒音の基準が50~60dBとされているので、余裕で騒音認定されるレベルである。
想像しにくいかもしれないと思うので具体例を挙げると、隣人の「むせた咳」「くしゃみ」とほぼ同じ大きさである。普段の生活でゴホ!ゴホ!という隣人の咳が聞こえたことがあるなら、こちらのボルテコンの音も確実に向こうに伝わっていると思っていい。
一瞬咳された程度で苦情訴える奴はあんまりいないと思うが、1~2時間もタン!タン!タタタン!と延々に音を鳴らす奴がいたら間違いなく問題になるだろう。特に深夜の就寝中にされたら誰でも殺意沸くと思う。
自分も過去、今いるところとは別の賃貸で夜中にライブ配信やSkypeのボイスチャットをやっていたことがあるのだが、普通に隣人や下階の住人から管理会社に苦情が行ったようで、賃貸の壁に「騒音について」の貼り紙がされていた。
やや大声だったので80dBぐらいと仮定しよう。ボルテコンの打鍵音と同程度のはずだが、それでも隣人には苦情出すレベルの騒音だったので、やはり静音化していない状態は危険だと言えるだろう。ちなみに反省したので今はボイスチャットはやってないです(笑)
静音化でどのぐらい軽減できるか
70dB程度まで軽減できる。
こちらが静音後の測定結果、まあまあ抑えられていることが分かると思う。
今度は壁一枚隔てた状態の測定結果。うちは1LKなのでキッチンにスマホを置いて、扉を閉めた状態でリビングから打鍵音を鳴らした。上述の通り50dBぐらいに抑えられている。なお一瞬高くなっているのは扉の開閉やスマホを持ち上げた時の音(笑)
あくまでリビング⇔キッチンの比較なので、隣人にはもっと大きく伝わっている可能性もあるが、向こうからすれば「なんか隣の人やってるな」程度の認識となので、起きている時間帯なら見逃してもらえるだろう。静音化の効果はしっかり出ていると言えるだろう。
静音化に必要なモノ
以上。意外と少ないよね?すべて100均で購入でき、計440円。
自分はセブンの100均コーナーからゴム手袋とテープを調達してきた。テープがマスキングテープなのは剝がしやすいからで、跡が残ってもいいなら通常のセロテープや両面テープでもよい。
プチプチは既に自宅にあったのでそれを利用。なければこちらも100均に売っているので買ってこよう。隙間を埋めるためのモノなので千切ったティッシュやキッチンペーパーでも代用できると思う。
下に敷くモノは座布団でも布団でも何でもいい。なければ100均に売っている。コレがないと、ボタンを押した時の小さな衝撃が床や壁を伝わって隣人に聞こえてしまうので、必ず用意しよう。
自分は柔らかい座椅子の上に座り、さらに自分の膝の上(笑)にボルテコンという二重の衝撃対策でやっている。
作業時間は2時間ぐらい。
メリット・デメリット
当然だが完全に音をなくすことはできない。ASDやHSPといった音に敏感な特性もあり、そういった人達にとっては50dBでもかなりの騒音だったりするので、静音化ありきでも深夜や朝方のプレイは危険と言える。
ボタンの感触はかなり変わる。詰まる感じはないが、人によっては気持ちよく押せないと感じるかもしれない。
やり方(SVSE5)
①分解する
SVSE5をひっくり返して、裏面を上にする。
側面を支えながらゴム製の足部分を引っ張ると開けられる。
マグネットで固定されているだけなので壊れる心配はない。
こんな感じでボルテコンの裏側が見える。
端子の白いプラスチック部分をつまんで、反時計回りにまわす。
何かに引っかかると回らないので、あまり力を入れ過ぎないように。
こんな感じで、クルッと斜めの状態になる。
あとは上に持ち上げれば外れる。
プラスチック製の白いナットがあるので、反時計回りにまわして外す。
ナットが外れると、反対側からボタンがストンと床に落ちる。
ボタン単体になったら、白いプラスチックのL字部分を両指で押し込む。写真を撮り忘れたので絵で申し訳ないが、内側に押し込みながら、押し出すように下に力を入れれば外れるはず。
外すと写真のように黒い皿、ボタン先端、スプリングの3つに分解できる。
②ボタン:底部分の静音化
ゴム手袋をハサミで短冊状にカットし、ボタン先端と皿の底部にマスキングテープで貼り付ける。一般に皿だけに貼る人が多いようだが、自分はそれだけだと不十分に感じたので両方に貼った。
③ボタン:先端部分の静音化
ボタン先端の透明なカバー部分を外す。こちらも絵で恐縮だが、少し難しいが緑色の部分を手で押さえつつ、カバー部分を手前に引くように剥がすとパカッと外れる(内部のツメで引っかかっている)
上手く外せたら、写真のように内部に緩衝材を詰める。
ガチでやるならパテがいいらしい。
あとは以上の手順をさかのぼるように、ボタンを元の位置に戻す。ついでにボタンの感触も確認して、なんか違うようなら貼り方を見直そう。
④上記手順を繰り返す
同じ手順で残り3つのボタンも静音化していく。
FX-L / R ボタンは小さいので少し勝手が変わるが、やること自体は同じ。
すべて終わったらフタを閉じておしまい。お疲れさまでした。
箱内部に緩衝材をさらに詰める人もいるようだが、DAOコンは基盤がむき出しになっていて怖いので、自分はやらなかった。
上記以外の騒音対策
①正規の静音ボタンを使う
ここまで書いておいてアレだが、実は正規の静音ボタンがあるらしい。値段は17,273円と大変高額だが、日本製なのでたぶん安心。自分は手を出さなかったが、高収入のガチ勢なら検討してもよさそう。
②ボタンを優しく叩く
当たり前だがボタンを叩く勢いで10dBぐらい音に差が出る。静音後の場合、イヤホン付けた状態で打鍵音がかき消されるぐらいが、個人的にはちょうどいい。
③部屋の扉を開ける
部屋を閉め切ると音が反響して、より大きな振動として壁や床を伝ってしまう。例えば1LKなら、リビング⇔キッチンの扉を閉めたところで別にリビングの壁が分厚くなるわけではないので、むしろ騒音対策の面では逆効果。
④ボルテコンを段ボール箱で覆う
馬鹿みたいだが案外有効な対策。
底と正面(手前)の面がない段ボール箱にボルテコンを入れてプレイする。サイズ的には100~120ぐらい?要は簡単な防音室。意味ないだろ(笑)って思うかもしれないけど、実は-5dBぐらいの効果はある。
イメージとしてはこんな感じ。ガチでやるならベニヤ板製の箱で、内側に吸音材を貼って使うらしいが、コスパの面では段ボールで十分だと思う。ホームセンターに行けば100~120サイズの箱が200円ぐらいで売っている。
最後に
以上、静音化の手順を説明した。
当初、ボルテコンの騒音について聞いた時は大げさだと思った。しかしいざ手元に届いて操作してみると思いのほか音が大きく、言われている通りコレは静音化必須だと感じた。
自分が参考にした記事では複雑な端子の外し方を解説していたので、素人には無理だと思い二の足を踏んでいたのだが、DAOコンは簡単に外せるみたいで、自分でもアッサリ静音化できた。こんなことならもっと早く挑戦しておけば良かったと反省している。
この記事が誰かの参考になれば幸い。それでは。